No.1の続きです。どうも説明が不味かったようです。
将棋は自玉より先に相手玉を詰めれば勝ちになるのが原則です。これを手番と彼我の玉の状態で分類すると以下のようになります。
1.自分の手番、自玉は詰めろ、敵玉は詰めろ=敵玉を詰ませて勝ち
2.自分の手番、自玉は詰めろでない、敵玉は詰めろでない=敵玉に必至をかければ勝ち
3.自分の手番、自玉は必至、敵玉は詰めろでない=次に相手の手番で自玉を詰まされて負け
4.相手の手番、自玉は詰めろ、敵玉は詰めろ=自玉を詰まされて負け
5.相手の手番、自玉は詰めろでない、敵玉は詰めろでない=自玉に必至を掛けられれば負け
6.相手の手盤、自玉は詰めろでない、敵玉は必至=次に自分の手番で敵玉を詰ませて勝ち
さて、ここで2=6、3=5であることに気づいてもらえただろうか。
2=6を言い換えると、自分の手番で自玉が詰めろでないなら、敵玉に必至をかけて相手に手番を渡しても、次に自分の手番で敵玉を詰ませて勝ちになるということなのです。
ただし敵玉に必至をかけても、それが自玉に詰めろをかけることになるのなら、それは4.と同じで逆に負けになってしまいます。
ここでZという概念が意味を持ちます。Zは敵玉に必至をかけても自玉の状態が変化しないことなのです。
言い換えると、2の状態で敵玉に必至を掛けた時の相手の手番の局面が必ず6の状態になることが保証されている局面を自玉がZであると表現することができるのです。
敵玉に必至をかけることが同時に自玉に詰めろをかけることになってしまう可能性がある場合は自玉はZではないのです。
実戦では、敵玉に必至をかけて勝ちになったつもりでも、それが自玉に詰めろをかけることにもなっていて、詰まされて負けることがよくあります。6のつもりで相手に手番を渡したところ、実は4に変化していたという失敗です。この場合は自玉はZでは無かったのです。
もう少しくだけて表現すると、前だけを見て後ろを見なくて良い自玉の状態をZというのです。逆に言えば、自玉がZでないなら後ろを見ながら前を見る必要があるということになります。
これを理解するためには、一手違いの際どい終盤戦の経験を積み、ある程度の棋力を持つ必要があります。そうでない場合は分からなくても仕方が無いと割り切っていただくほかないのです。言葉のやりとりだけで理解しようとするのは無理です。言葉では理解できなくても、実戦経験を積むことで以上のことは感覚的に理解できるようになります。分からなくても気にしないでください。いずれ分かるようになります。棋力が低いうちは、詰めろでない自玉に詰めろをかけて、詰めろの敵玉を詰めろでなくしてしまうといったとんでもないことをお互いにしでかして、どちらもそれに気づいていないといったことが起こります。もし、そういうレベルなのであれば、Zを理解していようといまいと大勢には何も関係ないのです。
これで回答になっていますでしょうか。
お礼
>>敵玉に必至をかけることが同時に自玉に詰めろをかけることになってしまう可能性がある場合 なるほど、ここがポイントなんですかね。 (とはいえ、こちらが必死をかけた瞬間に自玉に詰めろがかかる、という 状態が具体的にどんなものかというのは私の経験量では再現できませんが) でもどういう場面を問題にしているのかということはわかったつもりです。 今回知ったことを意識しながら今後対局して行こうと思います。 ありがとうございました。