>作曲と作詞ってどちらからするものなんですか?
作詞家&作曲家のプロが分業する場合は、作詞が先です。
良いものが出来るのであれば、どちらからでもよいのですが、音楽産業用として作詞家、作曲家がからむ本格的なものは、スケジュールに余裕があれば、すべて作詞が先です。
シンガーソングライターのように、曲も詞も自分で作るのであればどちらでも良いようなものですが、分業の場合は、詞の方が、その歌が何をテーマに歌われるのかが誰が見ても解りやすいというところがあります。悲しい内容、楽しい内容、具体的に何が悲しいのか、何が楽しいのか、ということも詞を読めば分かりますから、その歌詞内容にピッタリのメロディーが作りやすいのです。
この点、メロディーは、詞ほど具体的に訴えたい・言いたいテーマが分かりにくいですから、あとから詞を付けると、作曲家がイメージしたもの、言いたかったこととは程遠い歌詞内容になる場合があります。「初恋の喜び」をイメージして曲を作ったのに、「赤ちゃんが産まれてうれしいな!」みたいな歌詞が付いたり、「亡き母を思う」イメージで作曲されたのに、「失恋の傷心」という歌詞がついたりします。
素人は言いたいことがないのにメロディーを作りますから、適当でよいのですが、プロは、「何を表現したいのか」というところから創作していきますから、「表現したいテーマ」を設定しないと創作のしようがありません。
表現したいテーマをあとの工程の人に誤りなく解ってもらおうとすると、詞がまわってきた作曲家のほうが仕事がしやすいです。
もともとメロディーというのは、その歌詞のBGMであるわけです。
具体的な内容を持った歌詞を、より人の心に訴えるためにメロディーが作られ、歌詞とメロディーを同時に音声にして説得力を増したのが「うた」であるのです。
そのような順序があるので、分業の場合は作詞が先であると言うのが正解です。
ただし、作詞も作曲も同一人物である場合は、訴えたいテーマに誤解やよじれが起きる心配はないので、どちらでもよいとも言えますし、4あるいは8小節単位で曲の構成を自然に作ろうとする場合は、曲を先に作る利もあります。