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最近のマルチスピーカーユニットの低音域用スピーカーのサイズについて
- 最近のマルチスピーカーユニットでは、10センチ程度の小さなスピーカーでも低音域がガンガン出るウーファーが実現できるようになった。
- 昔のマルチスピーカーユニットでは、最少でも8インチ程度のスピーカーサイズが必要だったが、最近の技術力の進化により、小さなスピーカーでも十分な低音域が再現できるようになった。
- 昔風の10インチ前後のウーファーは、最近のマルチスピーカーユニットではほとんど不要になったと言える。
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>> 最近の高い技術力ゆえ、10センチ程度の小さなスピーカーでも、低音域がガンガン出るウーファーが実現できた、ということなのでしょうか? // ちょっと違いますが、ある意味ではそうとも言えるでしょう。 単純に言えば、「どれだけ低い音まで再生できるか」は「同時にどれだけの量の空気を動かせるか」によって決まります。従って、大口径小振幅=小口径大振幅と置き換えることができます。最近の小口径ウーファーは、数10ミリの振幅を持っています。 また、バネの先に錘をつり下げて振動させるとき、錘が重い方がゆっくり、大きく振動します。つまり、スピーカーの振動系質量が大きい方が共振周波数を下げることができ、より低い音まで再生できることになります。小口径ウーファーは、概して振動系質量が大きく設計されています。 このように、小口径で低音を稼ごうとすると「重いものを大きく動かす」必要があります。そのためには、当然、磁気回路が強力でなければなりません。ドライバの永久磁石の強化も必要ですが、コイルの側、つまり電磁石も強化しなければなりません。電磁石の強さは、流れる電流量で決まります。つまり、アンプの出力を大きくする必要があります。 真空管アンプでは大電流を取り出しにくかったため、スピーカーのインピーダンスを上げて電流を流れにくくする必要がありました。同時に、アンプのパワーに限界があったため、スピーカーの能率を高くする必要がありました。また、真空管アンプはいわゆるダンピングファクタが小さかったので、電磁制動がかかりにくい、つまりスピーカーの振動系がいったん動き出したら慣性のモメントで振動が止まらない、単純に言えば「締まりのない音」になるおそれがありました。そこで、スピーカーの振動系は少しでも軽くする必要があり、固くて振動しにくい方が良く、低音を稼ぐためには口径を大きくするしかなかった訳です。 現在は半導体アンプが一般的なので、パワーの面ではあまり心配がありません。ダンピングファクタも十分に高いので、電磁制動が利きます。そこで、スピーカー側の設計の自由度が増えてきて、振動系質量を大きくし、口径を小さくしつつ、振幅で稼ぐという手法が広がっているのです。 設計次第なので一概には言えませんが、小口径ウーファーは、振幅で稼ぐために歪みが生じやすくなります。このため、ポータブルスピーカーやPCスピーカーのように30~50mm程度のドライバで低音を欲張ると、かなり不自然な音になりがちです。もっとも、大口径ウーファーでは分割共振という歪みを生じるので、「でかけりゃ良い」というものでもありません。 また、最近のドライバは歪みの低減に腐心していますが、歪みを減らす=ピークを潰すということなので、見かけ上の能率は下がる傾向にあります。言い換えれば、高能率ドライバは歪みが残っている傾向があったり、高めの周波数ではスペック通りの高能率でも低めの周波数では能率がダラ下がり、といった場合も少なくありません。 結局はコスト次第で、良く設計された小口径ウーファーは古い大口径ウーファーより低歪みで高性能ですが、「良く設計された大口径ウーファー」ならなお良い、ということになります。
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- yosifuji20
