こんにちは。40代後半既婚女性です。
携帯やメールというものを持たずに、青春時代を送った人間としては、
「ああ、そういう疑問を持つんだな。」と新鮮に驚いています。
人様から物を頂いたときに、(郵送、宅急便)
電話やメールではなく、
葉書でお礼状を書くことが多いです。
また、人様に何か差し上げるとき、(郵送や宅急便で)
品物の中に送り状を添えますが、
その品物が届く前に、贈る目的と挨拶、郵便で、宅急便で・・・
現金書留で・・・などを葉書に書いて出すことが多いです。
親しい友人には、誕生日当日に葉書が届くように書いて出します。
ですので、美術展などに行くと、
売店で綺麗な絵の葉書を買い求めて、常に備えております。(切手も常にある。)
メールがない時代は、それこ「メールそのもの」の葉書です。
旅先から「今、○○に来ている。」と旅先の感想を「つぶやいた」ものを、旅先のポストに入れて友人へ送る。
そういう時代です。
海外旅行先から送られてくることもありました。
25年以上前の結婚指南本
(結婚のマナー本みたいなもの)には
新婚夫婦は新婚旅行先から、「必ず両家の親と、仲人夫妻に、旅先の絵葉書を書いて送ること。
しかもその役目は『新妻』ですが、
差出人は『山田太郎』と夫にしておき、
妻は夫の名前の下に『内』と書くのが、品がいい。」
こういうことまで書いてあったんですよ~~~~!
今でも新婚旅行へ行った先から、「生きてます」「元気です」ぐらいはメールすると思いますが、
それを葉書で「美しい字で作法にのっとって」書くのが、
聡明な妻ならできるはず。できないと恥ずかしい。・・・という時代です。
だから手紙葉書の例文集という本が、一家に一冊あって、
いろんなシチュエーションを想定してあるんです。
それを見るのが、子供心におかしかった!!
「借金を申し込んできた弟への断りの手紙」(結婚した姉へ無心する弟!)
「行き遅れの妹の縁談を、再度仲人へお願いして探してもらう兄からの手紙」(兄貴も大変!)
「恋人への手紙」(←デートの翌日に書く。気持ちは分かるぜ。)
「親しい異性の友人へ、恋心を告白する手紙」
(決まって男性から女性への手紙。子供心に読んでドキドキした。)
「借金返済を促す手紙」(こちらも親戚の法事で物入りになり、返してもらわないと困るので。など書く。)
「夫の不始末を夫の友人に詫びる妻の手紙。」(酔っ払って友人に介抱してもらったんでしょうね。
・・本人が書けよ!)
「叔母に息子の入学祝のお礼を書く」(よくあるパターン)
「上京する息子の下宿先を、親せきに探してもらう依頼の手紙」(今みたいにネットで探せないから。)
大人って付き合いが大変。
手紙の書きかたも「物は言いよう」なんだなあと、
勉強になったものです。
「旅先から親しい友人への葉書」←詩的センスが求められるんです。
例えば「朝日と共に、宿を出るとあたりは硫黄のにおいと一面の湯けむり。
目的は宿の大将が教えてくれた、谷底にある秘湯。
山のサルも入りに来るという湯を探しに、歩くこと30分。
そこは・・・。」
「空に浮かぶ白い塔が光って眩しく、
自分がどこにいるかわからない不思議な感覚に襲われる。
しかし、ここは確かにローマ。
全ての道は本当に通じているのだろうか。
行きかう人もすべて、その道をたどってきた旅人なのか・・・。
たどたどしいイタリア語の挨拶も、板についてきた。
日本へ帰ったら、ワインを君にと用意してある。
このローマの空気も一緒に持って帰るよ。」
と旅行先からの葉書は、紀行番組さながらのセンスが求められます。(例文は駄文ですが。)
そういうセンスと知性のやりとりというものを、
楽しむためのツールという事です。
お礼
どうもありがとうございました。