質問に「却って夜食べ過ぎてしまって、身体に悪いのでは」とありましたが。
確かにドカ食いをする人が結構いるそうです。日中消費した分を取り戻そうとして。
でもそれでは断食の意味がない、と、ほどほどの量を食べる人も結構います。
どれだけ食べろ、という命令はありませんから個人差がありますが、断食とは別に、日常の食事について、「腹の1/3は食べ物で、1/3は水で、残りの1/3は空気で満たしなさい(つまり腹八分目ではなく腹七分目?)」という教えがあるので、それに従って断食解除の食事をするならば、身体に悪い食べ方はしないと思います。
また、イスラム教徒は「断食解除はナツメヤシでしなさい。もしないならば水で(水を飲んで断食解除しなさい)」と教えられています。
なので、ラマダーンにはナツメヤシがとれる国での消費量が増えるだけでなく、欧米や日本などナツメヤシがとれない地域では大量のナツメヤシが輸入され消費されます。
つまり、断食終了時間だから、と突然お腹に負担のあるものを食べるのを避け、栄養があって簡単に食べられるものを摂るように教えられています。
また、後述しますが、体調の悪い人・身体の弱い人や、日中どうしても薬や食べ物を摂取しなければならない人は断食が免除になります(ラマダーン中ではなく体調が良くなってから断食をしたり、闘病等今後も断食が出来ない人は貧者に施しをしたりして補います)。
確かに真夏の断食などは大変ですが、体調を崩す恐れのある人はするな、という教えです。
いたってシンプルです(笑)。
以下イスラームの断食(ラマダーン中以外の任意の断食も)での基本事項です。
1.
イスラームの断食は食べ物だけでなく水分、味のあるもの(ガムやマウスウォッシュや歯磨き粉等)、自然に体内に入る以外の物質(喫煙、点滴筒の栄養剤摂取、座薬等。目薬は何故かOK)を摂取してはいけません。
※受動喫煙は許されますが、タバコを吸っている人の所に行って宙に舞う煙をわざと胸いっぱいに吸ったり、食堂で食べ物の匂いをわざと胸いっぱいに吸い込むのはダメ。
2.
断食中は上記のようなものを「摂取」しないだけでなく、性交もしてはいけません(学派によってはハグもダメ、という見解から欲情しなけらばキスもOKという意見も。しかし全て「自分の配偶者との関わり」についてであって、配偶者以外とは絶対ダメです)。
更には悪いことから遠ざからなければなりません。悪口を言わない、嘘を言わない、喧嘩をしない、破廉恥な事をしたり見たりしてはいけない。
だから、それを避けるために「もしそんな場面に直面したら、『私は断食中です』と言いなさい」と教えられています。
3.
「断食は太陽が出ている間」と言われていますが、実際は「ファジュルの礼拝開始時間(日の出の約1時間半前)」から日没(開始)時間までです。※シーア派は完全に日が沈むまで。
しかし、白夜の季節にぶつかったフィンランド等では例外で、学者が「適した時間設定」をして、それに則って断食をするそうです。
4.
ムスリム(イスラム教徒)全員が絶対に断食をしなければならないのではありません。
子ども(初潮が来るまで)、妊婦、授乳中の女性、病人は免除です。勿論「やりたい!」という人はやっても構いませんが。
更には、1.に関連するのですが、日中薬や食べ物・飲み物を摂取しないと体調を崩す人は免除です。当たり前ですが点滴を打ち続けている人や、低血糖症の人、一部の糖尿病患者(糖尿病の種類と体調によりできる人もいます)など。
お礼
回答、ありがとうございました。 最近、少し体重が増えてきたので、朝食を抜いて一日二食にしているのですが、これなら、断食もできるのではないかと思った次第です。イスラームには親近感を持っていますが、宗教とは別にラマダーンや喜捨の精神はすばらしいと思っています。 無理のないようにやってみようと思っています。