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誤り訂正です。 グッドマンのAXIOMでなくMAXIMです。 箱のサイズが幅10cm高さ15cm程度だったかなと思いますが。まだトランジスターアンプが出たばかりのころで、これには本当に驚きました。 その後AR30という密閉型のブックシェルフのベストセラーが出て、今の小型スピーカーが主流になってきたように思います。これも能率が低くてドライブするアンプに苦労すると言うのが定評でした。 それとインピーダンスはダンピングファクターの問題というよりは半導体アンプの普及で低くなったと思います。 真空管アンプはどちらかというと高インピーダンスの方が得意なのですが、半導体アンプは大出力には低インピーダンスの方が有利なのです。 特にカーステレオのように電源電圧が12ボルトと制限のある場合は4オームが普通ですね。理論的に同じ電源電圧では4オームは8オームの2倍の出力が取れます。電池駆動の装置でも事情は同じです。これが昔よりも低いインピダンスの製品が多い理由だと思います。 安然ながらピュアオーディオよりはカーステレオやAVなどのスピーカーのほうが圧倒的に多い現状ではこれも仕方ないですね。 HIFIの大型ウーファーは今でもFOSTEXやオンケン、GOTOなどで入手できます。でも驚くほど高価な場合が多いですね。それだけしか数が出ないのでしょうが。
お礼
いろいろ、たくさんのことを教えていただき、誠にありがとうございました。 オーディオの世界も、ハイレゾリューション方式という新たな分野が開けつつあるようですから、これからの発展が大いに期待できそうです。
- Yorkminster
- ベストアンサー率65% (1926/2935)
>> 16オームというのは、できるだけダンピングファクターを改善しよう、という考えだったのでしょうか。 // Pioneerの当該製品がそうかどうかは分かりませんが、真空管アンプの時代には8~16Ωが主流だったようで、現在は4~8Ωくらいになっているので、そういった時代背景もあるかも知れません(ちなみにカーオーディオでは2~4Ωくらいでしょう)。 また、現在でも、同じウーファーで4Ω版と8Ω版を作っているベンダーもあります。たとえばシングルウーファーなら4Ω版、ダブルウーファーなら8Ω版を2個並列といった使い方ができます。同じシングルどうしでも4Ω版と8Ω版とで明らかな音質上の差異はないのが普通で、必ずしもダンピングファクタを意識して設計している訳ではないでしょう。 ダンピングファクタは、「アンプがスピーカーの勝手な振動を抑える能力」です。スピーカーの側から見れば、「アンプによって電気的に振動を制御される度合い」と言えます。しかし、スピーカーの振動の仕方は、機械的な方法でもコントロール可能です。「電気的に制御される度合い」は、そういった様々な考慮要素の1つに過ぎません。さらに言えば、ドライバを裸で鳴らしたときと、エンクロージャーに入れたときとでは、アンプから見た特性は異なります。帯域分割ネットワークの影響もあります。 ですから、(システムとして組み上がった)スピーカーの公称インピーダンスだけを見て、そのスピーカーの設計思想を読み取るのは早計です。 >> 今でも採用されている回路方式でしょうか? // SEPP自体は基本的な回路構成で、パラレル化することも一般的かと思います。 >> これは、アンプ側の出力インピーダンスとスピーカー側の入力インピーダンスとをマッチングさせるための道具なのでしょう。 // 真空管アンプの場合、出力段のインピーダンスは数キロオーム程度です。対して一般的なスピーカーは数Ωなので、そのままではまともに電流が取り出せません。そこで、トランスによるインピーダンス変換が必要になります。「ダンピングファクタを改善するために」ということではなく、「そうしないと音が出ないから」使うのです。 考え方次第ですが、このトランスは「ないに越したことはない」というものです。変換ロスによって(ただでさえ少ない)パワーがムダになったり、周波数特性を悪化させる可能性があったりするからです。そこで、一部の真空管アンプではOTL(アウトプット・トランスレス)方式を採用することもあります。
お礼
いくつかのご指摘、誠にありがとうございました。
