- ベストアンサー
アンプの終段の素子の並列と、DACの並列について
教えてください。 オーディオ用の大出力アンプは終段のトランジスタなどを並列にしてあるのでその特性のばらつきから音がにじむように思いますが、なぜDACの並列使用ではばらつきが平準化して特性が良くなるというのでしょうか。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんにちは、 正規分布しているデータを複数回集めて平均を取るとその平均値の精度は1÷ルートnになります。 (nは平均の回数) よってDAC出力の演算誤差が正規分布だとして仮定すると DAC2個足し算=ノイズがルート2分の1=1.4分の1=3dBの誤差(ノイズ)改善 DAC3個足し算=ノイズがルート3分の1=1.7分の1=4.6dBの誤差(ノイズ)改善 になっていきます。 デジタルデータなのでポアッソン分布とか違う分布になるかもしれませんが、基本の考えは同じだと思います。 それに対してトランジスタの複数使いはトランジスタのばらつきとか、パターンの不均一の影響がかえって悪影響を与えるんじゃないかと考えてます。 アキュフェーズはアンプの複数使いでS/Nを改善してましたので、パターンや部品選別でDAC複数使いと同様にノイズ改善できるのかもしれませんね
その他の回答 (5)
- iBook 2001(@iBook-2001)
- ベストアンサー率48% (4188/8705)
はじめまして♪ 終段Trの多数並列はメリットも在りますが、おっしゃる通りバラツキによるデメリットも併せ持っていますね。 DACの場合は、1個に存在するバラツキを2個使って均す事でバラツキを低減、4個など多ければ多いほど平均化してバラツキを減らせるという考え方。 もちろん、並列動作を安定に行わせるのはかなり難しいので、他社が中々真似できないのでしょう。
お礼
「並列動作を安定に行わせるのはかなり難しい」そうなのでしょうね。以前オペアンプを並列使用してすごく発熱したことがありました。使い方を間違えていたのですが、難しいもんだと思いました。 ありがとうございました。
- chiha2525
- ベストアンサー率10% (245/2384)
デジタライズに関して、アナログ→デジタルは標本化定理(数学です)が基になっています。 ところがデジタル→アナログでは、標本化定理とはまったく異なる方法が採られています。 つまりDACから出力されるアナログ信号は、元となったアナログ信号と全く異なる形のものになっています。 まずはそのようなDACの性質のようなものを理解した上で、以下を読んでください。 DACを並列使用するのは、デジタル→アナログの中間部分のようなもので、その後にローパスフィルターによってアナログ信号とされるようなものです。 16bitなら65,536段階の大きさの差があるのですが、例えば355の音の大きさが出力してほしい時に、DAC石のばらつきにより355.1だったり354.97だったりするわけです。ですからそれを複数使用することにより平準化できる(と音がよくなる)、という考えです。上記のとおりその後ローパスフィルターを通してアナログ信号となりますので、デジタルのがたつきはそこでなだらかにされます。つまりデジタル出力に微小な差動があったとしてもローパスフィルターでなめられ、音がにじんだりはしません。 それ以前に一番上に書いたように、階段状のガタガタ信号をローパスフィルターを通して出力するというやりかたは、標本化定理に従ったものではありませんので、元のアナログ信号とはまったく別物になっています。 それを踏まえたうえで、DAC石の並列使用が、はたして本当に音質の向上につながるのか、プラシーボ的なものなのか、いろいろと考えられると思います。 あと、DAC石を複数使う使い方は、上記のようなもの以外にも別の使われ方もあったような気がします。もしかしたら、非常に有効な音質の向上がみこめる使用法があるのかもしれません。 ちなみに2つを左右で別で使用して、出力の時差をなくしている(とうたっていた)ものは昔にありました。最近聞かないなw
お礼
大変為になりました。 「階段状のガタガタ信号をローパスフィルターを通して出力するというやりかたは、標本化定理に従ったものではありませんので、元のアナログ信号とはまったく別物になっています。」そうなんですか。 うーん、だからLPレコードのほうが音がいいのかも。 勉強になりました。ありがとうございました。
- HAL2(@HALTWO)
- ベストアンサー率53% (2340/4389)
