私のバブルの正体は、日本の富の総量を大幅に超えるマネーサプライそのものだったと思っております。日銀も財務省もある面無知で無能だった為、日本全体がハゲタカファンドなどによる搾取・半植民地化政策の標的になっていることに気付かず、マネーサプライという名の借金を膨らませ続けたのです。それがあのバブル景気の正体だったのです。
苫米地英人氏の本に『洗脳支配ー日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』というのがあります。
ここに興味深い内容が書かれています。(私がポイントと思うところだけ抜き出します)
『マネーサプライとは、借金の総額である。』
『実は日本ではある人から100万円を預かった場合、そのおよそ1000倍の10億円のお金を他の人に貸すことができる。』
『信用創造を行うために必要な銀行が保有する預金額のパーセンテージを預金準備率(支払準備率)という。』
『今の日本の準備率は定期性預金ならば0.05~1.2パーセント、その他の預金なら0.1~1.3パーセントに過ぎない。』
『仮に準備率が1パーセントだとすると、銀行は100万円を預かると全額を日銀に預け、9900万円を借り手の口座に創設することができる。』
『マネーサプライ増大の結果生まれた国の借金800兆円を返すために我々は日々働いている。』
『もしくは、マネーサプライ全体に対する本来存在する必要のなかった金利を返すために我々は日々働いている。』
◎内容を大幅にはしょった事もあり意味がつかめないかもしれませんが、教育水準が高く、技術的にも優れている日本がこれほどまでに苦しんでいるのはバブルのツケをいまだに払わされ続けているからなのです。だから再びバブルというのは考えられない状況なのです。
ここでは景気回復の方法について少し長くなりますが書かせていただきます。
それは格差社会を見直すことです。
まずは先進国の中でも非常に低いといわれている最低賃金を引き上げることです。そして、高額所得者の所得税率を上げることです。
具体的に解説します。
2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン。
彼は自身の本「格差はつくられた」のなかでこう説いています。
「アメリカはリベラルが強かった時代のほうが良かった」
また、彼は「国際競争力というものはペテンだ」と言い国際競争力をつけなくてはいけないからと言って賃下げをするのは愚の骨頂だと主張しています。
第二次世界大戦後イギリスやフランスといった戦勝国でさえボロボロになったのに対し、アメリカだけがなぜか戦後不況に陥らなかった。
どうしてかというと「総中流化した国民が概ね経済的にゆとりを持てていたから」なのだそうです。
最低賃金を上げたり、労働組合に対する規制も緩める政策をしたルーズベルト。
その後のトルーマン大統領はさらに高額所得者への最高税率を上げることもしました。
その結果何が起こったかというと、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、自動車といった製品を一般庶民が持てるようになったのです。
『生活水準の大圧縮』のおかげで多くの人の生活水準が上がり、企業は何を作っても売れるようになったということです。
ここで歴史をひもといてみます。日本がアメリカに勝ったのは家庭用ビデオデッキが開発された時でした。日本のビクターがVHS、ソニーがベータ、アメリカが別の方式でした。
発売当初の値段はビクターもソニーも25万円くらい、アメリカ企画の製品は1000ドルぐらいでした。
当時は1ドル250円くらいだったので同程度の値段といえるでしょう。
ところがアメリカでは70年代半ばから貧富の差が開きはじめていましたから大衆には手が出せないものになっていたのです。
一方、日本の一般労働者はボーナスをはたいてもビデオデッキを買いました。
しかし、アメリカの労働者は1000ドルのビデオデッキは高いといってなかなか買いません。
日本は順調に売り上げを伸ばしていきました。そして大量生産が可能になっていくのです。
結果的にどんどん価格を下げることができ、アメリカ市場においてもアメリカの規格を駆逐するまでになったのです。
それ以降、8ミリのビデオカメラも同じ状況でした。日本が先行して売れて大量生産が可能になりました。その後アメリカでも1000ドルをきる値段で売り出すことに成功し、とたんに猛烈に売れだしたということです。
私はここに経済再生のヒントがあると考えているのです。
日本も最低賃金を上げ、高額所得者への最高税率を上げることで格差是正を実現しましょう。
賛同していただける方には是非『生活水準の大圧縮』を実行すべきだと声を大にして訴えていただけたらと思います。
ついでに非正規社員の問題についても書きます。少子化問題の要因のひとつとも言われる職場の非正規化の抜本的改革も必要でしょう。
日本郵便などを見れば明らかなように正社員と非正規の人は全く同じ仕事をしていて職場を見ても見分けが付かない状況です。工場などでも~責任者とかラインのリーダー役に非正規の人がなっていることも非常に多くなっています。
資本家階級あるいは経営者側はそういう状況を利用して、教育の行き届き勤勉な日本の労働力を安く使っているのです。
労働対価は非正規につられるように正社員に対しても低く抑えられてきました。
かつて士農工商の下に『えた・ひにん』というのを作ったように権力者側は不平不満を抑える為に階層・階級を多くつくることをします。
管理あるいは支配しやすいようにです。日本人は同じ過ちを繰り返しているといえるでしょう。
この文章を読んでくれている方々に聞きたい。
「非正規に対する偏見はありませんか?」
「非正規制度が優越感や劣等感を生み出していると思いませんか?」
不況時には経営者側は巧みに「正規社員の生活を守る為に非正規の人には辞めてもらわなければならない」などと言い正社員を味方につけようとしたり、正社員自身の保身意識を高めようとします。
これでは労働組合も力を失います。
多くの経済学者が懸念してきた「資本主義の暴走」がいまの日本で確実に進行し続けているといえるでしょう。
この流れは制度的に作られたのです。『えた・ひにん』あるいは奴隷階級のある『カースト制度』的な状況だと思われます。
まずは製造業などの派遣は登録型を禁止し常用型に限定します。
(短時間労働パートタイマーや農家などの季節労働者は同一価値労働同一賃金原則にて直接雇用する)
政府は消費税率など上げる前に、かつての総中流と呼ばれ活気に満ちた頃のように所得税、相続税、贈与税の最高税率を上げ格差是正を進める。これをすれば税収後の再分配によってだけでなく、経営陣もどうせ税金で取られるぐらいなら上層部ばかりが多くもらう賃金体制ではなく低層部に振り分けようとします。北欧やかつての日本がそうですから間違いないことでしょう。
累進課税をあげるというのは格差是正には非常に有効です。
しかし、それは共産主義を意味していません。「差が少ない」というのと「差が無い」というのとは決定的に違うのです。アメリカや現在の日本のように格差が大きい社会は(ほんの一部の人を除き)活力を奪うものです。格差が小さいほうが目標とする人の背中も見えて頑張れる人が多いのです。これについては心理学的にもそう言えると和田秀樹氏《精神科医(川崎幸病院精神科顧問)、臨床心理士、国際医療福祉大学臨床心理学専攻教授、一橋大学特任教授、学校法人成城学園理事、起業家》は自身の本に書いています。
少し長くなりましたが、ご参考にしていただけたら幸いです。
お礼
ご回答、ありがとうございました。 回答者様の歴史上の説明と、今後の具体策には納得しきりです。 私もこの意見、具体策には賛成です。 この政策が行われた後、日本での「日本のビジョン」(産業構造改革も含めて)が出てくれば、さらに、よくなるんだろうと考えます。 本当にありがとうございました。