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いつから350dpiが印刷の基準になったんですか。

写真を雑誌などに印刷するばあい、解像度350dpiというのが基準になっているようですが いつからこれが基準になったのでしょうか。 また、350dpiが基準となる以前の写真印刷はどのようなものだったのでしょうか。

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回答No.1

こんにちは。 グラフィックデザイナーです。 >いつからこれが基準になったのでしょうか。 パーソナルコンピュータで製版データを直接生成することができるようになった頃から、かな。 それ以前は、ポジフィルムや銀塩プリントをドラムスキャナーで網点分解してCMYKの各版用のフィルムを作り、それを製版用フィルムに貼りこんで、刷版に焼き込んでいました。アナログ・手作業で製版していたわけです。 350dpi必要というのは、印刷する際に、1インチ内に175本の線が入る精度の印刷、つまり175線の印刷の際に必要なデータ解像度です。(これは175dpiと同じことだと思ってください。現場によって書き方が違う。) 175線の印刷に350dpi必要な理由ですが、網点1つをのサイズを決定するためには、(厳密には)隣り合う4つのピクセルから演算する必要があるから、という説明をどこかで聞きました。もう十数年前のお話です。 一般的なオフセット印刷が175線で印刷されていますので、これが基準として捉えられています。 ポスターなどは150線とか133線という精度で印刷されていますので、300dpiとか266dpiのデータで良かったりします。 新聞ならカラーは100線、モノクロは65線用のデータをください、と言われてきました。 (最近は精度が変わってきているので厳密にこうだと言いきれなくなってきてますね。印刷技術の向上による影響が高いです。) 本などのように人の目に近いところで見られる印刷は、175線で印刷されていることが多いです。 これは「仕上がりの美しさ」と「コスト」を天秤にかけて導き出されてきた印刷精度だと思ってください。(250線以上の高精細印刷もあったりしますが、コストと仕上がりで線数を決めることになります。) 「コスト」の部分には、用紙との相性や、印刷インクの流れ方、目詰まり、汚れ、カスレといった印刷ロスなども含まれています。高精細になればなるほど印刷は手間がかかるし気を遣うのですね。 新聞などは質の悪い安価な紙に超高速で大量に印刷するため、にじみ、ツブレ、紙への吸い込みによる色変化などが酷いので目を粗くする必要があり、65線だったんです。(近年はもっと精度が高いです。) というわけで350dpiが基準なのは、もともと雑誌などの印刷が175線という精度で作られていたから、ということになります。 当たり前の事ですが、一気にデジタルへ移行したわけではなく、10~20年くらいかけてシフトしてきました。 でもそれ以前の、数十年かけて成長してきた業界の基準があります。いかにデジタルが普及したとはいえ、一気に変わるわけもなく、残るものは残った。 その基準の一つが印刷線数だったということではないでしょうか。

noname#163492
質問者

お礼

大変丁寧かつわかりやすい回答をいただき、感激しています。 もう随分前ですが雑誌に写真を載せていただいたことがあります。 ネガや四つ切プリントから印刷していただきました。 最近、雑誌制作会社の方が私のブログを見て、写真を使いたいと言ってくださって データを送りました。 今は1000万画素のデジカメを使っていますが、昔ネガで撮影したものをフォトCDに焼いたものだったので7cm×9cmほどの大きさにしかならないということでした。 また、自分で撮影した写真を販売できるサイトに登録したんですが 1000万画素ではサイズがSまたはMにしかならないんですね。Lサイズにはならない。 1000万画素のデジカメは5年ほど前に購入したものなのに もう今の印刷技術には適合しなくなってしまっているんですね~ 仕方ないんで、ボディだけ買い換えようか、と思っています。 350dpiが必要なのは、一般的なオフセット印刷が175線で印刷されているからなんですね。 もう、現在ではネガから印刷するということはなくなってしまったのでしょうか。 また、解像度を下げることは可能なんでしょうか。 追加質問になるので、とりあえず締めて新しい質問をたてることにします。 回答、ありがとうございました。 とても勉強になり、感謝しています。

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