今から5年ほど前、ジェイコムが新規上場した際、みずほ証券の担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤ってコンピュータに入力したことが発端となって発生した誤発注事件がありました。
この注文が出る直前までは、90万円前後に寄り付く気配の特買いでしたが、大量の売り注文を受けて初値67.2万円。その後、通常ではありえない大量の売り注文により株価は急落し、9時30分にはストップ安57.2万円に。その後、みずほ証券が反対売買により買い戻そうとしたため、株価は一気に上昇し、ストップ高77.2万円に張り付き、結局96,236株が約定しました。
そもそもジェイコムの発行済み株式数は14,500株なので、現物の引渡しができないことから、日本証券クリアリング機構は現金による強制決済による解け合い処理と裁定し、すでに買われた株は、事件発生直前に寄りつきつつあった価格を参考に一株91.2万円での買戻しとなりました。
投資家B・N・Fは、7,100株を取得、同日中に市場で1,100株を売却、残る6,000株(発行済み株式の41.38%)を現金決済(20億3,500万円)していたことが、大量保有報告書で判明。大量保有報告書に職業を「無職」と記載したため、大富豪の無職男としてネット上で話題となり、「ジェイコム男」と呼ばれていました。
大量保有報告書からは別の24歳の男性が、3,701株(発行済み株式の25.52%)を取得し、現金決済で約5億6,300万円の利益を得ていたことも判明しています。
ただし、当日、ジェイコム株を7,100株買うには、160万円では到底足りませんからB・N・F氏はこの事件時点ですでに数十億円以上の投資資金を運用していたことになります。
本人のプロフィールでは2000年10月に164万円の資金で株式投資を開始し、ジェイコム事件の1年前で約11億、事件直後には約80億円、2008年には218億円に達したとのこと。現在でも復数の会社の大株主として名を連ねておられます。
本名は小手川隆さんといいます。
お礼
わかりやすい説明ありがとうございます。この説明を見る限りでは160万を短期間で200億は本当ということで理解しやすいです。