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宮部みゆきさんの「おまえさん」について(ネタバレ)

宮部みゆきさんの「おまえさん」をやっと読み終えました。 下巻の最後の方の平四朗とお徳の会話に 「史乃さんの口から、あの娘が逃げるきっかけをつくったのは間島様じゃなくて、本当はうちの先生(源右衛門)だってことが露見されたらさ」 とありますが、史乃が逃げたきっかけを作ったのは間島信之輔ですよね??? 源右衛門は信之輔をかばっているのだと思っていたのですが、最後のこのセリフで分からなくなってしまいました。 このセリフの意味が分かる方、解説していただけないでしょうか。 気になって気になって、眠れません・・・

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  • phobos
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回答No.1

久しぶりに「おまえさん」読み返してみました。 ご指摘の箇所は私も最初に読んだときに「おや?」と思ったところですが、多分以下のように解釈すれば良いのではないでしょうか。 > 史乃が逃げたきっかけを作ったのは間島信之輔ですよね??? 事実はそうなのですが、大叔父の本宮源右衛門が「儂の大失態でござった!」と自分がやった事にして信之輔の大ミスをかばっているのを知っているのは、井筒平四郎と信之輔と源右衛門の3人だけです。 しかも平四郎はそれが嘘だと内心で承知していながら、源右衛門の失態ということにすれば三方丸く収まる事に気づき、源右衛門に対しても「この失態があっては、もう真島家にはおられませんなあ」と謎をかけ、源右衛門もそれを理解します。 平四郎が源右衛門の嘘に乗ってみせる事で、間島家から出たいという源右衛門の希望が叶い、信之輔や母親ら間島家の顔も立ち、前途有望な信之輔の経歴にも傷を付けずにすむという、最善の結果となったわけです。 ですから平四郎も、真実は知りながらも源右衛門や信之輔に対してすら表向きは「源右衛門の失態」で通したはずですし、ましてやお徳ら関係者にはそういうことで通し切ったのでしょう。 (作中には書かれていませんが)落ち込んだ信之輔がお徳らに「史乃が逃げてしまったのは私の失策が原因だ」と生真面目に言ってしまったのを知った平之助が「いや本当はご隠居さんが勇み足で余計な事を言っちまったんだ。信さんはそれを手前の責任に背負っているのさ」と打ち消していたのではないかと解釈すれば、この部分は納得できないでしょうか。 ……ただし、 > 「史乃さんの口から、あの娘が逃げるきっかけをつくったのは間島様じゃなくて、 > 本当はうちの先生(源右衛門)だってことが露見されたらさ」 の部分が、 「史乃さんの口から、あの娘が逃げるきっかけをつくったのはうちの先生じゃなくて、本当は間島様だってことが露見されたらさ」 だったとしたら、その方が平四郎とお徳との信頼関係の深さ(お徳にだけは平四郎も本当の事を話していた)を表していることになるし、話の筋も通って、それはそれで(もっと)納得できる描写でしたね。 信之輔が失態を演じる場面が描かれた「おまえさん」の章が書かれて2年後に、単行本化のためにこの最終章が書き下ろされたわけですが、作者の宮部さんがついウッカリと勘違いをしてしまった?という解釈も出来ない事はありません。 そういう想像もまた、小説を読む楽しみの一つではあります。

kabacyan12345
質問者

お礼

お礼が遅くなりすみませんm(_ _)m なるほど、なるほど、そのように考えると納得できます! 作者がこの部分を後で付け足したと言うことも、初めて知りました。 小説を読む時には、もっと想像力を働かせたほうが色々楽しめそうですね。 ありがとうこざいました。