人間の醜さ、美しさ、弱さ、強さ、人を信じる心、人を裏切る心理…そんな様々な人間の内面を、圧倒的な迫力で描いた梅図かずお氏の「漂流教室」が人生のバイブルです。
あらすじとしては、突然崩壊した未来に小学校ごとタイムスリップしてしまった子供たちが、「生き延びる」ために様々な困難に立ち向かう姿を描いています。
同じような設定で、核の冬の中で必死に生き延びようとする小学生達のすがたを描いた「飛ぶ教室」という作品が少年ジャンプで連載されていましたが、あの作品は「困難」の描写が弱かったですね。あれは、「必然としておこるであろう」と予想される困難に立ち向かっている姿なのですが、「漂流教室」はそうではありません。むしろ、極限状態のなかで「人間」が起こす、突発的かつ自発的そして常軌を逸した行動そのものが最大の困難を生み出しているのです。
ラストは決してハッピーエンドとはいえません。まだ悲壮感がただよう状態にありながら自らの使命を自覚し大きな決意をするといった結末ながらも、成長したキャラクターたちに対する期待から後味は決して悪いものではありません。
ちなみに愛蔵版も販売されていますが、読み始めたらとても止まりませんので時間に余裕のあるときに、大きめのマンガ喫茶にいって読破されることをお勧めします。
私はどうしてもコミックス版が欲しくて、八方手を尽くし知人のつてで5000円出してそろえましたが…
あ、それと映画版が二つありますが無視して下さい。あれは最低です