医師法をみていきましょう。
1条 医師の任務
医療と保健指導を司ることによって、公衆衛生の向上と増進に寄与し、国民の健康的な生活を確保する。
そして17条から24条の2までが医師の業務を定めています。
医師の業務
1.療養指導義務
2.応召義務
3.診断書の交付義務
4.無診療治療の禁止
5.処方箋の交付義務
6.異状死体、異状死胎の届出義務
7.医師の現状届
8.診療録の記載及び保存義務
守秘義務を規定する刑法など、医師法以外の法律にも、医師の義務を規定するものがある。
ですから医者のメインはあくまで療養指導業務ですから、医師国家試験で毎年わずかに出題される
健康保険法などは、おおまかな概略のみの内容でしかも選択問題です。
保険者がだれになるのか、保険料の支払に関する大雑把な仕組が分かれば済む問題です。
日常の仕事でも、常識がわかっておれば、何ら医療行為に対しては問題はないのです。
医者は社会保険の内容に熟知する以上に、医療内容についての研究・勉強すべき内容が多いものです。
健康保険の手続き業務といった事務的手続き(医療事務等も含めて)は病院の窓口(どこの病院も
総務課といった所属があるので)に任せておけばよいわけです。
このように携る業務の内容が全く違うわけです。
それに医療の技術進歩は日進月歩でめまぐるしく変わっていきます。
年配の開業医でさえ、最新の設備や医療技術にはついていけないのが医療の世界です。
また医療を学ぶためには外国語にも精通していなければなりません。
ただでさえ本業の勉強が忙しいのに、社会保険や労働保険の内容などは、詳細までは知らなく
ても構わないのです。
また日本社会の現実に目を向けてみても、診療報酬や治療点数から算出される高額な収入=安定した高収入
に比べれば、就業規則の作成や労災の手続き業務といった手間の割に実入りの少ない
社会保険労務士の1号業務~3号業務とは比べるまでもありません。
だから進学高校の優秀層は、偏差値の高い国公立大学医学部を受験するのです。
これらのトップクラスの優秀層は社会保険労務士は目指しません。
それがステータスの違いなのです。
日本で最大の独占業務は医療ですが、もちろん法的にも公正取引委員会の管轄外業務です。
診療報酬も国のお墨付きで定められていますのでね。
談合、談合で摘発される民間企業に比べれば、医療の世界は、それだけ恵まれていて
力の強い世界なのです。
お礼
完結明朗で他の回答者様より、ずば抜けて的を得ている回答でした! まさしくベストアンサー!