6.35六角軸シャンクには鉄工様ドリルのほかコンクリートドリルもあります。
6角軸ですから当然三つ爪チャックで把握することはできます。
もちろん使用も可能なのですが、その前に使用者としてちゃんと知っておくべきことがあります。
インパクトドライバーと振動ドリルとハンマードリルの違いはご存知ですね。
6.35軸の鉄工用ドリル(ビット)とコンクリートドリル(ビット)も何本かはお持ちですよね。
そのビットはチャックにセットするシャンク部分と錐の部分が別物になっているはずですが、なぜだか分かりますか?それは材質が違うからです。
例えば鉄工用のドリルであれば高速度鋼などのように非常に硬く、かつ熱でヘタラない材料であることが求められます。ところがこの同じ材でシャンク部分まで一体で作るのは無理があるのです。
シャンク部分までSK材では硬すぎてショックが吸収できないですから、シャンクがすぐ折れてしまうでしょうし、チャックボールなど保持機構の痛みも激しいでしょうね。シャンクが細くなったボール溝部分で折損してしまうと先がチャック内に残りますが、こうなるとチャックをバラさないと除去できません。
シャンク部分には硬さ、粘さとともに適度な柔らかさが求められるのです。
形だけの安物なら一体物もあるでしょうが、ちゃんとしたメーカーのものならビットとシャンクは別材になっていてそれを接合して作られているはずです。
インパクトドライバーは本来的にドライバービットで使用するための電動工具ですが、汎用性が高いために様々な作業に使われ、先端工具も沢山の種類があります。でも先端工具の性能と価格、特に耐久性の面で優秀と言えるのはそのうちのごく一部です。
ドライバービットなら先端だけ硬ければよいのですから、材質的にもシャンクに向いています。木工用ドリルビットもいいですね。ソケットレンチも材質としては良いのでしょうが、あまりに長い時間叩かれますから疲労によりシャンクは折れやすいです。
六角軸鉄工用はドリル(錐)としてもあまり良くないです。刃がすぐつぶれますし、キリコのはけも悪いです。おそらくインパクトが掛かった時に簡単に刃先が欠けないよう、またシャンク部とのカシメ接合との兼ね合いで熱処理条件を設定しているからでしょうね、アルミやプラスチック、せいぜい薄板用ですね。
つまり一体物にしてしまうと、シャンク部で曲がってしまうような鉄工ドリルビットでは鉄に穴を開けることはできませんし、ちゃんと鉄に穴があくほどのものではシャンクがバキバキ折れてしまうのです。
振動ドリルには本来、丸軸シャンクのコンクリートドリルが使われることはご承知のとおりですが、そのコンクリートドリルにも実際には用途によって幾つかの種類があることはご存知ですか?
石材用、レンガ・タイル用、回転のみで使用することを推奨しているものもあり、これらは先端の刃先状態がそれぞれ違っているのです。ちゃんと作業にあわせた工具が用意されている、ということです。
六角軸の先端工具をボール盤や振動ドリル、場合によっては旋盤で使ってもそれは結構ですが、それは単に使えるから使う、というだけであって間に合わせにすぎないのです。耐久性や性能の面で満足できることは決してないはずです。
ちなみに、最近の充電工具は14.4Vから18Vクラスになろうとしていますね。モーターの性能も上がりました。ところがシャンクは30年も前とおなじ6.35軸のままです。この強力なパワーにこんな細い軸が耐えられると思いますか?メーカーは12Vから14.4Vになった時。特に叩く(インパクトがかかる)先端工具にはショックを吸収する設計や熱処理などで対応してきたようですが、現状では先端工具はモーターパワーに負けています。決して経済的とは言えないですね。
お礼
そうなんですね。なぜあんな滑る形状にして普及させたのか疑問に思っていました。六角は力加減で本体のほうに負荷がかかるんですね。ありがとうございました。