これはまたえらいドンブリなご質問で。
さて、第二次世界大戦時まで遡ってしまうとえらいことになるので、とりあえず戦後からざっくりと流れ的な部分でお話させていただきます。
ご存知の通り、太平洋戦争でコテンパンに負けた日本は、連合国から一切の航空機の開発を禁じられてしまいました。それまでサルと思い込んでいた東洋人が飛行機入手からわずか数十年で自分たち白人に伍する航空機を開発・製造したことにびっくりしたんでしょうね。
そのおかげで戦闘機にとっては最も重要な、レシプロエンジンからジェットエンジンへという最も重要な変革期に技術的な空白が生じ、タダでさえ後追いだったエンジン開発技術で欧米とはさらに決定的な差がついてしまいました。そのため、飛行機の自作はできない、ましてや戦闘機なんてということで、自衛隊はF-86F・D、F-104J、F-4EJ、F-15Jと、長くアメリカの戦闘機の導入を続けて来ざるを得なかったわけです。
ところが、そもそも大戦時には航空王国の一角を占めていた日本です。「いつまでもこんなんでいいんかい?」という声が出始め、なんとか自分らで戦闘機を作ろうという機運が高まってきました。
とはいえいきなり第一線機は無理、じゃあ手始めに無難なところでということで、当時すでに開発が始まっていた超音速練習機であるT-1をもとに出来上がったのがほぼ国産の「支援戦闘機」であるF-1です。さすがに戦闘機用大馬力エンジン技術はなかったので、この段階ではエンジンはロールスロイス製です。また「支援戦闘機」というのは要は戦闘攻撃機のことなんですが、「攻撃」とか「爆撃」という名称を使うと「キーッ」ってなる政党(現在も名を変えて存続中)がうるさかったのでこじつけた名称です。とりあえず国産でやってみました、的な機体だったようですが、運用実績は良かったようですね。
その後F-1の退役が近くなってくると、今度は「本格的な戦闘機を国産で」の機運が高まって来ました。今度もエンジンは外国製ですが、ついに純粋な戦闘機を、となったのです。ところが当時の日本の輸出超過による対米貿易赤字問題とか、「日本に戦闘機なんか作らせるとヤバイんじゃないの?」といった思惑とかが重なって、最終的には自力開発ではなくてアメリカのF-16をベースに開発することになってできたのが現用のF-2戦闘機です。
F-16がベースだとF-1より国産度(という表現が適切かどうかはわかりませんが)が低いんじゃないの?という声もありますが、本家のメーカーが機嫌を損ねるほどそこらじゅうを設計しなおしたと言われますので、F-16とは似て非なるもの、立派な国産と言ってもいいんじゃないでしょうか。
さて、そのF-2もそのうちに退役を迎えます。そこで考えられているのが、今度はエンジンも国産で、しかもステルス戦闘機を作れるんじゃないの?という話。戦後、完成機輸入、ライセンス生産、共同開発と地道にやってきて、ようやく本当の自力開発の目処がついてきた、というところです。
現在ATD-Xという名で試作が進められている先進技術実証機ですが、来春には初飛行の予定です。この性能を評価して、可能であれば次の戦闘機「F-3」へ、という段階に進むことが期待されています。
お礼
回答ありがとうございます。 実証と言う名目でしたが! 少し納得しました。 ありがとうございます~