- yosifuji20
- ベストアンサー率43% (2675/6115)
小口径のウーファーは、元々出ていなかった低音の能率をそのままにして、中高音の能率を下げてバランスを取ったようなイメージですね。 このルーツは多分グッドマンのAXIOMというスピーカーだったと思いますが、50年ほど前にその小さな箱から出る低音には驚かされたものです。 それと同時にユニットが前後に1cm程度動くのも驚きでした。それまでの大口径ユニットでは目で見て前後に動きがわかるようなことはなったのです。 前のお答えにもあるようにアンプの半導体化による大出力化とスピーカーの能率の低下は同じ時期に起こっています。大出力アンプが出来たので低能率スピーカーも売れるようになったということです。 私はオールドファンなので、小さなウーファーはやはり不自然に感じます。無理な低音ということです。 どちらにしても小さな箱では50Hz以下は殆ど無理ですね。 クラシック音楽は20HZ以下から出ていますから本格的には小型では無理で、大型ウーファーのゆとりのある低音には勝てないと思います。 ちなみに私の低音用の箱は約200l、これに38cmのウーファーを入れています。 低音の入っているCDでは本当に壁や柱が振動する感じです。この感じは小型のSPでは先ず無理だと思いますよ。
お礼
ありがとうございました。 小口径ウーファーの立ち位置がよくわかりました。 それにしても、グッドマンなどというスピーカーメーカ、なつかしい思いです。 もう、すっかり忘れていました。 確か、比較的大きな口径のものが評判よかったメーカーだったでしたでしょうか。 古い記憶を呼び戻された感じです。 また、38センチのウーファーなんて、本当に素晴らしいですね。 インチに換算すると16インチ近くなりましょうか、実に本格的なウーファーという印象です。 斯様な大口径ユニットを、よくぞ手に入れらたものか、と感心致します。
10cmや13cmのウーハーは、真空管アンプで鳴らされていた昔のウーハーのような 軽くヌケのいい低音とは、種類が全く違うと思います。 質問者様がおっしゃっているウーハーとは、能率が高く、振動板が軽いウーハーのことだと思います。 私はそのようなウーハーのほうが好きです。 極端なことを言ってしまうと、真空管アンプで十分鳴らせないスピーカーは好みではありません。 確かに13cmクラスの低音でも、ハイパワーのアンプで鳴らせばそれなりの低音はでますし、 ツィーターとつながりもよければ、とっても滑らかな再生音です。 しかし、そのあとにALTECやJBL、RCA、JENSEN、TANNOYの大型スピーカーを聴いてしまうと、 やっぱり軽いコーンに大口径ウーハーの方が好きだなぁ。っと思ってしまいます。 大口径じゃなくても、RCAやALTECの20cmフルレンジなど、今のスピーカーにはない魅力があるように思います。 でも、小さいスピーカーで低音を不満なく再生するっというのも大切なことだと思います。 住宅環境で大きいスピーカーを置ける人も少ないです。 小さいウーハーの製品は、限られたスペースの中でいい音を出そうとした技術の結晶ような気もします。 決して、「昔風の10インチ前後のウーハーが不要になった」っということではないと思います。 でも、新品のユニットで能率の高いユニットが少ないのも事実です。 あったとしても結構高値です。 しかし、ダイトーボイスっという、すごく安いフルレンジスピーカーがあります。 これがかなりいい音でびっくりしたことがあります。 私はダイトーボイスの16cmフルレンジを好んで聴いていた時期があります。 ダイトーボイスも軽い振動板で小出力でも鳴ります。 現代ではあの安さであの音は貴重ではないかと思います。
お礼
