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なぜ日本はいまだに近隣諸国から嫌われるのか

第二次大戦で枢軸国だった日本とドイツは近隣諸国に大きな迷惑をかけました。 ドイツは現在ヨーロッパのリーダー的な存在です。一方で日本はいつまでも中国や韓国から文句を言われ続けています。この違いは何なのでしょうか。

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  • sync-mag
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回答No.18

 戦後日本の近隣諸国との関係についてはよくドイツが引き合いに出されます。ここにいたる経緯はいろいろありますが、結果的にずいぶん違って見えるのはたしかでしょう。  まず相手方の事情から見ていきます。  ドイツの周辺諸国はナチスの侵攻以前から、程度の差こそあれ民族にもとづいた近代国家を築いていました。そのため、戦後の国家の再建がどれほど大規模で根本的な事業であろうと、「再建」であるという事実は揺らぎません。  それに対して、中国や韓国は近代国家にいたっておらず、「日本の侵略から祖国を解放した」が一種の「建国神話」になっています。必ずしも事実ではない部分もありますが、この認識に立って国家が成り立っていることが重要です。「再建」と「建国」ではその意味合いがまったく異なり、この認識を捨ててしまえば彼らは国家のアイデンティティの問題に直面してしまいます。と、彼ら自身がどこかで気づいているのでいつまでもこだわるのでしょう。  そして、そのことを彼らは国内問題に対処する道具として用いてきました。昨今騒がしいアレですね。この「神話」を持ちだすかぎり、国内問題から目をそらしたり、政争にあたって有利に立つことができるのです。いささか便利に使いすぎている気はしますが。  ついでに周辺諸国ということでいえば、ドイツの場合は「中世のヨーロッパ問題とはドイツ問題だ」という言い方があります。ドイツ帝国自体は近代の産物ですが、東フランク王国の時代から後にドイツとなるまとまりは周辺諸国に対して強大にすぎました。そのため、各国は強すぎるドイツに慣れている側面もあるのでしょう。一種の割り切りができていると申しますか。  ドイツの存在が問題を生んでいないわけではなく、問題に対する認識の重さが違っているのです。  次に、ドイツと日本の当事者の姿勢に差があります。  ドイツは日本と比べれば敗北の様相がより完璧であり、かつ戦争の責任主体をナチスに具体化することができました。おかげで「開き直れた」のではないでしょうか。そのために戦後ドイツがヨーロッパで生きていくにあたっては周辺諸国との関係を良好なものにしなければならない、前提として戦争(侵略)責任を認めなければならない、という点で国論の多数を獲得できました。  たとえば領土問題にあたってドイツが払った犠牲は日本の比ではありません。いまだに異論を唱える人たちはいますが、それが国内で多数をしめることはありません。歴代政権が払わなければならない代償を隠さずに国民に知らせ、選挙という形で国民の選択にゆだねてきたから、つまり国民が選びとった道だからです。  ブラントがワルシャワゲットーの跡地で跪いたり、ヴァイツゼッカーが『荒れ野の40年』の演説を行なったときに、ドイツのみならず国外の人びとにもたらした驚きと納得は、ただこれだけを取りだしてみても理解できません。それまでのドイツが苦しみながら払ってきた努力と、この「成果」を支持する姿勢を大枠で維持していることが説得力を生んでいるのです。  かたや日本はと言えば、敗戦自体は認めつつも、その受け入れ方はどこかあいまいでした。アメリカにとってそのほうが好都合だったからという理由もありますが、日本側がそれに乗ったからという理由もあります。なぜなら――、まあ説明するまでもありませんね。  日本の戦後世論は近隣諸国と友好関係を結ぶことには賛成でも、日本が行なった侵略や数々の蛮行については認めることに消極的でした。感情的にはもっともなことでしょう。それでも、戦争をリアルに体験した世代が生きていたあいだはバランス取れていたと思います。一例として、タカ派の猪木正道が「あの戦争は日本の侵略であった」と明言している文章に出会ったことがあります。  しかし、この手の良識はいつしか力を失い、「侵略戦争だった」「日本は中国や韓国でひどいことをした」などと言えば、たちまち「自虐」とか「反日」などと怒られてしまう始末です。また、それが世論の人気を集める風潮もあります。これでは両国が納得しないのも当然です。  念のためつけ加えておきますが、中国・韓国の言い分がすべて正しいと言っているわけではありません。ただ、日本側の認識もかなり偏っていると見なしているのです。  あとはアメリカがこのような東アジアのあり方を望んでいたから、という事情もあります。これは単なる陰謀論ではなく国務省の文章に残されています。アメリカは戦後の日本は韓国と友邦でありつつ、アメリカをさしおいて手を組むことのないようにしたかったのであり、共産中国に対しては最初は敵対で、米中が国交を回復してからは韓国と同様の関係を望みました。  領土問題はそのためにあえてあいまいにしておいたものです。これもアメリカ政府内で検討した資料が残っています。つまり、竹島や尖閣といった無人島の帰属が双方のあいだで抜けないトゲとして残っているかぎり、アメリカは望ましい状態を構築できると期待したわけです。  ついでにソ連については冷戦たけなわの時代には敵対する関係であり、そのために北方領土を利用してきましたが、ソ連崩壊後はどうでもよくなったみたいですね。ただし、だからといってこのトゲを抜くことは日ロ双方にとって至難の業となってしまっていますが。  とはいえ、この責任をアメリカだけに押しつけるわけにはいきません。なにしろドイツはアメリカの世界戦略に乗りながら、独自の意志で近隣諸国との関係を改善してきたのですから。日本はこの努力を怠り、アメリカの世界戦略を国内政治のために利用してきました。そして、結局は国民もそれを支持してきたのです。そのつけを今になって払っているのですから、つまるところが自業自得なのでしょう。  簡潔にまとめられませんでしたが、概略こんな感じでしょうか。長文回答失礼しました。

ycan
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 確かにドイツにとってナチスはよい標的でしたね。すべてをナチスの責任にできました。日本はナチスのようなものがありませんでした。単に一億総懺悔でした。このあたりに現在の問題がありそうですね。 日本もアメリカだけを頼りにする時代は終わったと言えますか。

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回答No.2

ドイツ人は近隣諸国から嫌われていますよ。でも、経済力と技術力、軍事力、そしてリーダーシップがあるからEUをリードしているのです。 日本も経済力と技術力は充分だけど、まともな憲法とリーダーシップが無いので、アジアを牽引しきれていないですね。 しかし、質問者さんのように近隣諸国が中国と韓国だけと考える人が多いのでしょうかね。アジア全体を考えてインドネシアやタイやミャンマーやバングラデシュまで含んだアジア圏のリーダー・シップを取らなくちゃいけませんね。

ycan
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 現在ヨーロッパはギリシャ、スペイン、イタリア問題と言われていますが、逆に考えて”ドイツの一人勝ち”問題とも言えます。第一次大戦前、第二次大戦前と同じ構図になってきているようにも思えます。

  • Lupinus2
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回答No.1

中国と韓国が、国内の政情不安を日本という敵を作ることでナショナリズムを高揚させ、 政治的安定に利用しているからです。 そのため、中国韓国以外の東アジアの国々からはそれなりの信頼を得ています。 台湾の親日は有名ですし、タイやベトナムも何も言ってません。 日本は悪くないです。中国韓国が悪いのです。

ycan
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 確かに日本が嫌われているのは中国、朝鮮だけかもしれません。 嫌われる日本が必要な国があるのでしょうか。