ほしい得点やドラがらみ、三色狙いなどを考えないのならNo.1さんの答えが正解です。
これはセオリーとして覚えておかないといけません。
357と持っていて、2をツモれば5を捨て、続いて7を捨てます。8をツモれば5を捨て、続いて3を捨てます。これは「カンチャンよりリャンメン」というセオリーに基づくもので、テンパイしたときに、35、あるいは57のカンチャンを残したくないのです。ヘタをすると役なしでカンチャンのリーチのみではアガリ目も勝ち目もありません。
357と持っていて不幸にして、2も8もツモってこなかったというのであれば仕方がありませんが、せっかくリャンメンになるチャンスがあったのに、これを逃していては運にも見放されます。また5から捨てるのは「より危険度の高い牌から捨てる」というセオリーに基づくものです。すでにNo.1さんが説明しているとおり、7よりも5を先に捨てるのは、他家に当たる確率が5割も高いからです。7は4-7マチには当たりますが、4-1マチには当たりません。しかし、5は2-5マチと5-8の両方に当たるからです。ということで5に対して7の危険度が5割低く、1巡の間にだれかがテンパイするとすれば、ギリギリセーフ!という可能性があるのです。「そんな僅かなこと」と思われるかも知れませんが、「一牌のあとさき」と言って、麻雀の捨て牌に「どちらが先でも同じ」ということは決してありません。
例えば冒頭に「西」「北」のオタ風や「9ピン」を捨てたいときでも、自分の手が悪く「四風子連打」の流れを期待して「西」を第一打にしたり、あるいは配牌に恵まれたオヤなら、万一の「四風子連打」の危険を避けて「9ピン」から捨てたりということ、「リーチ」に行くときは、「イッパツ」を消されないように、誰からも鳴きようのないパイで「リーチ!」するなどです。ドラの「5ピン」で「リーチ!」と行って、シモ手に「チー」されて、「イッパツを消されちゃった・・・」などは愚の骨頂で、イッパツを消してくれと言わんばかりです。
このように考えれば、メンツ落としは、順序として、より中央に近い牌、すなわち「自分は不要だが、他人が欲しがっているかもしれない牌」を優先して捨てます。
それがわかれば、終盤で5を捨て、次に7を捨てた人のリーチは1-4が危険ということもわかります。手の中に23が残っている可能性が高いということです。あなたのやることは他人もやるのです。
捨て牌の5だけでも1-4が裏筋で危険ですが、終盤で立て続けに5→7と捨てた人のリーチに1-4を捨てるものではありません。同じ5→7と捨てていても、これが序盤だと、本命は6-9のマチになります。5778と配牌であり、まず5を捨て778と手におき、煮詰まって7を捨て78を残すという手順が手作りのセオリーであるからです。これがわかれば守備のときに5→○→○→7→西「リーチ!」という捨て牌に対して6-9を捨てるものではありません。逆に7→○→○→5→西「リーチ!」なら、九分九厘9は通ります。
このように手作りのセオリーを学べば、あなたのやることは他人もやるのですから、捨て牌の読み方、敵手看破の方法もわかります。さらにその裏をかく捨て方もわかってきます。
5をツモってきたときには、ツモ切りして下さい。皆が欲しがる5を手もとに長時間おいておくほど危険なことはありません。更に5をツモって5がアンコウになる確率は低く、4682をツモる確率のほうがはるかに高いので、これらの何をツモっても1枚の5は捨てられる運命ですから、一刻も早く捨ててしまわないと他家に当たります。
新日本麻雀連盟四段(競技委員)