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ビデオカメラコーデックについての疑問
- 最新の民生用ビデオカメラはH.264やMPEG2 TSで映像を圧縮していますが、なぜ生データ又は劣化無しのHuffyuvで映像を記録できる代物は存在しないのでしょうか?
- H.264やMPEG2に比べると、Huffyuvは劣化が少ないため、なぜビデオカメラでは採用されていないのか疑問です。
- Huffyuvはデータの圧縮を行わず、生データのまま映像を記録することができますが、記録媒体やコストの問題があるため、ビデオカメラでは使用されていないのかもしれません。
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10 年ほど前にプロ用の非圧縮ビデオ編集機器をプロデュースしていたことがあります。 データ容量は御質問者さんの考える通りなのですが、最も問題となったのがデータの伝送速度です。 ビデオ・カメラは 24fps ではなく 30fps ですので (24fps は映画フィルムに合わせたコマ速度ですので民生用にはないだろうと思います) 1920 ピクセル × 1080 ピクセル × 24bit (RGB カラー) × 30Fps (fps はフィールド、Fps はフレーム) =1492992000bit、1492992000bit ÷ 8 bit/Byte ÷ 1024 ÷ 1024=約 178MB/s の伝送速度が必要となり、3.5 インチ 2TB HDD 2 台を用いた RAID-0 でも 178MB/s の伝送速度を保証できるものではありません。 ビデオ・ファイルは 001、002、003・・・といった連番のファイル名が付加されるのですが、ビデオ・データは 178MB/s で伝送されると言っても HDD は 178MB/s のビデオ・データに加えて 001、002、003・・・といったファイル名とそのファイルの位置情報を読み書きしなければなりませんので実際には 200MB/s 級の速度がデータ保管全領域で保証されなければなりません。 Apple Macintosh 系の HFS ならば HDD をパーティションで区切って、最も高速の外周側だけを使うといった手法を採ることによって少ない台数の HDD でも高速のデータ伝送環境を構築できたのですが、Windows 系の NTFS ではデータの書き込み位置を HDD 再外周に指定できないことから多数の HDD を RAID-0 で繋げないと速度を保証できなかったり、ファイルの位置情報に 32bit アドレスを使い切ると 64bit アドレスに変更する際に既に使用した 32bit アドレス情報を一斉に 64bit アドレス情報に書き換える処理を始めることから急激に負荷が増大してデータ伝送速度を維持できなくなったりする問題があって「他の環境との整合性を維持するために Windows 系でシステムを構築し欲しい」という要望には惨々苦労させられたものです。 現在は SSD を RAID させることによって Disk そのもののデータ伝送速度は比較的簡単に保証できるようになりましたが OS の FMS (ファイル・マネージメント・システム) に起因する問題は払拭できませんので、NTFS と似たような FMS を採る OS を使う限りは 178MB/s の伝送速度を保証することは難しいだろうと思います。 ちなみにビデオ編集では 2 つのビデオ・トラックを同時に再生して合成などのエフェクトをかけ、それを別のビデオ・トラックに書き出すという処理を行うとすれば 178MB/s × 3 =534MB/s の伝送速度を保証しなければなりません。 プロ用は Y/Cb/Cr 4/4/0 の民生用ビデオ・カメラと違って 4/4/2 や 4/4/4 で記録することから非長とされるデータ伝送速度はもっと高速になるのですが、民生用にしても「データ容量なら余裕で対応できてもデータ伝送速度を保証するのは容易ではない」のが現実です。 10 年前は 1920×1080 ピクセル対応非圧縮ビデオ編集システムの値段が 1 億円近くしていたもので、最新の民生用 PC パーツを組み合わせることで 720×480 ピクセル非圧縮ビデオ編集システムの値段である 1 千万円弱にするための努力をしていたのですが、10 年と同じ性能を得られるハードウェアの値段が 1/10 になったとしてもハード・ソフトを合わせたシステム価格は 100 万円近くかかることでしょうね。