それは、「変ホ長調」のことですね。
ちなみに、
英語では、E♭major(イーフラットメジャー)、ドイツ語では、Es-dur(エスドゥア)と言います。
楽器そのものが、変ホ長調でできている管楽器がたくさんあります。それをEs管(エスかん)と称します。
Es管の楽器では、
「ド レ ミ」と吹くと、「♭ミ ファ ソ」という音がします。
Es管の楽器には、アルトサックス、バリトンサックス、ソプラノクラリネットや、いくつかの金管楽器があります。
しかも、ソプラノサックスやテナーサックスなど、Es管以外のたくさんの楽器が、Es管とうまくマッチするベー管です。
なので、吹奏楽では変ホ長調が自然で安定感があるのは想像に難くありません。
しかし、Es管を固定して使うことのあまりないクラシックの分野でも、なぜか、変ホ長調は、まろやかな響きや、堂々とした安定感が醸し出される調だと考えられています。
理由は分かりません。
モーツァルトは生涯で41曲の交響曲を書きましたが、最初に書いた交響曲(8歳の時に作った「交響曲第1番」)が、変ホ長調です。
まあ子供が書いた曲はともかく、変ホ長調で有名な曲というと、べートーベンの、交響曲「英雄」や、ピアノ協奏曲「皇帝」などがあります。タイトルを見てもやっぱり堂々と立派系の調ということなのでしょうかねえ。