A No.2 HALTWO です。 1 Clock ずつ Timing をずらして動作させるという A No.1 kngj1740 さんの回答から「Differential (差動) 回路のことかな?」とも思いましたので補足しておきます。 電気素子は動作可能な電圧範囲が決まっているものですが、入力信号を + と - の信号に分けて各々独立した素子で増幅した後に + 信号と - 信号を合成してやれば、各々の増幅素子が動作可能な電圧を実質的に 2 倍に拡大することができます。・・・これを差動増幅方式と呼びます。 Analog 信号では + 側と - 側が重なることなく交互に並ぶ波形であることから単純に中点電圧 (0V) で + と - に分けて処理して合成すれば良いのですが、Digital 回路では 0 と 1 しかない Code 処理ですのでそうは行きません。 そこで + 側の波形と - 側の波形とを分けることができる Clock に着目し、偶数 Clock 時は +、機数 Clock 時は - として各々別々の DAC に処理させた後、元の Clock に当て嵌めて出力します。 偶数 Clock と機数 Clock は 1 つずつずれていますので、これが「Clock をずらして」との表現の所以だろうと思います。 この手法であれば Analog 出力は 2 倍になるのですが、誤差の平準化は一切行なっていませんので、誤差 (歪など) もまた 2 倍の電力になって出てきてしまいます。 そこで、この種の回路では 16bit の Code を 17bit などの高解像度 Code に演算し直し、DAC 出力を合成する際に上から 16bit 分だけを再合成させます。 一見 1bit 分の Data が Original の 16bit Data から消されるのではないかという不安がよぎりますが、01 01 という 2bit の Data 2 つを 010 010 という 3bit の Data 2 つに変換して 010 の最下位にある 0 を消去するものですので出力は再び 01 01 に戻ります。 精度不良によって最下位 Bit に溜まってくる Digital 処理の誤差は予め最下位に「誤差が集まってくるゴミ箱」としての 0 を繋いでおいて後でバッサリ切り捨ててしまえば良いというわけです。 これにより Digital 処理回路内での誤差を消去させているのですが、Digital 処理内の誤差は主に 16bit を 17bit に変換するといった異なる Quantom Bit Code System に変換する際に生じるものですので、実際には 1 次 2 次 3 次 といった Digital Filter による減数分も入れて 18bit や 20bit に変換して行われます。 基本的には TIBB 社の Multi Bit DAC Chip に初めから搭載されている機能を利用できるものなのですが、細かい設定は各社の Know How に委ねられますので、DENON 社の SLC (Super Linear Converter) など様々な派生型が独自の手法として謳われています。
お礼
HALTWO様、続いてありがとうございます。 18bitや20bitの意味はそうだったのですか。 「動作可能な電圧範囲が決まっている」ということ「動作可能な電圧を実質的に2倍」にというようなことは、OPアンプでプリアンプを自作するときに「動作電圧が高いほうが良い音がする。」とも書かれていたのですがその意味がよく分かりました。 オーディオ雑誌に記者や評論家の先生が書かれた文章ではなんだか分からなかったのですが HALTWO様のご説明ですっきりしました。 重ねて深謝します。
- HAL2(@HALTWO)
- ベストアンサー率53% (2340/4389)
Pyramid に積み上げる巨石に何本もの綱をかけてたくさんの人が引っ張り上げたり、後ろからたくさんの人が押し上げている情景を御想像ください。 1 人 1 人が出す力は必ずしもその方向が厳密に揃っているわけではないのですが、右に偏った力を出している人と左に偏った力を出している人との力が相殺されて Pramid 用の巨石は真っ直ぐ前に進んで行きます。 Analog 回路に於いても Digital 回路に於いても複数の素子を並列動作させて誤差を均すという手法は上記と同じ効果を得るためのものなのです。 Analog 回路で 2 基の素子を並列駆動させれば出力は実質的に 2 倍となり、誤差は理論的に半減します。 Digital 回路では 0 と 1 の Digital Code の大きさ (電力) が 2 倍になろうとも 0 と 1 以外の読み取り法がないのですから出力が倍化することにあまり意味はないのですが、誤差が理論上半減するということは 0 である筈の Code を 1 と読み誤ってしまう確立が理論上半減するということであり、Pulse Timing の乱れも相殺されて誤差が半減するという効果を期待できます。 DAC (Digital Analog Converter) Chip を並列動作させて変換精度を向上させるという手法は変換精度に不安がある DAC Chip が初めて開発された頃から存在し、特許も取られなかった (取られたとしても既に時効である) ことから多くの Maker がこの手法を採り入れています。 Philips TDA1541AS-1 Chip を 2 基使用した DAC 回路は CD Player 黎明期の銘器に数多く採用されたものですし、Accuphase 社は 4 基とか 8 基の並列動作による MMB (Multiple Multi-Bit) DAC 回路で名を馳せ、現在でも TIBB (Texas Instruments Burr Brown) 社の PCM1792A DAC Chip は並列動作による Dynamic Range 拡大手法を採用できる DAC Chip として知られています。