本数の問題もあるかもしれませんが、より本質的には、タバコに対する快感のイメージや、吸うことで得られる快の実感などが依存の形成に関係があると思います。
例えば、体や心が疲れた人、ストレスを抱えて辛い人、ヒマでしょうがない人などが、タバコを吸うことによって快感が得られ、疲れやストレスが軽くなり、吸う前よりもラクになり、また心が満たされたとします。するとその人の脳はそのこと(タバコ=快感)をしっかりと記憶します。そしてその次から、疲れたり、辛くなったりしたときに、タバコを吸うことで気持ちよくなろうとするようになります。そういう経験を反復すればするほど、「タバコを吸う⇒快感が得られる」という記憶はどんどんと強化されていき、いわゆる習慣、もしくは依存症というような状態になっていくものなのだと思います。
一旦習慣化したことというのは、自分が意識的に考えなくても無意識に働いてしまいます。なので、仮に意識のほうで「良くないから、やめよう」などと思っても、疲れやストレスが激しいときなどは、「タバコ=快感」という無意識の記憶が「やめたい」という意識に勝ち、タバコの快感が欲しくてうずうずして我慢できなくなり、ついついタバコに手を伸ばしてしまうのです。
「付き合い程度」しか吸わないで済む人という人は、上記のような依存の形成のない人なのだと思います。たとえ少ない本数しか吸わなくても、「この1本で極楽タイムに突入だ~」などとヤケに期待して吸ったとしたら、依存的であってアブナイと思います。そうではなくて、喫煙する仲間と一緒にいるときだけに吸う、単なる“社交の道具”としてタバコを利用できる人というのは、ある意味立派なのだと思います。
私はタバコにはハマったことはないのですが、かつて四六時中アルコールを飲んで現実逃避していた時期があり、まさに依存症でした。それを克服した方法ですが、アルコールを遠ざけてアルコールで快感を得るのをやめました。その代わりに、アルコールで気分が悪くなったり、健康を害したり、問題行動を起こし困った自分の経験を強くイメージするようにしました。何度かリバウンドして大量飲酒に戻ってしまったことはありましたが、あきらめずに続ければいつか思い通りのものに近づいていくものです。やがて、私の中には「アルコール=不快」という新たな記憶が根付いたようで、アルコールを求めなくなりました。タバコをやめるような場合も、「無理にガマン」とかではなくて、心理学的な依存形成の理屈にしたがって適切に治療することでうまくいくはずだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 体験談も含めとても勉強になりました。 本当にありがとうございました!