最近、実生活で「ネトウヨ」と出会いました。それも立て続けに三人も。TPOをわきまえずに持論をまくしたてることに、正直うんざりしました。
現実の世界でも「ネトウヨ」が増えているのでしょうか。それとも、これはわたしの前世の報いなのでしょうか。
新しい歴史教科書をつくる会が威勢を放っていたころ、会員を対象にしたフィールドワークがありました。そこでは、彼らは右派の言辞を用いているものの必ずしも右派の信条を共有しておらず、現実に対する憤懣を表明する手段として「保守派」であることを選んでいる、と分析していました。昔なら左翼運動に引かれたような人たちだというのです。
いまの「ネトウヨ」も基本的にはつくる会と変わりないように思います。保守派の側では味方が増えたと喜んでいるのかもしれませんが、とんだ思いちがいなのではないでしょうか。
わたしの記憶のなかの保守派とは、伝統に愛着を示し、実生活に根を下ろしながら、素朴な郷土愛を愛国心へと結びつけている人たちで、政治の基本姿勢はプラグマティズムにありました。差別意識は根強かったですが、一方で差別に憤る義侠心も持ち合わせていたものです。
周囲の大人たちは自民党の党員であっても、地域の問題を解決するために必要だと思えば躊躇なく共産党の力を借りていました。子どもだったわたしには、その姿は頼もしく映りました。イデオロギーで飯が食えるか、というわけですね。
論壇を見ても、当時の保守派で思い浮かぶのは小林秀雄に福田恆存、安岡正篤、猪木正道などで、左翼と比べるとずっとリアリストの集団でした。いま思い返すと彼らなりに浮世離れしたところがありましたが、清濁併せ呑む大人の風がありました。
右翼はもっとイデオロギーに特化していましたが、それでも隣国を罵ることより日本を誇ることに熱心だった気がします。少なくとも、その心情には共感できたものです。
多分に美化されているきらいはありますが、今も昔もわたしにとっての保守派とは彼らのことです。「ネトウヨ」とは似ても似つかない人たちでした。
在日韓国・朝鮮人の平均所得を知りませんが、わたしの実感ではむしろ平均的な日本人よりも低いのではないかと感じます。にもかかわらず高額所得者が多いなら――これ自体が真偽の怪しいネット情報でしかありませんが――、それは彼らが平均的な日本人よりも努力した結果なのではないかと考えます。
在日の成功者といえば、歴史のある一流企業の経営者などではなく、一代で財をなした起業家とかパチンコ等の遊戯業界、興行界、マスコミ、ヤクザ、等々でしょう。人ごとに事情はさまざまでしょうが、その多くは主流の経済界で活路を見いだせなかった結果、あるいは個人の才覚だけがものを言う世界に活躍の場を見いだしたから、でしょう。
ならば、わたしとしては彼らの成功を称えるのみです。むろん、この過程で非法行為があったのなら咎めなければなりませんが――ヤクザなら存在自体がOUTですが――、在日であること、成功者であることを非難の理由とするなど、みっともないことこの上ありません。
その過程で同族や親族の助けがあったのなら、むしろ助け合う美風が残っていることをうらやましく思います。
ついでに、長者番付というものは節税対策にいそしめば名前を出さずにすみます。無意味な資料とは思いませんが、わが国の経済状況を正確に反映したものだとはとても見なせません。
ご質問の彼らの功罪についてですが、わたしには罪しか思い浮かびません。少なくとも、自分たちの望むままに都合の良い敵をこしらえ上げる彼らの姿勢は、現実の問題を何ひとつ解決しないでしょう。というか、現実の問題にそもそも関心がないから、そういうことが出来るのでしょう。
お断りしておきますが、わたしは韓国や中国に問題がないとは言いませんし、在日が問題を起こすことも現実にあると思っています。しかし、針小棒大というか牽強付会というか、いくらなんでも騒ぎすぎでしょう。
文章が長いのは頭が悪い証拠だそうです。恥をさらして恐縮です。
お礼
ヨーロッパで起きたことと、現在日本のネトウヨとは、やはり無関係かと思います。どうも、日本オリジナルの人間性なのでしょう。 韓国人の中に見られる反日感情に対抗する、ごくごくプライベートな信条なのでしょうから、放って置くのが一番なのでしょうが・・・ ご回答ありがとうございました。
補足
>革新政党から極右に転向する・・・ 混ぜれば普通人になりそうです。