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ダメ人間、落伍者、変人・・・
「同類」を描いた映画が観たいのです。 但し、あたまに「愛すべき」などとつくとダメですね。 同様に「憎むべき」という冠詞も余計です。 全く取るところのない、モテない、無能、奇行・・・ そんな人間を描いた作品。 DVとか、アルコール依存、ヤク中、暴力など、 「イケナイコト」と分かりやすく色分けされたものではなく冴えなくて、地味で、救いがなくて、 具体的にふっと思い出すのは『ボギー俺も男だ』『W・アレンの重罪と軽罪』『バファロー66』『ハピネス』 一連のアキ・カウリスマキ作品、R・ブレッソン作品 邦画では『無能の人』・・・ 今思い浮かぶのはこんな感じですが、 ヴィンセント・ギャロは最後に救いがありますし 『ボギー俺も・・・』『スリ』も何らかの救済があるという点で同様です。 最後の最後まで救いがない・・・というのがいい。 エラそうな事書きましたが殆ど知らないんです。 適当に思い浮かぶ作品がありましたら教えていただけたらと思います。(前回の映画の質問では思わぬ良いお答えを頂きました) お暇な折、お気が向かれましたら・・・
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こんばんは。 この質問って意外と難しいですね~。ダメ人間の映画ならいくらでもありますが、だいだいは愛すべきとまでいかないまでも憎めない程度か、許せなくもないけど本来は憎むべき犯罪者であったりする場合がほとんどで、そのうえ少なくともなんらかの救いがあったりするんですよね。「ダメ人間」の方ではなく「救いがない」という観点で頭に浮かんだのが『少女ムシェット』だったりしたんですが、あれもR・ブレッソン作品でしたね。 てなわけで、「ダメ人間」&「救いがない」をキーワードにしてなんとか思いついたのが以下の2本です。 ●『さすらい』(原題:Il Grido)【'57年、イタリア、ミケランジェロ・アントニオーニ監督】 ●『アンナ』(原題:Anna)【'87年、アメリカ、ユレク・ボガエヴィッチ監督】 どちらも救いのなさは一級品ですが、前者の場合は内縁の妻に捨てられて行き場をなくした男の放浪と悲劇的結末を描いたものですし、後者はチェコの大女優がアメリカに亡命後は相手にされず落ちぶれたうえチェコ時代のファンの娘と立場が逆転した末の悲劇を描いたものですから、どちらも周りの環境が主人公を追い込むのであって決して根本的なダメ人間とはいえないかもしれません。prozakさんの求めたものと違っていたらすみません。 それにしてもこの質問は難解ですね。自分がたいして思いつかなかったので、とりあえず他の方の回答を楽しみにしております。ほな。
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- crane5617
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♯5です。たびたびすみません。。。 「トレインスポッティング」もいいですよ。 やや冒険もの感があった気がしますが、とにかくみんな馬鹿です。 トイレに座薬を落としてしまって取りに潜るシーンなんか、馬鹿もここまで来ると本物だ。と思いました。 見たのがだいぶ前なんで、あなたが望むものと一致するかどうかはちょっと定かではないんですが、久しぶりに私も見たくなりました。 桜桃の味、ちょうど最近見ました。いいですね。 「え!こ、このあとどーなんの!?」 と思っているうちにメイキング映像ですか?あれって。 彼のその後を想像する暇もなく平和なシーンになっちゃうんですよね。 あの気持ち悪い感覚、大衆受けする映画ではないですね。 それでいったら、「オリーブの林を抜けて」だったかな。 これは監督がバカで素敵です。 イラン映画ですね。 映画を作る映画なんですが、救われないです。かなり。まったりしてるんだけど、不穏な空気っていうか。 「なんなんだ」っていう。エンディングは早送りしないで見ましょう。
お礼
crane5617さん、再びありがとうございます。 『トレスポ』。私も好き(?)ですよ(笑) 厳密には「好き」というか・・・確かにこの質問には合いますよね。 まあやっぱり好きな映画かなあ(笑) トイレに駆け込むシーン、大笑いですね。 キアロスタミ監督は独特の撮り方ですね。 でも 「メイキング」と呼ぶのはどうなんでしょう? 所謂「メイキング」とは次元が違うものだと思います・・・ 静かに流れている本編のストーリーが河口に辿りつき、 大海に注ぎ込むような印象を受けるのですが・・・・ 何回でもご登場お待ちしてます。 ありがとうございました!
