一言で言えば、日本のITリテラシーが遅れているのが原因でしょう。つまり、ITに対しての常識が低いのです。想像できる理由は2つです。ちょっと難しいことを書くかもしれません。
■ システム制作側のITリテラシー不足
「つかいやすさ」というのは、主にデザインに起因します。そのシステムが、社内製か社外製か分かりませんが、私の経験からすると、特に日本のシステムエンジニアは、デザインに対しての理解がとても乏しいです。分かりやすくいうと、一般利用者以下の理解です。彼らは、最終的にどういうシステムになるか、どれくらい役に立つか、などにはあまり興味がなく、上がってきた要件さえ満たせば、仕事が終了すると思っている人種です。末端作業員(プログラマ)がそういう思考になるのはわからなくもないですが、営業やSEといった本来、システムを提案する人間がそういうレベルだったりします。また、システム会社には腰掛けデザイナがいるところも少なくありませんが、そのデザイナは、見栄えをかっこよくすることだけが仕事で、「つかいやすさ」とはあまり縁のない作業をします。つまり、システム制作側がデザインの重要性を理解していない、あるいは、うちはシステム屋だからデザインなんて知らんよ。という明らかなリテラシー不足が考えられます。
■ システム利用者側のITリテラシー不足
近年、パソコンなくしては仕事が成立しない状況が多くなりました。にも関わらず、パソコンを理解しようとする人がとても少ないと思うのは私だけではないと思います。たとえば、自分のメールの初期設定が出来る人はどれだけいるでしょうか。郵便の常識として、ハガキは50円、封書は80円という誰でも知っているものがありますが、仕事で使用するメールはこれと同じくらいの常識のはずなのに、それを理解して実践出来る人が多くありません。それなくしては仕事が成立しないはずなのに、そこから目を伏せて、他者に依存している人たちがとても多いです。これもITリテラシー不足と言えます。そういった人たちが、システム会社から「不完全なシステム」を納品されたとしても、良いも悪いも判断のしようがありません。つまり、何を納品されたとしても、受け入れるしか方法がないのです。
まとめてしまうと、納品したシステム会社、発注したあなたの会社、誰もシステムの使いやすさなんて考えていなかった。あるいは、考える能力がなかった。と言えると思います。ひどい言い方かもしれませんが、事実だと思いますよ。
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