こんにちは、栄養士です。
簡単に書くと、
運動や労働をすると体が疲れます。
それは運動や労働により血中尿酸値が高くなり、脳が「疲れた」と感じるためです。
体を動かすにはエネルギーが必要です。
そのエネルギー源としてブドウ糖や脂肪酸だけでなく、
アミノ酸もエネルギー源として使用されます。
アミノ酸がエネルギー源として使用されると、最終的に尿酸が精製されます。
尿酸は人間を含む哺乳類にとって有毒であるため、肝臓で低毒性の尿素に改造されます。
この尿素が腎臓でろ過され、おしっことして排出されます。
ただし、尿酸は完全な悪者ではなく、血液のpHを中性に保つ役割もしています。
(血液が強アルカリ性になるのを防いでいる。)
いわば、必要悪のような存在です。
そのため、ある一定量の尿酸が血中に存在しています。
尿酸自体は酸性のため、増えすぎると血液が酸性に傾きます。
血液は弱アルカリ性の方が体は快調になる と言われています。
つまり、尿酸が増え、血液が酸性化するのは良いことではありません。
そこで、脳が水分を多く取り、血中の尿素濃度を薄め、トイレに行けと指令するわけです。
で、なぜ疲れると酸っぱい物が欲しくなるかというと、
植物に含まれる酸は有機酸で、体内に吸収されると電離し、アルカリ性になります。
(有機酸自体は弱酸性ですが、体内で電離してイオンになると、
有機酸に含まれるカルボキシル基(-COOH))がアルカリ性を表す。)
この有機酸を摂取することで、酸性になった血液を早く中和し、
体に最適な弱アルカリ性の血液に保とうとするのです。
つまり、
疲れた(エネルギー源を大量消費した) - 尿酸値が上がる - 血液が酸性化する
脳が水分と有機酸の摂取を要求
- 水を飲む - 排尿し、血中尿素量を下げる
(血液量を一定に保ちながら、尿素を減らす。)
- 酸っぱい物を食べる - 酸性化した血液を弱アルカリ性に戻す
- 結果、適切な血液の状態を保てる。
となります。
では、なぜ酸っぱい物が欲しくなるか というと、
それは親からの教えや、過去の経験、記憶から
と考えられます。
ちなみに、塩酸、硫酸、硝酸などは無機酸(鉱酸)と言います。
塩酸は胃酸の主成分で体内で生産されますが、基本的には、これらの無機酸は有毒です。
酢酸(お酢、漬物)、クエン酸(柑橘類、梅干)、乳酸(ヨーグルト)、酪酸(チーズ、バター)、
パントテン酸(ビタミンB5)、葉酸(ビタミンB9)、アスコルビン酸(ビタミンC)、
安息香酸(植物に含まれる匂い成分)、グルタミン酸(トマト)、イノシン酸(カツオ)、
グアニル酸(シイタケ)、リンゴ酸(リンゴ)、コハク酸(貝類)などは有機酸で、
食品として毎日、少量ずつ食べるのは体にとって有益です。
(しかし、大量摂取時は中毒症状を表す。)
かんきつ類に多いクエン酸は、
純クエン酸として、体重1kg当たり6~10gを食べると死に至るようです。
(ラットの場合の致死量として)
体重60kgなら360~600gを一度に食べると死ぬ可能性が高いということです。
かんきつ類で最もクエン酸の多いのがレモンです。
(グレープフルーツ 約1.3g オレンジ 約1g 温州みかん 約1g )
レモン果汁100g当たりのクエン酸量は、約2~4gですから、
一度にレモン果汁を20リットル飲むと、命が危険ということですね。
お礼
ありがとうございました。