素晴らしい見識を聞かせていただき、ありがとうございました。 ご意見に、深く感銘を受けました。 特に、住宅事情の現状を考えますと、8インチ前後のフルレンジ・シングルスピーカーという構成が、率直、且つ、簡単に良い音を堪能できる、ということかもしれませんね。 2ways とか 3ways とかの構成になると、どうしても、各音域段の音のつながりが不自然になりがちとなるのでしょうか。 スピーカーシステムに関して苦労することも、オーディオ趣味の醍醐味かもしれませんが、その一方、苦労して得たよい音、気に入った音でも、どうしても飽きが来るのは必定かと思います。 そんな折に、シンプルな構成の音源を常に手元に確保しておくということは、オーディオ趣味の一見識かもしれない、と痛感した次第です。 ところで、ダイトーボイス というメーカー名について言及されておられましたが、私、不明にしてこのメーカーを知りませんでした。 しかし、ふと振り返ってみますと、だいぶ以前に、たしか、コーラル という名称のスピーカーメーカーがあって、8インチのフルレンジのものを購入して、自作の密閉箱にセットして聴いていたことを思い出しました。 コーラルは、なかなか良い製品だった、という記憶です。 あのメーカーは、今どうされているのでしょうね。
- iBook 2001(@iBook-2001)
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はじめまして♪ 子供の頃にスピーカを変えると聞こえ方が変わる、同じスピーカーユニットでも箱等で低音感が大きく変わる、という事に興味を持って、大人に成った今もスピーカー工作が趣味の一つとしている者です。 我家には先代のオーディオ機器の残り、タンスの様に大きく思い箱に9インチ半と言っていたフィールドコイルのダブルコーンフルレンジが付けられたスピーカーが残っています。白くて非常に丈夫なメインコーンは六分割の張り合わせで、周辺エッジは鹿の皮と効かされています、こっちは何分割の針合わせだっけ?忘れた。ダンパーはおそらくベークライトかなぁ。。。 さて、低音感は、有る意味でどれだけ多くの空気を動かせるか、と言う面も有るので、小口径でも大振幅なら空気を多く動かせるだろう、と言うのが小口径化の発想でしょう。 大振幅を行なわせる為の電気パワーも、半導体等の改善から安くとも大パワーが得られ易く成ったと言うのも多用される為の要因ですね。 実際には、やはり有る程度大きい振動板で、無理の無い範囲の再生の時の方が本物っぽい低音考えられ易いのですが、個室で近距離での低音感としては小口径で、最低周波数ウンヌンでは無く、100H前後の低音感と言う演出で満足するケースが非常に多く成った事、特に若い人が好むアイドル系のポップスでは、元々生音では無く、電気的に造られた音、打ち込み音源等が前提に鳴っているので、低音の質はほとんど要求せずに、単に効いた時の印象度だけの量感を求めている、と言う方向は有ると思いますよ。 そもそも、そういうヒット曲を造る現場が、小型スピーカーでの製作と言う事も多いので、どう考えrて良いかは人それぞれの判断でしょう。 スピーカー工作が好きな私としては、低音の量を求めずに割り切ってしまえば、それはそれで良い音も楽しめると思っています、小さいウーファーで量を求めると非常に質の低い、ハッキリ言えば汚い低音が出て来るので、そういうサウンドは個人的に大嫌いです。 質感をともなって、有る程度の量感を得るには、距離や部屋の大きさにも依りますが、最低限の口径は必要だと考えます。 大きければ良い、と言う事では有りませんね、過去にスピーカーユニットを改造し、振動板90cm×180cmと言うイタズラもしましたが、ヘンテコなサウンドでダメダメでしたよぉ。(まぁ工作と言う、精度や基本的な知識が無いままの10代の失敗例です、御質問者様も他の回答者様も笑って下さい、突っ込みもオッケー、爆笑) 大きいウーファーが不要って事はあり得ません、ただ商業的に大きなスピーカーは売れにくく成っているので、小さいスピーカーが割と多いと言う事でしょう。 昔は電気製品として、オーディオ機器が売れ筋でしたが、今は中高生の購入も少なく、パソコンやケータイなどの脇役と言う状況。 そのかわり、高度なオーディオは趣味性の高い専門分野のような感じで、他州向けでは無くコダワリの強い、高額製品を扱うオーディオ専門店が残っている様な状況でしょうかねぇ。 住宅事情的にも、家族がそれぞれ個室を持って、そこで利用すると言う場合、大型機器は敬遠されますし、そもそも大音量も無用で非常に近い状況での利用が多く成っているという面も有ると思います。 