- zapgun
- ベストアンサー率60% (23/38)
こんばんは、#4です。 >「悪名は無名に勝る」という言葉があります。 >映画の世界でもその通りです。 >しかし「名もなく、貧しく、美しくさえない」・・・ >「愛しさ」や「憎しみ」の対象にすらならない人間を愛します。 >冒頭の言葉を覆すような作品を愛します・・・ でも、よく考えるとそれって回り回って思い切り「愛すべき」ダメ人間じゃないですか? 例えばご自身の挙げた『ウディ・アレンの重罪と軽罪』の場合、眼科医ジュダは迷宮入り又は時間経過そのものによって罪の意識から解放され、ウディ自身が演じるクリフには最後まで救いはなくとも、彼は徹頭徹尾「愛すべき」ダメ人間じゃないですか? 私はそういう存在としてズッポシ感情移入してしまったのですが…。それともそう感じてしまうのは、私自身が自称ダメ人間だからでしょうか。 なんだか難癖つけたみたいですが、ただ考えているうちに一段とよくわからなくなってしまっただけです。てなこと言いつつ、prozakさん自身が正解を知らない(あるいは正解というものはない)からこそ質問されてるわけですから、数打ちゃ当たるの精神であえて新たな3本をひっさげて再度トライします。 ●『ピュア・デンジャー 追撃』(別題:『デンジャラス・ゲーム L.A.大追跡』、原題:Pure Danger)【'95年、アメリカ、C・トーマス・ハウエル監督】 良くも悪くもすっかりB級作品が板に付いた感のあるC・トーマス・ハウエル監督・主演のわざわざ紹介するのが恥ずかしいくらいの二流犯罪アクションですが、ダメ人間の現実を突いてます。基本はギャングからダイヤを盗んだカップルが逃げまくるだけの話で、大作レベルに力の入ったカーチェイス(あるいは金もないのにそこまでやってしまう心意気)が目玉だったりするのですが、主人公たちがひたすらチンケで、アメリカに何万といそうなくらいに平凡な落伍者たちであり、それを見る者に意識させるラストもなかなか。 ●『スウィーティー』(原題:Sweetie)【'89年、オーストラリア、ジェーン・カンピオン監督】 大人になっても常識を無視して感性のまま行動する女と彼女が原因で壊れた家族の姿を、翻弄されっぱなしの妹の視点で描いたカンピオン初期の作品です。まるで自由奔放な美人の話に聞こえますが、実際はブクブク太ったわがままで凶暴な性格破綻者。とはいえ決して悪人とも言い切れず、強烈な歪さが逆に無垢にも感じられ、振り回される妹もその歪さゆえ変に現実的でもあります。シリアスかブラックかもよくわからない淡々とした展開には共感も糞もありませんが、だからこそただただダメ人間を描いたものとして嫌いにはなれません。カウリスマキみたいな天才芸の域には達してないとは思いますが。 ●『UFO少年アブドラジャン』(原題:Abdulladzhan Ili Posvyaschayestya Stivenu Spilbergu)【'92年、ウズベキスタン、ズルフィカール・ムサコフ監督】 「拝啓スピルバーグ様、素晴らしい映画でした。実は私の村にも似たような話があるのです」と『E. T.』を見た男からスピルバーグに向けて語られるのですが、技術を駆使したスピルバーグ作品とは正反対の超ローテクに腰が抜けます。「鍋みたいですが本物です」と言った直後にピアノ線バレバレの鍋型UFO(というよりUFO型の鍋)が情けない音で飛んできたり、空飛ぶ鍬やテレポーテーションも想像を絶するチープさ。なのに、ゆる~い天然のふりした裏に侮れない知性を感じます。そんな中、アブドラジャンに振り回されながらもちゃっかり利用したりする村人たちは真の落伍者ではないでしょうか。ほんまに宇宙人が来てもこいつらこんなことすんのやろな~と変な感慨をおぼえるような彼らこそ「名もなく、貧しく、美しくさえない」という言葉そのものです。 以上まともな人が選びそうもないところから選んでみましたが、結局は的外れな気がしてしょうがないのでとっとと退散します。 ほなほな。
お礼
zapgunさん、再度のお答えありがとうございます。 決して「難癖」なんて思いません。 自分でもほんと、正直わからないです(苦笑) ただ何となく、「世間の基準から見て」到底愛すべき人物ではない・・・だからこそ私は愛する。 ・・・というようなところかもしれません。 ジェーン・カンピオン監督は最初に見た「エンジェル・アット・マイ・テーブル」(でしたっけ?)の印象がどうしても良くないので(なんだか「ドグマ」的?) ●『UFO少年アブドラジャン』は、説明を読んでるだけで笑ってしまいました(笑) zapgunさんこそこういう韜晦の裏に侮れないセンスが垣間見えています。 そもそも「的」とか「的中」なんてないんだと思います・・・ 関心を呼ばない作品は端から観ることもないわけで、 つまるところ「愛すべき」なにがしかがあるからこそ、 それを求めてわたしもみんなの意見を聞いてるわけです。 無関心になれないならそこには「愛情」と呼ばないまでも 「共感」が存在してるのでしょう・・・・ 改めてありがとうございます!
