ピックの持ち方がうまくいかないということですが、とりあえずは今一度ピックの持ち方を見直してみる、ピックの種類を手になじむものに変えてみる、ピックの弦への当て方を見直してみるなどしてみるのが、良いのではないでしょうか。
ピックの持ち方ですが、どの指を使うかは自由に決めてかまわないと思います。
ただ、持った時にピックの先がどれだけ指先から出ているかによって、ピッキングのしやすさは変わります。 ピックの先端が必要以上に出ていても、逆にあまりにも握りこみが深すぎても、ピックのコントロールはやりにくくなります。 自分にとってどれくらいピックの先端を出しておくのがやりやすいのか、試しながら見極めてみるのも良いかもしれません。
また、ピックをどれだけの力でつまんでいるかも、やりやすさに影響するかもしれません。 あまり力み過ぎれば、ピックはしなりや逃げ場を失い、弦を弾き飛ばそうとして強い抵抗を受けるでしょうし、手首も固まってしまうでしょう。 逆に、ゆるすぎれば、弦に弾き飛ばされてピックを落としてしまうかもしれません。 必要最小限の力でピックを保持するように、気を使ってみるのも良いでしょう。
ピックの種類ですが、形状や材質、厚み、サイズによって扱いごこちが変わります。 色々なピックを試してみて、使いやすいものを探してみるのも一案と思います。 ピックが暴れて困るのであれば、滑り止めのついたピック(コルクやゴムが貼ってあるもの、ディンプル付きのもの、指にフィットさせるようなくぼみがあるものなど)を試してみるのも良いでしょうし、あるいは使っているピックの表面に溝を掘ったり、傷をつけたり、両面テープを貼ってみるなども良いかもしれません。 また、ピックの厚みや材質の異なるものを試して、しなりの大きいピック、しなりの小さいピックなどそれぞれの感覚を体感し、より心地よいものを選んでみるのも良いでしょう。
ピック自体は、もとより消耗品ですし、べっ甲など特別な材質のものでなければそれほど高い買物ではありませんので、いろいろなものを試してみるのも良いと思いますよ。
ピックの弦への当て方についてですが、無理な力が加わるような形でピッキングをしていると、どうしても無理が出ます。 そのあたりを見直すことで、楽にピッキングができるようになるかもしれません。
ピックが必要以上に深く弦に入ったりしていないか、弦を無理に引っ掻き飛ばすようにピックを運んでいないか、無理がかかるような変な軌道を描いていないかなど、ピッキングの様子を細かく観察しなおしてみて、何がうまくいかない原因になっているのかを見極めてみるのも良いと思いますよ。
あと、アップピッキングがうまくいかないということですが、それについてはダウンピッキングも含めて全体を見直してみると良いと思います。 アップピッキングが全然うまくいかないという場合は、ダウンピッキングのやり方にもまずいところがあって、それでうまくいっていないという可能性も考えられます。
ダウンピッキングの時に、手首をがちがちに固定していたり、肘を曲げ伸ばしして直線的にピックを運んでいたりということはないでしょうか。 もしそうだとしたら、その振り方ではピックの挙動を安定させにくくなるでしょうから、そうしたやり方はあまりお勧めしません。
ピッキングは基本的に、カギを回す時のような、あるいはピックをうちわに見立てて扇ぐような、手首をひねる動きを中心としてピックを振るものと捉える方が、やりやすいと思います。 手首は、力まずになるべく柔らかくしなやかにしておいたほうが、楽にできると思いますよ。
ついでにもう一つ。 ピッキングは、ピックが弦にあたる瞬間ではなく、ピックが弦から離れる瞬間が重要です。 弦が鳴って音になるのは、ピックが弦をはじいて離れた瞬間ですから、どのようにピックを弦から離れさせるのがいいのか、そのあたりについても注意を払ってみるのも良いと思いますよ。
いくらかでも参考になれば… 長々と失礼しました。