私個人はそれぞれの良さは有ると理解はしていますが、状況や余裕度等から、質の良い低音を十分に感じる為には、大きくて重いスピーカーの方が、やはり良いのでは無いかと考えています。 コンサートホールで、生楽器の演奏、その時のそよ風の様なふわりと軽い、それでいて体を揺らす様な低音感は、なかなかスピーカーでは再現が難しいので、スピーカー工作の趣味は終わらないのかもしれません。(いや、到達して、終わるのは面白く無い、ず~~っと、楽しみながら幾つもの理想を求めて行きたいなぁ。) 個人的に、小学生の頃でしたか、大太鼓の音は、大太鼓の直径と同じ口径のスピーカーが有った方が良いと考え、大きなスピーカーに憧れた者ですよ。 (その結果が、サブロクの振動板での失敗。。。)
お礼
フィールドコイル型のスピーカーとか、ダブルコーンだとか、ましてや、鹿革のフリーエッジ、なんていう懐かしい言葉、すっかり私の頭の中から消え去っていたと思っていたところ、このたび言及されて、私としては、ただただ感激するのみです。 特に鹿革のフリーエッジ化については、私、大昔のころ、安物の6インチ半のスピーカーを買ってきて、スピーカーエッジの部分を、これまた買ってきた鹿革に張り替えたところ、目を見張るような、いや、耳を疑うばかりの中音域の改善が感じられて、大いに感じ入った記憶がよみがえりました。 ところで、低音域の問題ですが、我々、小さな安普請の家に住む身ですので、あまり大音響での音楽鑑賞はできませんが、ささやかながらでも、しっかりした低音、中音、そして高音域の状態で、音楽を聴きたものです。 そう言う観点から、やはり、昔風の、ある程度のサイズを持ったウーファーが必要かなと、ご指摘いただいた文章から、考えさせられました。 ありがとうございました。
- Yorkminster
- ベストアンサー率65% (1926/2935)
>> 真空管アンプの低いダンピングファクターは、人間の耳できくと、ある意味、温かみのある音、という表現になるのでしょうか? そして、一方、半導体アンプは、高いダンピングファクター故、音の輪郭がはっきりして明解だ、という形容になるのでしょうか? // ステレオタイプに言えば、そうなるかと思います。 もっとも、ダンピングファクタだけがアンプの音質(あるいは音色)を決めている訳ではありません。半導体アンプでもマッタリした味付けにすることは不可能ではなく、真空管アンプでもかなりシャキシャキした音の製品もあります。 ダンピングファクタは、慣性のモメントが大きくなる、つまり振動系質量の大きいウーファー(フルレンジを含む)で特に問題になりますが、中高音での歪みの出方などによっても音質(音色)は大きく変わります。 >> 市場には、ものすごくたくさんのスピーカーが出回っていますが、メインアンプが真空管方式か、半導体方式か、によって、選択すべきスピーカーも異なる、ということなのでしょうか? // 実際のところ、現代のアンプの大半は半導体で真空管アンプは趣味の品と考えられている、と見て良いでしょう。 ドライバの設計にせよ、それをエンクロージャーに組み込む際の設計にせよ、コンピューターを使ってシミュレーションしたり、試作品を作って測定したりするときは、アンプのダンピングファクタが十分にあるという前提で行われていると思います。 もっとも、ダンピングファクタは10~20程度あれば良いという話もあって、真空管アンプでも(出力トランスの巻線抵抗が高くなければ)それほど気にしなくても良いかも知れません。あまり細かいことは考えないで、「ゆったりした音だなぁ」とか「ハッキリした音だなぁ」とか素朴な印象で良いかと思います。 >> 同じ半導体のメインアンプでも、アンプのダンピングファクターと、それに接続するスピーカーのダンピングファクターとは、おおよそ、一致していた方がベターといるのでしょうか? // ダンピングファクタというのは、 [スピーカーの公称インピーダンス] ÷ [アンプの出力インピーダンス] のことです。正確に言えば、前者にはスピーカーケーブルの直流抵抗値が加算されます。従って、たとえば公称8Ωのスピーカーを、出力インピーダンス0.1Ωのアンプに繋いだ場合、8/0.1=80となって、DF80となります。