・・・ちなみに 10 年前までは 720×480 ピクセルの Apple Macintosh 非圧縮ビデオ編集機である Avid のシステムでも 8 HDD RAID で、Windows 2000 でポータブル・ビデオ編集システムを作らなければならなかった私も 15000rpm 4 HDD RAID で作っていて熱対策と振動対策が大変でした(笑)。 編集システムほどの性能を要さないカメラにしてもライセンスの都合上 Apple の HFS+ FMS は使えませんから現在でもフリーの UNIX 系リアル・タイム OS を使わざるを得ず、NTFS みたいな問題を生じずに 200MB/s 級の伝送速度を保証できる SSD RAIO を組むのは容易ではないだろうと思いますよ。・・・どんな FMS を使うかはまあ企業機密なんでしょうけれど、私は NTFS 系だけは使いたくないですね(笑)。 東芝が救済した池上通信機と Apple 社が手を組んで KODAC も巻き込んでロンドン・オリンピック向けにシネマ・ビデオ・カメラとその編集システムを開発をするとでも言い出せば凄いことになるかも知れませんが(笑)・・・。 >H.264やMPEG2だと生データと比べると強烈に劣化するとおもうのですが。 JPEG 6:1 圧縮から差分圧縮する DVD-Video の MPEG2 やその差分圧縮部分をレイヤー化しただけの H264 ではまあそうなのですが、H264 (MPEG4 Part 10 Advanced Video Coding) のオリジナルである MPEG4 では JPEG の代わりに Wavelet を使うオプションがあり、20:1 圧縮でも JPEG 6:1 圧縮と同等以上の画質を得られる Wavelet による初期圧縮を行えるのであれば大分話は違ってくるでしょうね。 ただし Wavelet 圧縮はデジタル・シネマと医療用 (断層解析機など) ぐらいにしか普及しておらず、PC では静止画圧縮 CODEC の 1 つとして JPEG2000 の名で用いられています・・・Macintosh は OSX10.4 発表の基調講演時に Wavelet とよく似た名前のビデオ CODEC を発表していた記憶があるのですが、あれはどうなったのか・・・。 Wavelet も 10 年余り前にデジタル・シネマ送り出しサーバー・システムに採用して作っていたのですが、S/N 比 60dB (RGB 計 30bit 非圧縮相当、ちなみに民生用は RGB 計 24bit ですので 48dB が理論限界) のデジタル・シネマ画像を維持させても 4:1 から 7:1 圧縮できましたし、400 インチのスクリーンに映し出してもベタ塗りの多いアニメ・ソースなら非圧縮と区別がつきませんでしたね。 御質問者さんが Mac User ならば Mac 用 Wavelet 圧縮ソフトがフリーで手に入るでしょうから遊んでみてください(^_^)/。 もう 1 つプロ情報を(笑)・・・ 非圧縮であろうと Y/Cb/Cr 4/0/0 インターレース・カメラではエッジ部が荒れて見えるものですよ。 素人でも注意すべきポイントを教えればインターレースとプログレッシブの画質の違いを直ぐに見分けられるものですし、プロが編集時に静止させた画像を見れば 4/0/0 と 4/4/4 の違いも見分けてしまいます。 ですので Y/Cb/Cr 4/4/4 プログレッシブ・データを生成できる CG を扱うのでもなければ H264 での画質劣化を気にする必要は殆どないだろうと思います・・・さすがに 720×480 ピクセル Y/Cb/Cr 4/0/0 インターレース映像を 2Mbps まで圧縮することもある DVD-video の MPEG2 は電線や白波がジリジリするので正視するに耐えない時がありますが(汗)・・・。
その他の回答 (1)
1TBのハードディスク搭載したらせっかくの小さいカメラが重たくなりますね それと撮影データコピーして保存する場合に同じだけの容量が必要ですね で、最終的にDVDかなんかで見る訳ですよね そこまでの物一般の人は求めてないです >RAIDを組んだHDDか容量でかめのSSDをビデオカメラに組み込むか、生データをHDMIで出力してpcのHDMIキャプチャーボードにつなげるようにすれば余裕で対応できると思うのですが。 そんな事してどうやって旅行に使うのさ 使用用途が違うでしょ
お礼
やっぱり一般の人はそこまで求めてないですか ありがとうございます
お礼
全く知らなかった情報を山ほど知ることができ、大変参考に なりました。ありがとうございます