順番に説明しますと
>安定器で電源からの電圧を高圧にするんですよね?
その通りなのですが高圧と言っても一瞬で良いのです
>なんで直接安定器に電圧をかけないのでしょう?
放電のきっかけを作る為の高電圧ですからほんの一瞬で良いのです
>ラピッドスタート型というのは安定器に
グローと同じ動作を電子回路で行ってるそうで
やっぱりグローのような動作が必要とのこと
ラピッドスタート型はグロー式の後に発明された方式で動作は少し違います。
ラピッド式は瞬時点灯とメンテナンスフリーを目的にしてグロー式よりも後に発明されました。
これはトランス内部に高電圧発生部×1とフィラメント加熱部×2の二種類三系統の巻き線が有ってスイッチを入れるだけでフィラメントの加熱と放電に必要な高電圧を作っています。
でもそれだけでは駄目なので初期の管は放電を誘発する為に管の外壁に導電性のメッキが施されていました。
現在では透明の導電性ポリマーを採用していますから見ただけではグロー式と区別は難しいです。
ただラピッド式はグロー式よりも常時高電圧が発生している事や価格が高い事もあって一般家庭よりも事務所や工場、公共施設などに多く使われています。
これに対してグロー式はグロー放電の熱で内部電極をショートさせスイッチの役割をしているので仮にグローが手に入らなければソケット内の電極をドライバーなどで短時間ショートさせても点灯させる事は出来ます。
つまり
AC100V→安定器→フィラメントA→グロー(放電でバイメタルオン)→フィラメントB→AC100Vと言う閉回路を作りフィラメントABを赤熱させ熱電子が出やすい状態を作り次にグロー内部が冷える事でバイメタルが開きこの時安定器のインダクタンスに依り両端に一瞬高電圧が発生しそれが蛍光管に印加され放電のきっかけを作ります。
放電が始まると安定器のインピーダンス成分により電圧降下が発生しグロー管の両端に掛る電圧は放電以下になる為グロー放電は起こらず同時に蛍光管に流れる電流を制限する働きも生まれます。
つまり安定器とグロー管と言う極めてシンプルな組み合わせで蛍光管のフィラメント予熱、放電に必要な一瞬の高電圧発生、グロー放電の停止、蛍光管放電時の電流安定化、と言う一連の動作を満足させている訳でこの回路を発明した人は天才だと思いますね。
参考までにラピッド蛍光管はグロー器具に使えますがグロー蛍光管はラピッド器具では放電が起こりません。