大学病院や総合病院の耳鼻咽喉科や歯科には、味覚外来という特殊外来が設置されていることもありますが、まだ設置箇所は少ないのが現状です。近所に味覚外来を設置した病院がない場合は、耳鼻咽喉科、歯科、口腔外科などを受診するのが良いと思います。糖尿病では、神経や血管が障害されるため、糖尿病の患者さんの約1/4に味覚障害が生じるという報告があります。
味覚異常があって病院を訪れると、まず口の中や鼻の視診が行われます。厚くこびりついた舌苔、腫瘍、歯槽膿漏、口内炎、鼻づまりなど、目で診てわかる範囲で異常が見つかれば、この治療を行う事になります。
グリセリンテストを受ける場合もあります。このテストは、甘い液体を綿棒につけて舌に触れさせ、甘い味を感じることが出来るかどうか調べるものです。
甘味、酸味、塩味などの味をしみこませたろ紙で舌の感覚をチェックする方法がとられる場合もあります。電流を使って舌の感覚を調べる検査もあります。唾液や血液検査も行われます。
味を感じる細胞は数十個集合して味蕾(みらい)を形成し、この味蕾が舌・舌の付け根(後方)・軟口蓋に分布しています。有郭乳頭という舌の後方にあるイボイボには味蕾がびっしり並んでいます。この味蕾から神経が脳に味を伝達します。味蕾の数は高齢になると1/2から1/3に減少し、歳をとると味付けが濃くなりやすい原因といわれています。味は、甘味・塩味・酸味・苦味の基本4味から構成されます。甘味以外は舌後方とされていますが、厳密なものではありません。