>実際には完全な脱中国はありないでしょうが、可能なんでしょうか?
不可能ではありませんが、現実的には起こりえない事だと思います。例えば、脱中国が可能としている人達が言っていることは
(1)昔は中国との付き合いがなかったので、その時点に戻すだけ。
(2)中国に進出した企業は金儲け主義の強欲なだけで、自業自得
(3)中国以外の国に進出すれば良い。
という、この3点に集約します。実に上っ面の案だけですね。しかし一方で、自分たちがどれだけMadeInChinaの物に頼って生きているかということを言及する人は一人も居ません。その話になると「出来るだけ」とか「韓国製品は不買している」等と言ったり「現実的に不可能だろう!」とか逆ギレをしたりします。マトモで現実的な案と共に脱中国可能を説いている人というのはまず見た事がありません。
>現在、中国本土には数多くの日本企業が進出し、その数は数千、数万と聞きました。
これも、まともに考えている人はあまり居ません。中国に進出している企業ですが、進出理由としては色々と有ると思います。私は3種類に大別されると思います
(1)中国人を相手にサービスを提供する企業/工場(イオンやTOYOTA/HONDA等)
(2)中国人の安い労働力を期待している企業(多数)
(3)中国に工場のある企業を相手に製品を納入/購入している企業/工場(多数)
(1)。撤退可能ですね。というかどうしても中国で物が売れなくなったら、撤退するしかないでしょう。ただ現在は様子見だと思います。
(2)。これも撤退可能ですが、他国への移動がスムースに出来るかは難しい所です。確かに親日な国はあるのですが、設備面(電力や水回り等々)、環境面(治水等)、税制面(保税区等)は中国よりもまだまだ遅れています。そもそも中国以上に政情が不安定な国も沢山有り、安穏とした工場運営が出来るとは思えません。例えばタイ、昨年治水政策の悪さから大洪水が起こり沢山の企業の工場が水没しました。他にも反体制派の暴動により空港が使用不能になったりと、気を許せない面は沢山有ります。
(3)。これが一番やっかいです。中国に進出している企業は何も日本だけではありません。例えばiPhone/iPad/NintendoWii/DS等を組み立てている台湾のFpxconnという会社。今では有名な企業ですが、こういった中国にある工場に部品を納めている会社は、当然中国に工場を置いておいた方が税制面や商流の関係で有利です。
いずれも、ある程度の痛みを伴って撤退するのであれば、それは可能です。しかしその「ある程度の痛み」の内容を現実的に語っている人もこれまたみたことがありません。少なくとも、工場を他国に建設するための用地買収や工場建設の経費。現地での工員教育。商流の確立等々やらなければならない事は沢山有り、これを1年~2年で確立させるのは事実上不可能です。これは1度でも工場を立ち上げた事のある人ならだれでも分かると思います。
それでも尚撤退しなければならなくなればそうするでしょうが、そうなれば日本でも倒産する企業が増えることでしょう。また、中国に進出している事で大きくなっている企業は、当然大きくなった分多くの法人税を日本国に支払い又雇用を生んでいますがそれが無くなります。国の運営としてさらに困った事になると思います。
お礼
やはりうまく付き合っていくのがベストですね。