お礼
いろいろ、勉強させていただき、感謝あるのみです。 ダンピングファクターの定義、当方、不明にして知りませんでした。 恥じ入る次第です。 そう言えば、スピーカーの入力インピーダンスは、およそ6オームから8オーム程度と相場が決まっていたようですが、ただパイオニアだけは、一部の比較的高級なスピーカーは、16オームという入力インピーダンス仕様の製品を、かつて売っていましたよね、今でも売っているかどうか知りませんが。 スピーカーのムービングコイルをできるだけ軽くするという観点から、および、その他いくつかの理由からでしょうか、あまり高いインピーダンスのスピーカーは物理的に不可能だったかと思っていました。 そんな折に、なぜかパイオニアだけは16オームという製品を売っていたわけで、この欄でお教えいただいたように、16オームというのは、できるだけダンピングファクターを改善しよう、という考えだったのでしょうか。 そう考えると、やはり、パイオニアというメーカーは、文字通りパイオニアだったわけでしょうか。 そして、これも昔、メインアンプの最終段に、パラレルのシングルエンドプッシュプルという回路構成がありましたよね。 今でも採用されている回路方式でしょうか? あれも、アンプの出力インピーダンスを下げるのには、多分、大いに効果があったのでしょうね。 つまり、ダンピングファクターの改善につながった、というわけでしょか。 それから、もう一点、メインアンプの最終段には、アウトプット変圧器なる重くて馬鹿でかいものがあるかと思いますが、 これは、アンプ側の出力インピーダンスとスピーカー側の入力インピーダンスとをマッチングさせるための道具なのでしょう。 そうしますと、このアウトプット変圧器は、見かけ上、アンプの出力インピーダンスを下げますから、この重くて馬鹿でかい変圧器も、ダンピングファクターの改善に寄与している、と考えてよろしのでしょうか?
- HAL2(@HALTWO)
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Speaker Unit の周波数特性図は理解可能ですね? では http://music.geocities.jp/hoppyfather/page086.html を御覧ください。 DIATONE P-610Aって 97dB-SPL/m もあったのね(汗)。 私は P-610B しか知らないので、てっきり 92dB-SPL/m だと思っていました。 さて、この Speaker Unit・・・60Hz 付近の音圧は 400Hz 付近に較べて約 -10dB (1/10) になっています。 決して出ないわけではなく、弱々しいながらも出てはいるのですね。 口径 5cm にも満たない Speaker Unit だって 20Hz を出すことが可能です・・・Headphone は出していますよね(^_^;)。 そこで P-610A Speaker Unit の表面に 80Hz から上が出にくくなるよう、たっぷりと Silicon Spray でも吹き付けたとしましょう。 その結果、80Hz 以上は 10dB 近くも能率が低くなってしまいましたが、あら不思議、周波数特性は 60Hz から 10kHz 以上まで Flat となってしまい、-10dB までの周波数特性表記では「周波数特性 40Hz~20,000Hz」になってしまいました。 元々の能率が 1W 入力時に 97dB-SPL/m もあったのですから 10dB 能率が下がったところで 87dB-SPL/m あります。 Voice Coil を耐熱性の高い構造に改良して耐入力を元の 10 倍となる 30W にしたら最大出力音圧は変わらずに周波数特性だけが大きく広がったことになります。 中高域を出にくくするということは相対的に低域が良く出るようになるということですが、動きにくくなるということは止まりにくくなるということでもあるので、出力の大きな Amplifier というだけではなく、制動力 (Dumping Factor と言います) も大きな Amplifier で駆動する必要があります。 