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国が領土を主張する際に必要事項はなんせすか
北方領土をはじめ、尖閣諸島や竹島等が次々侵略されていますが、領土を主張する際の国際法ってないんですか? 一方的に軍隊を送り込んで主張したら領土になるんですか
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条約も国際法の一種です。 終戦後の日本領の範囲について定めているサンフランシスコ条約も国際法です。 日本はサ条約で尖閣諸島や竹島を放棄していません。よってこれらは紛れもなく日本領です。これに対して、北方領土は少々複雑です。 まず、多くの国が正式には南樺太・千島列島(択捉・国後を含む)・色丹・歯舞のロシアによる領有を認めていません。 サ条約第25条でロシアによる南樺太・千島列島(択捉・国後を含む)・色丹・歯舞の領有は明確に否定されています。 第25条 「この条約の適用上、連合国とは、…当該国がこの条約に署名し且つこれを批准したことを条件とする。…この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国に対しても、いかなる権利、権原又は利益も与えるものではない。また、日本国のいかなる権利、権原及び利益も、この条約のいかなる規定によっても前記のとおり定義された連合国の一国でない国のために減損され、又は害されるものとみなしてはならない」 ソ連(ロシア)は連合国の一員として太平洋戦争に参加していますが、サ条約に署名していないのでサ条約上の連合国ではありません。この条文の存在により、サ条約を批准した46カ国は、ソ連(ロシア)による南樺太・千島列島(国後、択捉を含む)・色丹・歯舞の領有を正式には認めていません。 1952年3月20日にアメリカ合衆国上院は、「南樺太及びこれに近接する島々、千島列島、色丹島、歯舞群島及びその他の領土、権利、権益をソビエト連邦の利益のためにサンフランシスコ講和条約を曲解し、これらの権利、権限及び権益をソビエト連邦に引き渡すことをこの条約は含んでいない」とする決議を行っています。 2005年7月に欧州連合(EU)の欧州議会で北方領土を日本に返還するようロシアに促す決議案が採択されています。 ロシアは日本に対し「サ条約第2条cにより日本の放棄した南樺太・千島列島はロシアのものだ」などと主張しています。 ロシアがサ条約の条文を用いて、サ条約の有効性を認めるとすれば、この条約に存在する別の条文(第25条)もロシアは有効と認めたこととなります。ということは、ロシア自身がロシアによる南樺太・千島列島(国後島・択捉島を含む)・色丹・歯舞の領有を否定することを宣言したこととなります。 しかし、実際にはロシアは、南樺太・千島列島・色丹島・歯舞群島を国際法上何の根拠もなく、サ条約第25条に違反しながら、これらの地域の占拠を続けています。 ロシアは自分にとって都合のいいことしか言わないのです。 ただし、今の日本政府は四島返還論を主張していますが、四島返還論自体が「国後・択捉は千島列島にあらず」などという嘘が混ざっているので、ロシアから簡単に反論されてしまいます。 日本には千島列島に含まれる国後・択捉を領有する権利は法的にないにしても、歴史的いきさつから判断すれば、国後・択捉を領有する権利はあります。よって、返還を求める権利も存在します。千島列島に含まれない色丹・歯舞は法的にも歴史的にも日本に領有する権利は存在します。反面、ロシアには国後・択捉・色丹・歯舞を領有する権利は、法的にも歴史的にも全く存在しません。 ロシアは国連憲章第107条、サ条約第2条c、ヤルタ協定、scapin677などを根拠として主張しています。しかし、ロシアは国連憲章107条を曲解し、サ条約については第25条を無視しています。また、ヤルタ協定は正式な条約とよべるようなものではなく、単なる密約であり、アメリカはそんなものは無効だとの立場ですし、scapin677は終戦後のアメリカ軍の占領範囲示したものに過ぎず、日本領の範囲を定めたものではありません。 樺太・千島列島の歴史についてですが、江戸時代前半にはすでに日本においてはこれらすべて日本領として認識されており、その後にロシア人が入ってきたという経緯があります。その証拠に1644年に幕府が作成した地図が現存します。アイヌは統一した国を成立させていませんでした。松前藩や江戸幕府が直接支配していたのではなく、複数の部族の酋長などを従属させる形のいわば日本領アイヌ自治区的な存在で支配していました。江戸時代は鎖国の時代です。当時、外国との交易は長崎出島に限られていました。江戸時代にアイヌとの交易が出島で行われていなかったということは、幕府はアイヌとの交易を外国とのそれとして認識していなかった証拠です。1798年以降、幕府は北方四島を含む東蝦夷地のアイヌ人の宗門人別改帳が作成され、1807年以降、幕府は樺太を含む西蝦夷地のアイヌ人の宗門人別改帳が作成されるようになります。宗門人別改帳は現在の戸籍帳にあたり、幕府が北方四島や樺太(特にアイヌの住む南部地域)を支配していたのは、ゆるぎない事実です。
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- nacam
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領土を主張する際の国際法としては、条約があります。 日本の場合、サンフランシスコ条約が基本になっています。 条約での記載が無い場合、実効支配の有無が基準になります。 尖閣諸島は、アメリカの実効支配地域から日本に返還されたものですから、日本の実効支配地域となり、日本の領有が主張できます。 竹島の場合、条約などはなく、日韓の分離を定めたサンフランシスコ条約にも記載がありません。 そのため、日韓で先に実効支配した側の所領となります。 韓国側が、日本に先駆けて領有を宣言し、実効支配したものですから、韓国領となります。 北方領土のうち、サハリン、国後、択捉は、日本がサンフランシスコ条約で明確に放棄した領土ですから、日本には領有を主張する権限はありません。 ソ連がサンフランシスコ条約に参加していないとかを理由に、サンフランシスコ条約の連合国にあたらないので、日本領などとトボケタ事を言っている人がいますが、日本が国際公約として領土の放棄を謳っているので、日本には領有権を主張することはできません。 日本が放棄した領土は、サンフランシスコ条約の締結国であるアメリカが、ソ連との協定であるヤルタ協定により引き渡したものですから、ソ連が直接サンフランシスコ条約に調印していなくても、ヤルタ協定が有効としている以上、日本側が口を出す権限は皆無です。 歯舞、色丹は、日ソ共同宣言で、平和条約締結後に日本に返還することになっていた領土です。 つまり、平和条約が締結されるまでは、ソ連(ロシア)の領土ということを日本政府が認めているということです。 ですから、現状ロシア領土であり、平和条約を締結しない以上、日本に領土請求権は発生しないことになります。
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回答ありがとうございました 参考になりました
まずは、 ●土地台帳の記録 ●所有者からの納税の事実 でしょう。尖閣諸島は、鰹節製造会社の納税の事実があります。沖の鳥島、南鳥島は東京都の住所があります。北方領土は、旧ソ連の占領が続いていますが、国際法上は「占領」であり、所有権は旧島民の国籍たる日本国にあります。千島列島は、米国に接収されていると考えるべきです。 ただし、島は岩礁では国際的には認められません。(よって、沖の鳥島は、日本国の所有権は極めて脆弱です。)
お礼
参考になりました ありがとうございます
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大変参考になりました。 ありがとうございました。