補足
●『UFO少年アブドラジャン』 で、思い出した作品があります。 他の「人気作」「話題作」に挟まれる形であまり顧みられないジュゼッペ・トルナトーレ監督の『明日を夢見て』(邦題が・・・) 私は彼の他の作品より好きです。
- crane5617
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ああ・・・「完全なる飼育」はご覧になりましたか? シリーズ物ですが、すべてのシリーズに竹中直人が出演してます。 彼の監督作品や出演作品はすべて見ました。 「奇行」「救われない」というと彼を真っ先に思い出しました。いい俳優です。 「ゴーストワールド」わたしも見ました。ああいうのがお好きならアジア映画は意外とわけわかんねーこいつらっていうの多いと思いますよ。どうかな。。。 竹中直人の取材をしたときに、アジア映画を薦められたんです。 「あの赤っぽい色使いとか、キチガイじみているというか。好きですね。」とおっしゃってました。 わたしはそこからインドあたりの方へ今、興味が移っていますが、アジア映画はカッコ悪くて気持ち悪くて好きです。
お礼
お返事ありがとうございます。 竹中直人作品は『無能の人』と『三文役者』しかみていないのです・・・ アジア映画は殆ど無知です(苦笑) 韓国映画で『ペパーミント・キャンディー』という作品が好きですね。 同じ俳優の『OASIS』というのも関心があります。 後印象に残っているのは、A・キアロスタミ監督の『桜桃の味』『クローズ・アップ』など好きな映画です。 アジアではないにせよ。ハリウッド的な作品はどうも昔ほどは肌に合わなくなってきたようです・・・ 「桜桃」で思い出しました。 この作品でわたしがいいたい具体像は正に『人間失格』の 主人公、葉蔵そのものです。更に言うなら『荒野の狼』のハリー・ハラー、『ガラスの動物園』のローラ、ゴンチャロフのオブローモフ・・・ 皆さんセンすの良い回答者ばかりで・・・・ ありがとうございました!
補足
邦画ということで一言(笑) 最近観た作品でナカナカだなあと思った邦画は 『Laundly』『tokyou.sora』『チキン・ハート』 『ランデブー』 一方「なにこれ???」という印象しか残らなかったのは 『群青の夜の羽毛布』『サトラレ』(苦笑)
- stone_cold0315
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ダメ人間→(既出ですが…)「トゥリーズ・ラウンジ」(スティーヴ・ブシェミ監督・脚本・主演)。マイケル・ベイ作品の役柄のように変人でも変態でもなく、自然体でダメ人間です。恋人は寝取られ、仕事はクビ。アニメ「シンプソンズ」のバーニー状態(常時泥酔)で酒場「トゥリーズ・ラウンジ」に看板まで居座るのが日課。喪主になった伯父の葬式で居眠り。葬式のあとはマリファナパーティ。やっぱり未成年に手を出して…アメリカの田舎町のダメ人間模様。※ハリウッドが誇るダメ人間キャラ、ブシェミの監督作。余談ですが、「アルマゲドン」でヨーロッパの誇る変態俳優、ウド・キアーとのブシェミの2ショットで一人でクスクス笑ってしまいました。 もう、1作、ブシェミの監督作ではないですが、監督役で出演した「リビング・イン・オブリビオン/悪夢の撮影日誌」も佳作よりやや落ちるのが残念ですが、通りの騒音で撮影が止まるボロスタジオ、見栄張って嘘ついて呼んできた大物俳優、一番立場が弱い監督…と、映画の現場を少し知っている者には身につまされる作品。 落伍者→「レクイエム・フォー・ドリーム」(ダーレン・アロノフスキー)ドラッグカルチャー云々と言われている作品ですが、かなえられない人間の挫折劇だと思う。ヘロイン買いたさに母親(エレン・バースティン)のテレビを質に入れに行く息子、テレビ中毒の母親。友人、恋人もヘロイン中毒。3人でヘロインの密売に手を出すが…※映画オタクっぽい画面作りで好悪分かれるが、撮影・編集は上手いと思う。 落伍者→天才詐欺師物語・たぬきの中の狸(山本嘉次郎)。競輪(たぶん京王閣)でスッた小林桂樹、女房にも逃げられ、タバコ屋から留置所のなかまで、詐欺行脚、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン状態で小林桂樹と三木のり平の追っかけこが展開されたりと面白い。このころの東宝コメディは結構好きだったりします。環境に悪いけど、フィルムの色が綺麗…
お礼