真空管 Amplifier 時代は出力も制動力も小さな Amplifier でしたので P-610A のような Speaker Unit が良かったのですが、現代は出力も制動力も大きな Transistor Amplifier を用いることから上記のように中高域の能率を下げて、相対的に低域が出るようにした Speaker Unit が持て囃されるようになったというわけです。 100W とか 300W なんて Power をブチ込んでも Voice Coil が焼け切られないような耐熱 Aluminum 超合金(笑) の開発とか、排熱し易い構造を新開発するといった必要はあるものの、そうした殆んどの Speaker 技術は 1980 年代には完成していましたので、それから 30 年以上経った現在の Speaker Unit が最新技術のおかげで小口径 Woofer でも低域が出るようになったわけではありません。 「超合金(笑)」なんてふざけた表現をしましたが、要は Aluminium に銅と亜鉛を添加した Duralumin 系の合金であり、音速の 2 倍以上の空気に擦られて摂氏 200 度以上になっても強度を保たなければならない Concord 旅客機に用いられている 2024 Duralumin などは零戦の翼にも使われていたほど古くからあるものです。 零戦時代は単板を波状に曲げた波版を使っていましたが、Cocord 自体には薄い Ribbon 状にしたものを編み合わせた Honeycomb 板に加工できるようになり、1980 年頃には既にちょっと曲げたらポキッと折れてしまいそうな細い糸を楕円断面に加工したものを巻き付けても折れないような加工が安価にできるようになっています。・・・Edgewidth Duralumin Voice Coil の Patent は BOSE 社が持っていましたね。 まあ技術の進歩とは言えるのですが、意外にも数十年前に確立していた技術でしかないとも言えます。 うーん A No.3 Yorkminster 先輩の回答を平易に言い換えようと思ったのですが、やっぱり難しい解説になってしまいました(滝汗)。
お礼
ありがとうございます。 “ダイヤトーン” などという、懐かしい名称、久しく聞いていませんでした。 何十年ぶりかに聞く名称でしょうか、感無量です。 よくぞ、かような資料を保存/保管しておりましたね、感心致します。 それにしても、難しいコンセプトを、様々な切り口でお話しいただき、感謝申し上げます。 最近のスピーカーの進歩は、音響工学の進歩と、それに裏打ちされた材料工学の進歩とが、うまく調和した結果なのでしょう。 私のような古い人間からみると、あんな小さなスピーカーでも結構低音が出ているなー、と感心することしきりです。 多分、マグネットの磁束密度などをうんとあげて高い能率の特性にしておいてから、それから、おもむろに周波数特性の頭を押さえて、帯域を広げるなんて言うやり方、なかなか知恵ものの考えることですよね。 確かに、理論的にも、こうすれば比較的小さなスピーカーで低い音を出すことが可能なわけは、容易に理解できます。 丸っこいおまんじゅうを上から押しつぶして、平べったい大きなホットケーキにして、低音部の帯域を確保した、ということでしょうか。
- nijjin
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今はどちらかと言えばモニターの横に置くトールボーイのスピーカーと小型のスピーカーが主流です。 大きなスピーカーは置き場所を取るので人気がありません。 昔ほどオーディオブームでない事と大型の装置を好まないという傾向のせいでしょうね。 また、昔でも10cm~12cm程度のウーハーでも低音がよく出るものもありました。 小型のスピーカーが主流になったので低域もより出るように作られていますし トールボーイだと内部空間が大きいので低域も出しやすくなります。 他にもサブウーハーで低域が持たせれるようにもなりましたし 昔と違いそこまで低域を求めるユーザーも減りました。
お礼
