国連薬物犯罪事務所(http://www.unic.or.jp/info/un/unsystem/other_bodies/unodc/)による国別犯罪統計をご覧ください。エクセルなどで閲覧できます。資料は複数のシートから成っていて、画面下部のシート見出しをクリックすると、当該のシートが表示されます。
Total sexual violence at the national level, number of police-recorded offences(UNODC)
http://www.unodc.org/documents/data-and-analysis/statistics/crime/CTS2013_SexualViolence.xls
これは表題の通り、強姦および性的暴行の合計です(人口10万人あたり)。2011年の数値を見ると、韓国は40.0件となっています。フランスの値に近く、ドイツ、カナダ、スウェーデンなどよりは少ないです。一方、日本は6.3件となっています(0.9件ではない)。0.9件というのは別のシート(強姦だけ)の数値です。
性犯罪の定義というのは国によって異なり、暗数も多いので、単純に比較するのは愚かでしょう。発展途上国などで妙に数値が低い国々も見られますが、そもそも警察が性的事件に対してあまり機能していないのではないでしょうか(表題にもnumber of police-recordedと記されている)。一方、日本も性的事件の暗数は多く、法務省の法務総合研究所の調査によれば86.7%にも及びます。13.3%しか捜査機関に届け出ていないのです(http://www.moj.go.jp/content/000010429.pdf)。
また、満員電車などで多発する「痴漢」については、一般に都道府県迷惑防止条例違反で検挙され、特に悪質なものが刑法の強制わいせつ事犯として扱われます。前出のデータで日本が「6.3件」というのは、強姦1,185件、強制わいせつ6,870件の計8,055件を総人口で割って10万を掛けた値です。迷惑防止条例違反は含まれていません。ということは、当局の匙加減で日本の Total sexual violence の数は変わるということです。
なお、1,185件は韓国の件数ではなく日本の件数です。小学生レベルの計算ができない暇人も紛れ込んでいて、韓国の人口は302万人と主張しているようですが。
また、日本では陰茎を膣に挿入した場合しか強姦にならないのですが、例えば米国では陰茎以外の部位や物の挿入でも、anus や oral への挿入でも、強姦になります。これは WHO(世界保健機構)による強姦の定義に近いものです。
強姦の定義の更新(米国司法省、2012年1月6日)
http://blogs.justice.gov/main/archives/1801
〔引用開始〕
The new definition is:
“The penetration, no matter how slight, of the vagina or anus with any body part or object, or oral penetration by a sex organ of another person, without the consent of the victim.”
〔引用終り〕
さらに、日本の当局は without the consent of the victim、すなわち「合意がなかったこと」の証明をあまりにも厳密に求めすぎる嫌いがあり、国連から下記の通り勧告を受けています(「被害者の抵抗が強姦の要件となっている」、「抵抗したことを被害者に証明させる負担」)。引用文中の「締約国」は日本を指します。
自由権規約第40条(b)に基づく日本政府報告に対して、国連自由権規約委員会の最終見解(2008年10月30日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/pdfs/jiyu_kenkai.pdf
〔引用開始〕
14.委員会は、刑法第177条の強姦の定義が男女間の実際の性交のみを対象とし、かつ被害者の抵抗が強姦の要件となっていること及び被害者が13歳以下である場合を除き、強姦及び他の性犯罪について被害者からの告訴なくして起訴出来ないことに懸念をもって留意する。また、性的暴力の加害者が往々にして懲罰を受けることを免れていること又は軽い刑しか受けていないとする報告、裁判官が過度に被害者の過去の性関係に焦点をあて、暴行に抵抗した証拠を提供することを被害者に要求するとする報告、改正監獄法及び警察庁の被害者支援のガイドラインの監視・実施が効果的に機能していないとする報告及び性的暴力に関する専門の研修を受けた医師と看護師の不足及びそのような研修を提供するNGOへの支援が不足しているとする報告を懸念する。(第3条、第7条及び第26条)
締約国は、刑法第177条の強姦罪の定義の範囲を拡大し、近親相姦、性交以外の性的暴行、男性に対する強姦が重大な犯罪とされることを確保すべきである。また、抵抗したことを被害者に証明させる負担を取り除き、強姦や他の性的暴力犯罪を職権で起訴するべきである。さらに、裁判官、検察官、警察官、刑務官に対する、性的暴力におけるジェンダーへの配慮に関する義務的な研修も導入すべきである。
〔引用終り〕
要するに、日本は強姦の範囲を極端に狭く取っているのであって、その結果が、例えば2011年の「10万人あたり0.9件」という数字になっているわけです。まあ日本が韓国(および前出のフランス・ドイツ・カナダ・スウェーデン、さらにアメリカなど)に比べ、強姦および性的暴行の件数が少ないとしても、40分の1なんてネトウヨのガセネタでしょう。
そんなガセが拡散されると、「日本は安全な国」と自画自賛に結びついて、性犯罪対策も後手後手に回りかねません。結局は、日本女性(男性にとっては自分の妻や娘など)の尊厳を守ることを妨げる、有害なデマでしょう。
第一、女性なら、日本でも悲惨な強姦や性的暴行は少なくないことを薄々感じているのではないでしょうか。
補足
質問は何故韓国はレイプが多いのか?爺から小学生までレイプをするのか聞いてます。関係ないことはいりません。 他でやってくれ