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「文化」と「政治」について
「政治」が悪ければ悪いほど、「文化」は安定して栄えるのでしょうか? 今現在「政治」が「改革」を唱え、世直しが進んでいますが、 「文化」的には悪い(庶民経済が悪い)ようになるのでしょうか? 是非、教えて下さい。
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個人的な意見でなんの科学的根拠もありませんが、参考になればと回答を試みたいと思います。 >「政治」が悪ければ悪いほど、「文化」は安定して栄えるのでしょうか? 「政治」が悪いことと反比例して、文化が栄えるということはあるかと思います。 というよりも、国家や都市などの一種の文化圏には、栄枯盛衰があるものです。 そして、「良い政治」が行われ、その文化圏が繁栄に向かうほど「文化」は成熟していきます。 でも、繁栄が永遠に続くことはあり得ません。 そうなると、いったん頂点に達した後は下り坂になるものですが、それを食い止めるのは「政治」の仕事です。 しかし、人間そう簡単に変われないもので、なかなか改革は進まないのが人情です。 逆に、急激な改革もまたすべての人が対応できないので衰退の道を食い止めることはなかなか難しいといえます。 また、「下り坂になっている」ということに気づける人間なんてそう多くはいません。 さらに「政治」と共に繁栄してきた「文化」が立派であればあるほど、人々はその立派さに惑わされて未だ「我々は大丈夫だ」と思いこみ、衰退の兆しに気付くことも難しいです。 つまり、満開に花を咲かせた桜も、実は幹が腐ってるなんてことが多いのです。 ルネサンス期、イタリアはフィレンツェが花の都として文化の中心として栄えました。 12世紀後半から徐々に始まり、15世紀末には政治的にピークを迎えました。 その象徴のような為政者に、ロレンツォ・メディチという人がいました。 彼はパトロンとして多くの文化人を支援し、それに答えてフィレンツェも花の都となるほど文化が栄えました。 しかし、彼が亡くなると内乱やらフランス軍のイタリア侵入やら、内患外患によって衰退の一途を辿ることとなります。 実は、この衰退はロレンツォ・メディチの時代から始まっていたと指摘する説も多くあります。 また、別の例では水の都ヴェネチアが上げられるかと思います。 東地中海の交易を一手に担い、政治的・経済的に繁栄していたヴェネチアも、文化的な繁栄は、経済の中心は大西洋に移り、政治的にもナポレオンによって共和国を解体された17世紀頃です。 かつての海の女王も、「観光の町」と成り下がったにも拘わらず、「文化的」には栄えていました。 まるで厚化粧で隠すように、政治面ではボロボロだったわけです。 とまぁ、これらの例が示すように、「文化」は「政治」と共に育ちます。 しかし、衰退するのは「政治」が先であり、「文化」が衰退し始めた時には、既に手遅れとなってるでしょう。 よく例えられることとして、「国家は一人のガン患者に似ている」というのがあります。 早期に発見でき適切な治療をすれば治せるが、発見することが難しい。 症状が自覚できるようになると、もはや手遅れになりやすく治療することが難しい。 >今現在「政治」が「改革」を唱え、世直しが進んでいますが、 >「文化」的には悪い(庶民経済が悪い)ようになるのでしょうか? これは、ひとえに「適切な診断」をして「適切な処置」が行えるかでしょうね。 それに成功すれば、病の完治もできるでしょうし、少なくとも病気の進行を抑えること位はできますね。 今の日本は、この段階に来ていると思いますよ。 経済も中国に抜かれ3位となり、国債などの信用度も下がる一方です。 これ以上ほっといたら、末期ガンとなり手遅れとなるでしょうね。(既になってるかも…) ではでは、まとまりのない文章で申し訳ないですが、参考になれば幸いです。
お礼
非常に教養に満ちたご回答 有難うございました。