これまでのご回答はもちろん正しいものですが、すこし整理してお答えします。
一市民、あるいは一市民団体が単なる意識調査を目的としてアンケートを対象先に送付すること
はなんら違法なものではありません。
まして公開されている社名、所在地であれば送付先に選んでもまったく問題はありません。ただ、
アンケートは統計を取るための手段であるはずです。であれば、単にインターネット上に公開さ
れている企業だけを取り上げて送付先とするなら、それから得られた結果はおそらく偏ったもの
になろうかと危惧します。ご当地にはHPを持たない企業も数多く存在することでしょうが、そ
れらに対してはどのようにお考えなのでしょうか。
ただ、ある特定の事象、たとえば市政の不合理、あるいは不正、特定の部署や職員の違法行為、
こうした具体的な事情を文面に書き込む意図がおありでしたら注意を要します。なぜなら、もし、
書き込んだ事例が事実と反した場合には、文中に指摘された当事者から事実無根として厳しい抗
議を受け、多くは故なき誹謗中傷であるとして訴訟に持ち込まれ、はては高額の賠償金を請求さ
れるといったことにもなりかねないからです。
もし、このような事例を書き込んで、その是非を問うような内容のアンケートでああるなら、相
手方の抗議や提訴に対して十分に勝ち抜けるだけの論拠や証拠を持っている必要があります。
さらに、どういった企業(業者?)、のどの部署あてにアンケートを送付するか、これは大切な
問題です。同じ企業であっても、関係部署や広報室宛てに送られたアンケートであれば、一応は
検討の俎上にも登る可能性があるでしょうが、営業などお門違いの部署当てだとか、あるいは部
署名の書かれていない送付物などは、多くはそのままくずかご行きになる可能性が高いものです。
(注:業者という言葉は元々偉そうな役人たちが使い始めた民間企業をやや下に見た表現、一市
民が使うのはあまり感心できません)
また、昨今では巧妙な犯罪が横行している関係から、個人、企業ともに、突然送られてきた得体
のしれない文書にはこと神経を尖らせているものです。ことにアンケートなどは、受け取った側
にはほとんどメリットがありませんから、多くはそのまま握りつぶされやすいものです。
とはいうものの、それでもなお、少数ながら丁寧に回答を寄せてくれる個人や企業はあるもので
す。こうした善意の協力を得てはじめてアンケートが調査の手段として成り立ち、集計もできる
わけですが、ならば、送付数に対して何パーセントの回答をもって結論とするか、これはとても
難しい統計学的な問題と言わざるを得ません。
そうした性格を持つアンケートですから、多くの回答があってはじめてひとつの結論が得られる
はずのもの、少しでも多くの善意と協力を仰ぐためにも、アンケートを送付した個人や市民団体
の性格や組織のあり方、真面目さ、そして調査の目的、これらをしっかりした文体で的確に明文
化し、突然のお願いにもかかわらず協力を乞いたいむねを丁寧に書き連ねる、これらは相手方に
対するマナーであり、絶対に欠かせないことでしょう。
なお、アンケートの趣旨や目的にもよりますが、公務員や議員といった公職にある方々からの回
答は得にくいものです。
このご質問は、なかなか意義のあるものだと思います、ですが、ご企画そのものに、まだかなり
甘さが感じ取れます。アンケートを送付するなら、送付する対象をしっかり調査し網羅し、せめ
て業種や規模やその他のファクターごとに分類し、その上で、ファクターごとの結果と比較を目
的とするなど、もっとしっかりした企画が必要かと思います。