50代以上の人が高給取りになり、最前線で汗を流して働いている若い人がその割に薄給に抑えられているのは、戦後の日本の復興の歴史を知らないと理解できませんよ。
戦争に負けて荒廃した日本を復興させるために、当時の人は必死で働いたんです。働かないと家族を養うことはもちろん、食べ物も建造物も生産機械も社会インフラも何もない日本を建て直すことができなかったからです。
ですからその頃は、やること(仕事)が一杯あって人手が足りない状態でした。会社が成長し始め、働く人も確保できると、その会社で仕事を覚えて腕を上げた人ほど辞められたくないわけです。つまり社員の引き留め策が必要だったのです。
そのために、若いうちは稼ぎがよくても、稼いだ分の多くは20年後30年後に支払うことにしたんです。つまり会社は若い頃に働いたツケは、会社に残ってもらって将来払うことにしたわけです。
若いうちは家族もいませんから給料が安くても困らず、年配者になると家族を養ったり家を建てたりでお金がかかるので、そのような仕組みはお互いに都合がよく、これが戦後の日本の社会に定着しました。
そのような過去の経緯を知らないと、いまの瞬間だけ見れば、50代以上の人は若い人に比べてロクに仕事ができない割に給料だけは高い、と思うことになります。ですが、50代以上の人も若い頃はよく働いたのに薄給で済まされてきたわけで、そのツケをいま払ってもらっている状態です。
いまの日本は戦後の高度成長期とは事情がまったく違い、仕事は少なく人手が余っている状態です。ですから、高度成長期に定着したこのような仕組みはまったく合いません。ですが、突然やめられないわけです。突然やめていまの時代にマッチした仕組み(年齢に関係なく働きにふさわしい給料を払う仕組み)に変えると、若いころは薄給で我慢させられ、そのツケをいま払ってもらっている50代以上の人は怒るでしょう。
とはいえ、若い人と年配者の給料の格差は、だんだんと縮まり是正されてきています。20年ほど前までは若い人と年配者の給料にとても大きな格差がありましたが、それが縮小してきています。欧米のような社会になりつつあると私は思っています。
「極めて矛盾であり、社会の邪魔です」という気持ちは、私(60代半ば)にはよく理解できます。ですが、もうちょっと寛容な目で見てやることも必要です。彼らが悪いわけでもないんです。そのような社会の仕組みの中で働いてきたんです。
お礼
ありがとうございます。 素晴らしきご回答でございました。 私も考えさせられました。 もう少し優しさが必要だと自戒しました。