扇風機などに使われるモーターは誘導モーター(インダクションモーター)と呼ばれるタイプのもので、カーボンブラシなどは使っていません。回転子側は単なる金属の筒(効率を上げるために複数の金属を組み合わせていたりすることはありますが)のようなもので、コイルも何も巻かれていませんので、回転子側に電気を伝える必要がないからです。このようなモーターの回転が遅くなる原因として一番多いと思われるのは、軸受け部分の摩擦の増大でしょう。羽根の軸を手で回してみて、回転が重いようであればこれが原因です。もしこのような状態であれば使用を中止してください。この種のモーターは回転軸の回転が異常に低くなると発熱が非常に大きくなり焼損の危険があります。他の原因としてはコイル(ローターの周囲のコアにまかれている)の断線または、起動用コンデンサーの不良でしょう。軸受け部分の抵抗が大きいだけであれば、分解して軸受け部分に注油してやれば復活する可能性(ただしコイルなどが過負荷で損傷していなければ)もあります。この種のモーターの軸受けはプレーンベアリングという種類の軸受けが多く、油が切れると非常に抵抗が大きくなります。
電気のメーター(積算電力計)を見たことがあると思いますが、扇風機などの誘導モーターの原理はあれと同じです。電気のメーターも中で回転しているのは単なるアルミの円盤で円盤自体はどことも電気的に接続されてはいません。円盤を挟むように電磁石が取り付けられていて、そこに交流(定期的に電流の向きが変わる電流で、コンセントの電流はこれです)を流すと、金属の円盤上に渦電流という電流が発生します。金属に電流が流れると電磁石になりますね。この渦電流によって生じた電磁石と円盤を挟んでいる電磁石の相互作用によって回転しているのです。したがってこのモーターは直流では回りません。
この種のモーターは扇風機などの家電製品に多用されていますが、その理由は音が静かなことや構造が簡単でメンテナンスの必要が小さいことなことなどが上げられます。一方、yu-meijinさんがかかれているブラシを用いるモーターは誘導モーターから比べれば構造は複雑ですし、ブラシとコンミテーターの接触による騒音も大きく、ブラシの磨耗などメンテナンスの必要もありますが、起動トルクが大きい(とまっている状態から動き出すときに大きな力が出せる)や非常に高回転なものが作れる、小型で大出力のものが作れる、交流・直流に関係なく使用できる。回転数・回転方向のコントロールが簡単などの理由で、電動工具や電気掃除機などに使われています。 このようなモーターを整流子モーター(コンミテーターモーター)やユニバーサルモーターと呼びます。
お礼
お礼が遅くなってすみません。 大変詳しい御回答ありがとうございました。電気のことを全く知らないものですから、よく理解できないのですが少し勉強してみようとおもいます。