何をおっしゃりたいのかよくわかりませんが、死者の数という意味で私なりに最近考えていることがあります。
地震などの事件があると大勢がいっぺんになくなり、死者の数が議論されます。でも、地震などなくても毎日死んでいる人は大勢います。どちらがどの程度問題かと考えてみると不思議な気になります。
例えば自殺者は毎年3万人もいます。昨年の地震の死者よりも多い数ですが、こちらは普段あまり話題になりません。どこかの港では何百億円もかけてまたギネスブックに載る巨大な堤防を作るようですが、同じお金で毎年数千人が死ぬ交通事故を減らしたらどうかといった議論はされません。
福島の放射能では誰も死にませんでしたが、原発は停止に追い込まれています。そのために電力会社は天然ガスを買って発電していますが、そのために空気が汚れ、そのために死んで行く人が出ます。WHO の統計では日本では大気汚染が原因で毎年数万人もが死んでいるそうです (発電以外に自動車などが大気汚染源です)。原発の停止で大気汚染が増え、そのため死者の数は年間数千人ぐらい増えるかもしれません。しかしこちらはあまり話題になりません。
つまり一度に大勢死ぬ事故や目に見えない放射能を人は怖がりますが、毎日人知れず死んで行く人の方は数は多くても人はあまり気にしません。言い換えれば復旧工事などで多額の費用がかかる方には耳目が集まるが、人知れず死んで行く人は問題にはされない、ということです。
面白いと言えば面白い人の性ですね。