敢えて選ぶなら「2.」男性側。
「お泊まり」に至った経緯について、ふたりのあいだで交わされたやりとりの真相を自分が知るわけではないから、私は「敢えて」とした上で、彼を悪者にさせてもらいます。
AKBの「恋愛禁止ルール」はもとより、(ファンからの投票を含め)俗世間の反響に自らの出世を大きく左右される彼女の立場を知らないはずはないであろう彼が、なぜ、彼女をたやすく自室へ招き入れてしまったのか?
仮に、彼女がどうしてもそうしたいと泣いて駄々をこねたのだとしても、彼女のことを想うのなら、「AKBの主要メンバーとしての自分の立場をわきまえろ」と、彼女を冷静に説得し、彼女の行いを阻止すべきでした。
男性なら、人生で一度は、全力を尽くさねばならぬ場面に出くわすことがあると思います。
大切な女性を守るのも、そのひとつではないでしょうか。
今回、女性側が頭を丸めたことで、報道上は、ふたりの恋愛関係を確信したかのような格好になっていますが、それにしては、男性側の受け答えは、あたかも他人事のようです。
記者からイジワルな質問をされても、ただ沈黙するだけ。
女の命とも言える髪を犠牲にし、その決断についても、パフォーマンスだ、茶番だ、売名行為だと、世間から(もしかすると仲間内からも)心ない陰口を浴びせかけられかねない彼女の立場を想えば、“自分がピエロになってでも、ヨゴレ役を演じてでも、彼女を世の冷笑やバッシングから救い出したい”と、もっと躍起になれてもおかしくないはずなのに。
その口も手足も、女性を口説き落とすときにだけ、便利に動くもの…というありさまでは、ちょっと残念な話です。
AKBに詳しくない私の素人考えですが、世にも奇妙な「恋愛禁止ルール」には、AKBならではの商法としての役割と同時に、若い女性に悪い虫がつかないように…という予防線の意味合いが付されている印象があります。
恋愛はそもそも秘め事であり、多感な彼女たちの内面の変化を周りの大人たちがマネジメントするのは難しいだけに、男性の下心に捕われた彼女たちが、せっかくの才能や努力をみすみすダメにすることがないよう、「恋愛の抑制」をルールとして定義することで、目先の誘惑への抵抗力を当人たちへ備え付けさせようとしたことは、ある意味、画期的なアイディアではないでしょうか。
不条理な掟でも、それが厳然と存在することを周知の事実としてしまえば、その約束事に従うことが彼女たち自身の誓いとなり、自律した生活環境を維持できる助力にもなり得ます。
しかし、それでも、法で人の心までしばりつけることなどできません。
逢引きをやめられなかったふたりを咎めても仕方ない話です。
ただ、若いふたりとはいえ、社会的影響力の少なくない我が身をわきまえたプロ同士なら、せめて、同じデートでも、会食程度で済ませるだけの自制心がほしかった。
…「お泊まり」となると、後々、「仲の良い友人関係です」などと釈明してみせたところで、世間はそれを「取り繕った言い訳」としか判断しません。
それを見越した上で、女性側の誘惑に負けず、紳士的な対応を貫いてみせるのが、男性側に託された役回りだったように思います。
お互い合意の上で招いた結果である以上、騒動の責任は当事者双方にあることは分かり切った話ですが、
「こういうとき、そっと矢面に立って、女性を庇ってみせるのも、男性としての腕のみせどころなのでは」
…と、つい、考えてしまう自分がいます。
そうした考え方そのものが、もはや時代錯誤なのかも…と、あらためて実感させられた、今回の件でした。
(ファンの皆さん、ごめんなさい。)
お礼
はい、その通りかと思います。 私がこの質問を思い立ったのは、彼女&恋愛禁止というシステムだけ照明が当てられて、もう一方の当事者である男側に対しては、何らフォーカスされず、また意思表明なりがなされなかった点にあります。 今になって謝罪らしき言葉が出てきましたが、これは騒ぎが大きくなってやむにやまれず、半ば事務所の方針として型通りにやったまででしょう。 業界総体としての損得勘定を考えたら、男側を徹底取材・追及するのはよくないという打算が垣間見えるところが、かえって彼女の決心が遊ばれた感じがします。 回答を頂き、ありがとうございました。