観客動員数…。結果的にはそういう目的とも言えますが、
鈴木プロデューサーの本来の目的は制作費集めと言うか拡大です。
宮崎駿作品とかジブリ映画と言えば普通のアニメーション映画を創るにはお釣りが来る程の資金は簡単に集まります。
ですがジブリ作品は毎回金がかかり過ぎます。寧ろ巨額の制作費を集めてもそれを上回る赤字が出てスタジオジブリは借金で火の車です。あれだけ売れてるのに…。
そこで鈴木プロデューサーは駆け回り、自分自身もプロモーション活動したりラジオ番組をもったり、何せジブリの顔である宮崎さんを始めジブリ監督達は
表舞台に出たがらないので本来の裏方である鈴木さんは売名してまでも代理としてジブリの顔として表に出なくてはなりません。
どこで、現在の日本映画がどのようにして資金を集めるかご存知ですか?
昔の日本映画は映画会社が100%出資していました。その後、独立系製作会社出資とかスポンサー一社出資とか紆余曲折を経て今は複数のスポンサー並びに複数の権利者の共同出資、所謂製作委員会とかパートナーズと呼ばれる資金団体制が主流です。
出資者を募るにはどうすれば良いか。彼等から必要な額の資金または追加資金を引き出すにはどうすれば良いか。
監督とか脚本とかストーリーなんて、乱暴な言い方ですがどうでも良いんです。無論、著名な監督とかジブリのようなブランドは資金集めのスタートがかなり好条件から始まりますけどね。
最も重要なのは誰が出るのかなんです。どんな映画を何を創るのか何も決まっていない状態だって良いんです。
例えば「キムタクで映画を創ります!」これだけでスポンサーが集まりポ~ンと金がでます。「新人を 発 掘 (このフレーズが重要)し…」ホリプロ等のメジャーアイドル事務所が絡むと使える強力な技です。柳の下のドジョウ狙いのスポンサーはコロッときます。
「○○さんや●●さんが脇を固めます。」カメオ出演でも何でも良いから名の知れた人を並べると安心して出資するスポンサーがいます。これで大失敗している例が実写版デビルマン。ボブ・サップとか小林幸子とか…。
何で出演者しか決まっていない詐欺のような状態でも資金が集められるか。要するに出資者が作品を理解していない。理解出来ない訳ですね。
無論、出資会社の直接の現場担当者には理解出来る人がほとんどでしょう。ですが最終的に出資を決めるのは偉い肩書きの人達とか映画出資とは関係の無い金融関係の部署の人達。
出資会社の現場担当者も映画会社や製作会社も説得するにはタレントのブランド力に頼らざる得ません。
ここで初めて観客動員数が出てきます。名の知れたタレントが出てれば客は集まるだろう。客が集まれば資金は回収出来るだろう。もっと名の知れたタレントが出れば更に客が集まり利益回収出来るだろう。
そしてジブリに戻りますが、専業の声優をスポンサーにプレゼンしても上記のような決定権を持つ人達は理解出来無いんですね。
タレントをキャスティングするようになってからのラインナップを思い返して下さい。無知なオジサンでも知っていそうなタレントさんか新人だけでしょ?
ここまでで資金調達と観客動員と出てきましたが、更にもう一つ。これも結果としては観客動員に繋がるんですが、プロモーションに使えるんです。
ジブリ以前の宮崎作品であるカリオストロの城とかナウシカのプロモーションをやったとして
声優のしまもとすみ(済みません字を忘れました)が顔出しでテレビに出たって、説明が無ければ誰だか分かるのは彼女を知っている人だけでしょ?
でも宮崎息子作品のゲド戦記のプロモーションならゲド戦記を知らなくても菅原文太が出れば知っている人が多い訳です。まあ、菅原文太はプロモーションまで関わったのかは私は知りませんけどね。
という事で私は鈴木敏夫さんは嫌いですが、彼も苦労しているんですね。
お礼
ありがとうございます