高学歴、というのは解りますが、頭が悪い、の定義は
はっきりしませんね。
常識が無いとか、判断能力が無い、とか仕事の
能力が無いとか、そういう意味でしょうか。
生物学的に頭脳が劣る、という意味ではない
でしょう?
私は、高学歴は、試験には強いが、それだけだ、と
思っています。
試験に強いのですから、生物学的な頭脳は良いはずです。
努力する力も持っているでしょう。
しかし、試験に強いからといって、仕事が出来るとは
限りません。
社会生活や人生における判断力が常に優れている、という
訳でも無いでしょう。
仕事や社会、人生に要求される能力と、試験は必ずしも
一致しないからです。
試験に強いからといって、幅広い教養を備えていることにも
なりません。彼の頭脳は試験に特化しているだけかも
知れないからです。
昔の中国には科挙という、官僚登用試験がありました。
競争率数千倍、という超難関試験です。
これに合格した人は、間違いなく勉強はできます。
古典の知識も豊富です。
だから、杜甫や李白のような詩人のほとんどは官僚です。
しかし、行政能力はどうでしょう。
科挙に合格したからといって行政能力があるとは限りません。
その為、科挙の制度は、中国衰退の大きな原因になったと言われています。
日本では、司法試験というのがあります。
法曹になる為の試験で、一時は世界最難関と言われたものです。
この試験で、法務省は東大出を増やそうと、色々画策しました。
それで、法律試験に加えて、教養試験を入れることにしました。
東大出が一番教養もあるだろう、ということでした。
しかし、東大出の人間は試験勉強ばかりやっていた者が多く
教養はさっぱりで、私大出の合格者が増えた、という結果を
招来してしまいました。
そのため、しばらくして、教養試験は廃止になりました。