59歳男です。とっておきの話。
そろそろ、TVが全世帯に普及するかなあというころでした、S36年ごろ。
僕の生まれた家庭は貧しかった日本の中でもまた相当まずしかったのですが、
僕がTV見たさに隣家の障子戸に指でアナをあけ除いていたのをぶん殴った父が
数日して「TVを買ったぞ」と大きな段ボール箱を持ち帰りました。
当然、僕たちは大喜びします。が、何と出てきたのは組立て前の部品。がっか
りするんだけど、恐い恐い暴力親父でしたから家族全員沈黙。父は翌日1日かけ
組立て、確か日曜日だったのでしょう。番組は藤田まこと主演「てなもんや三度笠」
を見るぞということで、全員正座しました。厳粛な静けさの中、父が咳払いをし
スイッチを入れる。しばらくすると(真空管式なので)画面一面が白く輝く、よし
これからだと見ていると白線一本になり、さらに見ていると中央に輝点1つになり
そして真っ暗に。これがわが家の第一号TVでした。次の年くらいに足つきの市販TV
がわが家にきたのかな。白黒です。
ちなみに、カラーTVは東京オリンピック前だったと思います。相変わらずわが家は
ただの白黒でしたが。オリンピック開会式の日、僕は中1でしたが、朝担任の先生が
教室に来ません。当時の先生たちは恐くすぐ殴られましたが、廊下に出ると他教室も
先生が来ていない。数人でそっと職員室を除くと学校中の先生がカラーTVを前に
開会式の中継を見ていました。今と違いのんびりした時代です。
お礼
ありがとうございました。 録画なんてない時代でしたから、食い入るように見ていた方も多かったようですね。