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2回目の不活化ポリオワクチンについて
もうすぐ1歳になる子供のことなのですが、 6月にポリオ生ワクチンを飲みました。 そのあとは不活化ワクチンを接種することにしたのですが、 接種する間隔をどれくらいあけるのがベストなのか知りたくて。 1回目:生ワクチン(今年6月接種済み) 2回目:10月12日接種予定 3回目: 4回目: 3回目と4回目の理想的な日程を教えてもらえないでしょうか?
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- afpid
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ワクチンの接種間隔で何がベストかということを考える場合、いくつかの視点があります。 1)安全性 2)有効性 3)経済性(費用) 4)お子さんやご家族のストレスや利便性など社会的メリット・デメリット 医療現場では、これらの要素を総合していくつかベストと思われる方法を提示して患者さんに選択していただきます。 今回は、1)3)4)は考慮せず、2)の有効性についてのご質問かと存じますので、その観点から・・・。 ポリオワクチンの接種に関する国際的な考え方は、「生」「不活化」何れでも良いので合計4回以上接種して、最終接種が4歳以降であること。ただし、3回目が4歳以降であれば4回目は省略してもよい、というものです。 この条件が満たされていれば、将来の海外留学時などでも(ほとんどの場合)ワクチンは「有効」とみなされるでしょう。(日本人は2回接種なので、ほぼ全員が「無効」とみなされ、1~2回以上の追加接種を求められます。) ただし、最終接種が4歳以降であっても「生」「不活化」「不活化」や「生」「生」「不活化」のように「生」と「不活化」を両方取り入れた接種方法は「生」だけ3回接種した場合や「不活化」だけ3回接種した場合に比べて効果が劣ることがわかっています。 (その理由は、「不活化」では3種類あるポリオに対する抗体が3種類同時に上昇するのですが、「生」ではポリオ2型、1型、3型の順に一つづつ抗体がついていく人が多いという特徴の違いがあるためです。) 従って「生」「不活化」の順で接種した場合はどちらかをあと2回以上接種し合計4回以上接種にしたうえで、最終接種が4歳以降になるようにするよいでしょう。 また、「不活化」の効果を最大にするには、最初の2回の「不活化」を4~8週間隔(8週間隔がより望ましいが4週でも十分)で接種すると効果が高いこともわかっております。 以上から、お子さんの3回目の接種は10月12日から4~8週あけて3回目、4歳以降に4回目をお勧めいたします。4回目はお子さんが生ワクチンに関連する麻痺に罹患する可能性はほぼありませんので、「生」でも「不活化」でもどちらでも良いと思いますが、そのころには「生」ワクチンは法定接種ではないかもしれません。 あと、上記の接種方法は一般的に推奨される接種法ではありますが、実は2~3歳のころにポリオ1型と3型の抗体が低下するお子さんがおられます。(「生」1回目で2型の抗体がついても1回では1型と3型の抗体がつかないお子さんが多数おられますので、そのあと「不活化」2回接種しても1型と3型の抗体は1年程度で低下します。4歳の追加接種後は1~3型全てで半永久的に抗体が維持されると思われます。) 昨年までのようにポリオ接種率95%以上の場合は国内流行の可能性はほぼゼロですが、今年は都市部を中心に接種率の低下している地域が多いため、野生株ポリオが国内で流行する危険性が高まっています。 中国、南アジア、アフリカで現在主流になっているのはポリオ1型であり、野生株ポリオが輸入されてきた場合、2歳以降4歳の追加接種の時期まで防御しきれない可能性があります。 ニュースなどで国内の野生株ポリオの流行が報道された場合には、2歳の誕生日にも接種していただき、「生」1回+「不活化」4回の計5回の接種にしていただくことをお勧めいたします。(もっとも、その場合は日本人全員がポリオの緊急追加接種になると思います。) なお「生」で開始せず、「不活化(1)」その4~8週後に「不活化(2)」その6~18か月後に「不活化(3)」と米国式で3回接種したお子さんの場合には、3回接種後は4~6歳ごろまで抗体が維持されますので2歳時の追加は不要であり4~6歳の追加接種を含め合計4回接種で十分だと思います。 複雑な説明で申し訳ありませんが、追加でご質問があれば何でもお聞きください。