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DVDが出ているのに劇場公開しない理由
日本で劇場未公開のまま、DVDになっている作品がありますが、なぜパッケージ化は出来るのに劇場で上映出来ないのでしょうか? 上映に伴うコストを賄うだけの、観客を動員する事が困難だからでしょうか。 でも、DVDの場合も翻訳や販売店の経費が掛かりますよね。
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簡単に言うと掛かる経費がまったく違うからです。 また製作した会社と契約して配給はしたものの、上映する映画館がどこにも無い、なんてこともありまして、映画の劇場公開はかなりのリスクを負っているということも理由のひとつです。 海外の映画を買い付ける場合には、劇場公開のみの契約とか、DVDなどビデオ化して販売する契約も含んだり、TV局に売ることも含む、などなどいろいろな契約の仕方があります。 ただある程度大きな配給会社じゃないとDVDを作成して売るという、販売ルートを持っていないのが普通です。 単館ロードショーのアート系作品に力を入れている配給会社などは、DVDの販売会社を持ってはいません。 これとは逆にマイナーな映画を買い付けてDVD化する会社は、映画を配給して、興行会社と手を組んで映画館で上映してもらう、というルートを大半が持っていません。 DVDの場合にはデジタル化したデータ(多くが放送業務用のビデオテープですが)だけがあれば、後は翻訳や字幕付けなど日本国内でぜんぶの作業を完結できますが、映画そのものだと、上映の規模によっては上映用プリントを作るためのネガ、あるいはマスターポジというフィルムそのものを製作会社から送ってもらう必用がありまして、それがかなりの荷物になります。 で、全国100館で上映となれば、100本分のフィルム、デジタル上映ならばそのデータを作らないといけません。 で、日本の興行システムだと、入場料金として売り上げたお金を映画館が半分は持っていきまして、残り分から宣伝費や、上映用のプリント費なんかを差し引いて、残った分が配給会社の取り分となりますが、この宣伝費がバカになりません。 全国紙に1面広告を打てば、それだけで数千万円です。 プリント代も数が多ければ多いほど1本分が安くなるものの、100本だとだいたい3500万円はかかります。 ということで、宣伝とプリント費だけでも億円に手が届くほどなんです。邦画だと製作費よりも宣伝費の方が高かった、なんてこともあるんです。 で、DVD発売だけだと、そこそこ有名な欧州の映画でも契約料は100万円くらいからですし、それに字幕を入れてDVDの原版を作ってもたいした金額にはなりません。台湾あたりの工場でDVDをプレスすれば、1枚50円くらいで出来ちゃうところもあります。 さらに映画館で上映する予定で買い付けたけど、上映してくれる映画館が見つからず、そのままお蔵入り、ということもけっこうあります。 近年だと3.11の震災の影響で、「唐山大地震」という映画がお蔵入りのままです。 これです。去年の夏前には上映予定だったと思うんですけど。 http://tozan-movie.jp/iphone/ 上映直前に出演者がトラブルを起こして上映は延期とか(押尾学作品がトラブルで無期延期になってます)、様々なリスクがあるわけです。 こういったことから、DVD販売はしても映画館では上映しない映画はたくさんあるわけです。
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- ultraCS
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DVDの翻訳はせいぜい数百万(百万行かない場合も)。パッケージ作成は1万枚作るとしてやはり数百万。販売店の経費というのは配給元には関係ありません。 一方、劇場公開するとなると一館当たり最低でも百万の売り上げが必要になるとして、700人が見る必要があります。これで、全国50館公開だったら、35000人見ることになります。で、大概の映画は平日だと一回当たり数十人しか入りませんから、700人と言うことは、一日一回として二週間掛かると言うことになります。 さて、こういう映画で35000枚売り上げたら大ヒットなんですよ。ところが劇場で公開したら、売り上げは大幅ダウンしてしまいます(見たら買わない人が大多数でしょ)。ということで、こういう映画は劇場で公開しないのです。 なお、DVDに先んじてのプロモーション上映のような形態はあります。東京で言えば、渋谷のシアターN、銀座のシネパトスや池袋のシネマ・ロサ、横浜のジャックアンドベティ、名古屋のシネマ・スコーレなどがこういう興業をしています。それにも届かない映画と言うことですね。
お礼
回答、ありがとうございました。 やはり、一館あたりの収入と経費の関係が問題なのですね。 ところで、プロモーション上映を見た人がそれに満足して、DVD購入を見送る心配はないでしょうか。
お礼
回答、ありがとうございました。 映画配給の世界が、そこまでリスキーだとは知りませんでした。 劇場公開だけの契約になる場合もあるようですが、上映しながらビデオ化されなかった作品の例を挙げて頂けないでしょうか?