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ヘリのローターはどうしてグラグラしているの?
数千円のおもちゃのラジコンへりですが、左右のローターがそれぞれ独立して、回転方向に自由に動くようになっていますよね。 あれはどうしてなのですか?
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ローターの動きの名称について整理します。 1)フラッピング(flapping) ローターが翼端を上下させる動きの事で、2枚組のローターがシーソー の様に一体化したまま互いに上下したり、個別に上下するものがあります。 さらに、専用のヒンジ軸を持つものと、ローター自体の「しなり」が代用 しているものがあります。 実機も模型の場合も、現在はローターを柔軟性のある素材にして後者の 方法を取る方式が一般的です。実機の全金属製ローターの機体では専用の 軸を持っています。この動きが無いとどうなるかというと、前進すると 相対速度が増える方と減る方の揚力差で生ずる「摂動/プリセッション」 によって「機体頭上げ」になって前進出来なくなります。これをローターが 上下に逃げて迎え角を自動調整し、この分の揚力差を減らす様にします。 2)フェザリング(feathering) ローターの翼としての迎え角、つまりピッチを変える動きをこう呼びます。 ローター全部を一斉にピッチ変更するのがコレクティブピッチで、半周ごとに 変更するのがサイクリックピッチです。前者は機体上下の動きに、後者は 前後左右の動きに関係します。 3)ドラッギング(dragging)、リード・ラグ(lead lag) ローターが回転面に対し、進み・遅れする動きの事で、ご質問内容のもの です。ローターは回転中は遠心力で一直線に強固に張られ、動力源による加速 あるいは空気抵抗による減速で僅かに数度前後するだけなので固定する必要が ありません。微妙に曲がって固定するより、むしろ遠心力にまかせていた方が、 きちんと「芯」が出て振動がなくなります。ラジコンでは現在「ドラッグ ボルト」1本だけでローターを止め、それも動く程度にだけ締めつける方法 が主流です。実機では、ラジコン並みに動いたのではローターが互いに衝突 したり機体に当たりかねないのでダンパーで制限する、あるいは完全に固定 してしまう方法が取られます。 ラジコンヘリではこのドラッギングは遠心力・空気抵抗(抗力)・軸加速力 ・ローターグリップ摩擦で決まりますので、一方だけ固定を締め過ぎたり 緩過ぎたりすると飛行中ローターは不規則に「くの字」になるので振動が でます。1m直径以上くらいのローターのラジコンヘリでは「手では動かせる が、簡単にスルスルとは動かない」程度の固定ですが、トイラジコンや室内 ヘリサイズではスカスカと動いてしまう程度でも、ガタさえなければそれで 正常範囲なのです。これを強く固定してしまうと振動が出ます。
お礼
回答ありがとうございました。 大変よく分かりました。