ありがとうございました。 現代のユーザーサイドでは、昔ほど低音域の需要が高くない、ということでしたか! 昔は、製造されるスピーカーの種類もそう多くなかったことも一因でしょうが、確か、最もポピュラーな5級スーパーラジオでさえ、ほとんど大部分が、6インチ半のスピーカーを使っていたかと記憶しております。 センチメートルに換算すれば、16.5センチの口径ですよね。 さしずめ、今なら立派なウーファーというところでしょうが、16.5センチのシングルスピーカーというと、今では、かなり贅沢なことになるのでしょうか。 そう考えると、昔のラジオも捨てたものではない、とも言えるのでしょうか。
- metannetan
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大太鼓の大きな振動を10cmのスピーカーから出すには無理があります。 周波数的には一応出ているとしても擬似音です。 ライブなどでは大きな口径のスピーカーを使います。 本物にはもっと沢山の周波数成分があります。 バイオリンでも、弦は同じでもボデイの材質とか形状で名器で有ったりするわけで、それには沢山の高調波などの影響もあります。 スピーカーでも単独より7チャンネルなどスピーカーの数が多いと、2チャンでは聞こえない音が聞こえたりします。
お礼
ありがとございます。 確かに大太鼓の振動は、基本振動波は大変低く、一方、、ものすごく沢山の高調波も含まれているのでしょう。 いわば、大変広帯域なスペクトルを有する音波でしょうから、たった10センチのスピーカーでカバーできる帯域はほんの一部でしょうし、そのスピーカーから出てくる音も、言うなれば圧縮された音、とでもいうのでしょうか、あるいあ、省略された音、とでもいうことになるのでしょうね。
- kimamaoyaji
- ベストアンサー率26% (2801/10379)
昔の12インチのスピーカーは能率が100dB前後が一般的ですが、現在の8、10Cmウファーを持つスピーカーは80dB前後です。つまり昔のスピーカーで10Wでガンガンになっていた音圧を出すのに1,000Wの出力でドライブしないと同じ音量にはならないという事です(電力は10dBで10倍)、無論、真空管アンプではまったくもって不釣り合いなスピーカーという事になります。 余談ですがアルテックA7Xなど105dBですし過去最高の物は115dBと言う物までありました、アルテックA7XなどST管の50の3極管結合で1W程度で十分な音量で鳴ってくれます、一方現在のスピーカーに繋ぐとひそひそ話程度の音でしかなりません、それでも昔のスピーカーは不要でしょうか?
お礼
早々のご指導ありがとうございます。 そうでしたか! スピーカーの能率自体は、昔の真空管時代の時の方が、高能率だったんですね。 今手元に、KEF製の X300A タイプのスピーカー のカタログがあるのですが、その仕様表を覗くと、Max peak SPL 104dB とあります。 ウーファーのサイズは13センチとありますので、これは、かなり高能率なスピーカーといえるでしょうか? 今は、ほとんどの場合、メインアンプは半導体製でしょうから、そうすると、それに釣り合ったスピーカーというと、昔の真空管時代のスピーカーとは異なる仕様/性質のスピーカーになる、ということでしょうか。 ありがとござました。
お礼
いやー! とても素晴らしい知識をいただき、感謝いたします。 まず、真空管のアンプと半導体のアンプとは、ダンピングファクターの点では大違い、断然、半導体の方が、優れたダンピングファクターを有する、ということでしたか。 知りませんでした。 しかし、真空管アンプの低いダンピングファクターは、人間の耳できくと、ある意味、温かみのある音、という表現になるのでしょうか? そして、一方、半導体アンプは、高いダンピングファクター故、音の輪郭がはっきりして明解だ、という形容になるのでしょうか? また、市場には、ものすごくたくさんのスピーカーが出回っていますが、メインアンプが真空管方式か、半導体方式か、によって、選択すべきスピーカーも異なる、ということなのでしょうか? 更には、同じ半導体のメインアンプでも、アンプのダンピングファクターと、それに接続するスピーカーのダンピングファクターとは、おおよそ、一致していた方がベターといるのでしょうか?