金属軸受けと軸の隙間(高温時)
高温炉(350℃)を通るローラーチェインの設計を行っております。
下記の条件のローラーチェインにおいて、通常、常温時の金属軸受けと軸との隙間を設定し、350℃時には、軸受け材と軸材との線膨張係数の差だけ隙間が変化すると考え、350℃時でも隙間ができるように設計しております。
しかしながら、先般、客先のローラーチェインに詳しい方より、「350℃時には、軸は熱膨張で大きくなる、軸受けの内径は熱膨張分だけ縮む」から小職の設計では駄目だとの指摘を受けました。
実際にそのようなこと(軸受けの内径が熱により縮む)はあるのでしょうか。
元々チェイン会社の設計におられた方らしく、無闇に反論することもできず困っております。
仕様
金属軸受け材質:SUS440C(SUS304のリンクプレートに圧入)
金属軸受け内径(常温):15.03-15.08mm(リンクプレート圧入後寸法)
軸材質:SUS420J2
軸外径(常温):14.9-14.95mm
リンクプレート穴径:22mm
常温時隙間:0.08-0.18mm
温度条件:350℃(機械全体が炉の中を走行するため、軸受け/軸に温度差なし)
また、客先の方の見解は以下の通りです。
常温時隙間=必要最小隙間+軸受け内径縮小分+軸外径膨張分
リンクプレート穴の縮小分×0.6
ここで、
穴の縮小分=穴径×線膨張係数×温度変化分
長々と書きましたが、よろしくお願いします。