詳しいお返事ありがとうございます。 おふたかたお薦めのブシェミ作品は一見の価値ありですね。 山本嘉次郎とはこれは渋い・・・ この作品は知りませんでしたが質問を離れて面白そうですね。(というのも、主演が犯罪者にしろ、抜きん出たものを持っていては・・・) 東宝のダメ人間といって思い出したのが(あ、松竹か) 獅子文六原作の『自由学校』ですね。 佐分利信のとぼけた表情がなんともいい(笑) いろいろ渋い趣味のセレクトで恐れ入ります。 長文のお答えは嬉しいです! ありがとうございました。
『Trees Lounge』。邦題は忘れてしまいました。 Sブシェミ監督&主演ですが、バーでうっとうしがられたり、仕事クビだったり、意志は弱いしグズグズ言うし。 ブシェミはなんで自分が監督するのに、いつもと同じようなキャラ演るのかなあっと思った記憶があります。 ブシェミ続きで『ゴーストワールド』も、ブシェミは勿論、主人公のソーラ・バーチも結構ダメキャラ。 主人公の女の子、何となく世の中が嘘っぽくてムカついてて、周りから浮いていて。私はこの子、嫌いじゃないです。 『さらば冬のかもめ』。Jニコルソンが主演です。 たった数ドル盗んで軍を除隊になって、刑務所に送られる青年と、護送する二人の軍人のロードムービー。 基本的に全員、世間から見たらダメな部類(世間から見てよろしいっていうのも、何だかよくわからないけど)。 『蜘蛛女』のGオールドマンも、すぐいろんな誘惑に負けるし、引きずられるしな~。 そしていろいろ失ってクヨクヨ後悔しているという、、、映画自体はアクション&サスペンスの系統ですが。 もしまだご覧でなければ、いかがでしょうか。
お礼
お返事ありがとうございます。 忘れていましたが『ゴースト・ワールド』、大好きです(笑) 何度借りて見た事か・・・ やはり「ハッピー・エンド」じゃないっていうのがポイント高いですね。 S・ブシェミはなんだかやたらと人気があるので、私の中では、(ハリウッドの人気スター)という印象が強く、初期のW・アレンに対する共感度には程遠いという感じで・・・ 今更私が観なくても、もう充分に人気あるじゃんという屈折した心理です(苦笑) とは言うものの、『Trees Lounge』『さらば冬のかもめ』。 2本ともリスト入りです。 お忙しいところありがとうございました!
補足
ジャック・ニコルソンといえば『イージー・ライダー』を思い出しました。 広い意味ではあの3人も私の今回の範疇に入ると思います・・・
アラン・パーカー監督の『アンジェラの灰』はどうでしょう? そもそもがアイルランド人の作家フランク・マコートの少年時代の物語を映画化したものですが、マコートの父親をロバート・カーライルが演じています。 【以下、ややネタバレ】 大酒飲みで、子供の学校進学のための金まで飲んでしまうロクデナシで、仕事は3週間続けばいい方。そのくせやたらと誇り高く、しかも結局は蒸発するというおまけつきです。 でも、アイルランドの英雄伝説の話などを子供に聞かせたり、微笑ましい一面もあって、女房子供に暴力をふるうようなことはありません。「最低の好人物」だと思います。
お礼
早速のお答えありがとうございます。 A・パーカー監督は結構好きな監督です。 『ミッドナイト・エクスプレス』『ミシシッピー・バーニング』『フェーム』『ザ・コミットメンツ』など。 特に『ミシシッピー・バーニング』と『ザ・コミットメンツ』は好きですね。 『アンジェラの灰』早速リストに加えさせて頂きます。 ありがとうございました。
お礼
お答えありがとうございます。 目覚しく悪人であることもない。目立って醜悪でもない。他に抜きん出たものがあるわけでもない。 初期のW・アレン、A・カウリスマキがどうしても目立ちますね。 『どちらも周りの環境が主人公を追い込むのであって決して根本的なダメ人間とはいえないかもしれません』 ・・・そうですね。本来は何某かであって、それが状況に巻きこまれて転落する・・・というのは、さすがご指摘の通り 若干ズレるかもしれないですね・・・ 自業自得は悲劇にはなりにくい・・・(苦笑) 無論私が正解を知るはずもありません。 私ももっといろいろな方のご意見を聞きたいです(笑) しかし質問の趣旨をよく把握されているのでそれだけで嬉しいです。 シャープなご意見、ありがとうございました。
補足
「悪名は無名に勝る」という言葉があります。 映画の世界でもその通りです。 しかし「名もなく、貧しく、美しくさえない」・・・ 「愛しさ」や「憎しみ」の対象にすらならない人間を愛します。 冒頭の言葉を覆すような作品を愛します・・・