• ベストアンサー

米ドルの動向

米ドルは今後どのように動くでしょうか? 100円いきますか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.1

「米ドル動向」について ご質問にお答え致します。 まず一時的に「円高」や「円安」といった上下に乱高下しながら動くものが為替ですが、為替変動にはトレンドがあります。 超長期(2年以上先) 主には「構造的な要因」によってトレンドが形成されます。 具体的には、ユーロ債務問題などが挙げられます。ユーロ圏の構造的な要因によって他国の信用力や国債に対する信任などに影響をもたらして、通貨ユーロに多大なる影響を与えているのは周知の事実です。 長期(1~2年) 長期も「構造的な要因」が為替トレンドを形成します。 ただ、少し超長期と違う点では、例えば、貿易の構造変化や経常収支の変化よりも、循環的に起こり得るものが為替のトレンドを左右します。 もっと具体的には、08年のリーマン・ショック以降に米国が実施した未曾有の金融緩和策(実質的なゼロ金利政策)は米国の金融史においても歴史的な政策であり、現在のドル安のトレンドを形成しています。 06年段階で、米国の経常赤字はピークとなり、その後においては減少傾向なので、本来であれば「米ドル」の上昇圧力がかかり易い経済状況だったにも関わらず、ゼロ金利政策や約2兆ドル規模の量的緩和政策の実施によって経常収支の変化よりも強く「ドル安」方向に影響を受けました。 中期(6ヶ月~1年) 「景気動向(トレンド)」や「通貨間の金利差」が影響を与えます。 金利上昇局面(景気拡大期)の国の通貨は、相対的に買われやすくなります。そう正にこれこそ『為替の買時』になります。 景気の循環によって、半年~1年程度のトレンドを形成するケースが多いです。 短期(1週間~半年) 「市場のセンチメント(雰囲気)」や「需給」や「テクニカル要因」によって相場が形成されます。 具体的には、政治的な決断(首脳会議や国際会議の結論如何で、状況が変化する場合)への思惑や投機的なポジションによって、1週間程度のトレンドが形成されやすくなります。 超短期(日中~1週間) 「市場参加者の思惑」や「経済指標発表のサプライズな動き」や「ストップロスオーダーの実行」などの目先の動きによる相場動向の変化など。 では、以下、具体的にご質問にお答え致します。 1.「今後の米ドル動向」 ・短期的には、円高方向へ調整(今の1ドル=90~93円程度) ・中長期的には、円安基調(日本の構造的なカントリーリスク→財政問題や少子高齢社会など) 国別、時系列に今後のUSD/JPY動向に影響を与えるを考えられるイベントは下記のように予測できます。 <国内> 2月中~下旬には、4月8日に任期満了を迎える日銀総裁の後任の人選があります。ここでは、現在のアベノミクスや金融緩和策に積極的な新総裁が選らばれれう可能性が高いです=円安への後押し。 5~6月頃には「官民協調の外債ファンド創設」構想の具体化が挙げられます。外債を買う場合には、円売りドル買い(外貨買い)となるので、円安への後押しとなります。 6~7月には参院選があるので、これに向けて安倍政権は、株高・円安を演出するためにも人気取りとなる政策や追加政策が打ち出されると考えられます。 このままの状態であれば、選挙は与党の勝利が考えられますが、選挙後のUSD/JPYマーケットは現状では予測し難いところです。ただ、冒頭でもお伝えの通り、日本の構造的なカントリーリスクによって中長期で考えると円安トレンドだと考えられます。 <米国> 債務上限問題が、当面の間は影を潜めます。具体的には8月頃まで米政府が資金繰りを続けられる事が決まったので、6~7月頃に再度「財政の崖」問題が取り上げられ、円高方向へ進む局面が来ると考えられます。 2.「1ドル=100円台」になるか 直近発表されているUSD/JPYの各金融機関の年度末予測は1ドル=95円程度が多いです。ただ、年末段階で各金融機関が出していた2013年予想レンジが下記の通りです。 2012年12月21日段階(5人のアナリスト予想) バークレイズ銀行 82-92円 新生銀行 82-92円 三菱東京UFJ銀行 78-86円 JPモルガン・チェース銀行 75-85円 みずほコーポレート銀行 78-88円 UBS 94円13銭 つまり、昨年末予測の大方の予想は外れ昨年末の予想以上の「円安」になっている事が分かります。リーマン・ショック以前のUSD/JPY為替推移としては100円台で動いていたのでこのあたりまで円安方向に戻すと考えても不思議ではありません。

oxymoet39
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 長期・短期それぞれの見解、とてもわかりやすく説明してくださりありがとうございました。 95円くらいが妥当なところなんですね。