・・・他の DAC Chip でもできるのですが、PCM1792A は製造元の TIBB 社がその効果を保証している点で Unique な DAC Chip です。 ONKYO の VLSC (Vector Linear Shaping Circuitry) は DAC から出力された Analog 波形に含まれる高周波 Pulse Noise を従来の Passive LPF (Low Pass Filter) 回路ではなく Ope'Amp' IC Chip を用いた一種の NFB (Negative Feed Back) で処理させる Active LPF となっているもので、Digital 処理時に於ける Clock 制御をずらしているわけではありません。・・・そもそも Clock がずれることは Zitter と呼ばれる問題を引き起こすことから各社とも Zitter 低減に対して多大な努力を強いられているものです。 http://www.jp.onkyo.com/wavio/se_80pci_siryou/05.htm NFB とは例えば左から入ってきて右から出ていく Analog 信号処理回路に於いて、右から出ていく信号の位相を反転させて 1/100 などに減衰させたものを左から入ってくる信号に重ね合わせることにより、出力される信号に含まれる微量の不要信号 (歪など) を打ち消す技術で、Analog Amplifier では半世紀も前から当たり前に行われていた技術なのですが、DAC 直後に配する LPF や電源電力安定化装置などには応用されていなかったことから、初めて応用化した Maker はそれで特許を取得しています。 DAC 出力信号からは Carrier 周波数と呼ばれる 44.1kHz や 48kHz といった Sampling 周波数の信号だけを除去すれば良いことから、これらの周波数にのみ Target を絞って NFB を構成しているところが VLSC の特徴になっているようです。・・・高精度の NFB 信号を作り出すために Clock を利用しているのかも知れず、それが Digital Filter と誤解されたり Clock をいじっていると誤解される元になっているのかも知れませんね。 Amplifier のみならず Speaker までも NFB Loop の中にいれた TRIO の Σ Drive とか、電源電圧安定化装置では Accuphase が知られていますが、DAC 後背の LPF では ONKYO が VLSC の名で特許を取得しているというわけですね。
お礼
難しい内容を、平易にご説明いただきありがとうございます。 ピラミッドのたとえはよく分かりました。そうすると、アナログ大出力アンプの音のにじみはまた違う原因なのかもしれませんね。 わたしはTDA1540?を 2基使用したMarantzのCD34も使っていたことがありクロックを高精度のものにしたりすると実力がどんどん上がり、やはり使っているPhilipsのLHH1000に迫る音だな、と感じたことがありました。 ONKYOの技術も分かりやすくお書きいただきありがとうございます。特定の周波数のNFBならきれいな動作をするのでしょうね。Carrierという言葉もアマチュア無線でシングル・サイド・バンドが出始めの頃よく使われて懐かしかったです。 TRIO の Σ Driveもかつて、いいなー欲しいなー、と思ったものです。 ありがとうございました。勉強になりました。
- kngj1740
- ベストアンサー率18% (197/1052)
終段のトランジスタなどの並列接続はアナログ回路ですから単に並列接続しているだけですが、DACの並列接続は数分の1クロックずつタイミングをずらしたDACを並列接続という事らしいです。単なる並列接続ではないです。 http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:QogYW2YTPVQJ:www.eurus.dti.ne.jp/~yfi/reviews/review_dac.html+DAC%E3%81%AE%E4%B8%A6%E5%88%97&cd=11&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
お礼
ありがとうございます。 私の持ってるNECのCD-816もずらしてあったような気がしますが…いいCDプレイヤーです。
お礼
トランジスタの『パターンや部品選別』ですか。実装的な部分ですね。 No.2のお礼で書きましたMarantzのCD34ですがこれのDACに付いてるあるチップ抵抗の値にかなりばらつきがあると書いていた方がいたので、金属皮膜抵抗を20こ買ってデジタルテスターで計って選別して付け替えてみたら、音の変化がはっきりしたように感じたことがあります。 アナログでも『パターンや部品選別でDAC複数使いと同様にノイズ改善できるのかもしれませんね』とは新しいことを教えていただきました。 突き詰めて行けば壁が破れそうだとは、アンプに限らず、すべてのことに大きな示唆になりますね。