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ガスタービンとガスエンジンの違い
最近、バイオマスを使ったガス化発電に興味を持っています。いろいろ文献を読むと、日本には高性能のガスタービンやガスエンジンがないと書いてありました。ヨーロッパのほうがずっと進んでいるとのことです。 ところが、ガスエンジンとガスタービンの違いが、文科系の私には良くわかりません。 仕組みなどベーシックなところをお教え願えると助かります。また、日本の技術がどの程度なのか、外国ではどこのどのようなものが進んでいるといわれているのかもわかれば最高です。
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分かりやすいよう極力平易に話を進めますから、所々極論しちゃって専門的にはおかしな解説にもなりますから、専門の人との会話に使うときは気を付けてくださいませ。 □ まず原理と構造。 ガスエンジンは「シリンダー内部で燃料の爆発(膨張)を発生させ、その圧力でピストンを往復動させ、その往復動を回転エネルギーに変える」という部分は、良く目にするガソリンエンジンと全く同じですが、燃料が最初から気体であるガスを用いますから、気化器(液体を空気に噴霧して気化状態にする)が不要になります。 つまり、「液体燃料でなく、最初から気体(ガス)を用いるエンジン」だからガスエンジンというわけですね。 ガスタービンは「風車状のローター(回転子)に燃焼ガスを吹き付けて回す」という風に、熱から直接回転エネルギーに変換する機構で、簡単な図面では参考URLのようになります。 最初に生まれたタービンは、圧力気体に蒸気を使っていましたが、その後、燃焼ガスを使うタービンが生まれたために「ガスタービン」という名前が生まれました。 ここでのポイントは「ガスエンジンは、熱エネルギーを往復動に一端変換し、そこから回転に再変換する」のに対して、「ガスタービンは熱エネルギーから回転を直接取り出す」という点ですね。 □ 日本と欧米のタービン・エンジンの差について。 どのような文献を読まれたかは、恐らくどなたかが一次文献にアプローチされて、その方の専門知識を通して感想を述べられた物だと思うんですが、こうなると、その方がどのような一次文献にアプローチされたか、どのような専門知識を持って居られたかによって、結論はかなり変わるかも知れません。 (つまり、個々人で結論が変わる可能性があると云うことですね。) で、私が構造図や材質・効率や付帯運用設備から見た範囲では、欧米も日本もそう大差ない様に感じるんですね。 もちろん特許の関係や、各国に所属する企業の主力商品群(大容量か小容量等)の関係もありますから、細かく見ていけば差異は出てきます。 □ 解る範囲での各国の差異です。 [ガスタービン] アメリカは航空機用・軍需用(戦車等)の製造量が多い(それだけ売れている)で、小容量~大容量のラインナップが素晴らしいですし、それに伴って特許関係や販路も充実していますから、他国企業では追従しにくい部分もあります。 そして、一般的に発電用のガスタービンは、これら航空機用と容量が似ている場合が多いですから、バクッっと考えると「ガス化発電用設備の製造ではアメリカ先行」と考えることも出来ます。 代表的なメーカーは、中~大容量ならGE・ウェスティングハウス等、極小容量ならキャプストン(マイクロガスタービンの代表的企業) ヨーロッパですが、トップを走るのはやはり航空機産業が発達している英仏になりますが、一部に独自技術も見られ、アメリカと亀甲する分野も多々あるのですが、販路等の面からラインナップが(アメリカに比較して)豊富でなく、それに伴って若干のハンデは抱えている様子です。 ただし、自動車産業に適用できるほどの極小容量については、むしろアメリカより優位にあるので、この容量を転用できるマイクロガスタービンなどについてはアメリカと同等もしくは心持ちリートとも云えるでしょう。 代表的なメーカーは中~大容量ならロールスロイス、小容量~極小容量ならボーマン。(いずれもイギリス) 日本はアメリカ系の技術を元にして発展しており、船舶用の需要も多かったことから、大容量については世界トップクラスと云えるでしょうし、これらを転用できる発電分野のラインナップでも世界トップクラス。 ただし、極小容量については若干後発のハンデを抱えていますが.....。 この部分総括すると「今の時代だから、各国そうそう差は無いですな」って感じですかね。 (もちろん、厳密に見たら差はありますが、実用段階で問題になるような差では無いような...。) [ガスエンジン] これはもう、各国とも自動車産業に支えられますから、差異は全くないと考えて良いでしょう。 代表的メーカーも各国の自動車メーカーを考えられたらokだと思います。 (日本では、それに加えてヤンマーなどが入ります。) □ バイオマス発電の導入具合。 確かに欧州の方が日本やアメリカより進んでいます。 ただし、これを支える重要な要因に「価値観」がある様子で、一概に技術力という面からでは判断が出来ない感じです。
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- housyasei-usagi
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電力会社が所有するガスタービンの場合,ガスタービン単独は珍しく,蒸気タービンと組み合わせています。 発電用のガスタービンは排気温度が500℃以上あるので,それを捨てるのはもったいない。そこで,廃熱回収ボイラなるもので,蒸気を作って蒸気タービンを回しています。 これをコンバインドサイクル発電(CC発電)と言います。最近は更に燃焼温度を高めたACC発電などもあります。 これらのガスタービンなどは,航空機のガスタービンなどからはるかに大型。羽根の直径など人間の身長を軽く超えます(すいません,手元に詳細データないので・・・でも実際に発電用ガスタービンの羽根(動翼)を見たことありますので。) ちと質問とは外れるようですがご参考というで勘弁願います。
- tnt
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日本が諸外国に劣っていると言う話は 良く出てきますが、その内容は吟味しないとマズイでしょう。 たとえば、タクシーのほとんどはガスエンジンです。 このため、日本中にLPGガススタンドが 整備されています ガスタービンは発電所に沢山あります。そして、 小規模な物は非常用発電機として量産されています。 ディーゼルエンジンよりも小型なのと、 始動が容易だという、大きなメリットがあり、 最近の非常用発電機はガスタービンばかりでしょう。 ガスエンジンは、普通のエンジンの燃料に ガスを使った物で、気化器が要らない変わりに 高い圧縮ができないという欠点があります。 ガスタービンはジェットエンジンのように 燃焼させてその力(圧力)でタービンを まわす物です。 ガスエンジンは普通のエンジンと同様に 利用できますが、取り出せる出力は ちょっと低くなります。 ガスタービンは回転数(=出力)を変えるのが 苦手です。 このため、海外では鉄道機関車にも使われていますが、 日本のように起伏が激しい場所を走る鉄道では 不向きとなります。
- mon-roe
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こんにちは。 どういった文献に書かれていたか分からないので、正解かどうかの自信はあまり無いのですが、多分こういう事だと思います。 ガスタービン(エンジン)は機構的にはジェットエンジンによく似たものだと思います。 たくさんの羽根を持ったタービンを、高速で回転させ空気を圧縮し高温高圧になった所に、燃料となるガスを混合して燃焼させ力を得る。という仕組みではないでしょうか。 ジェットエンジンは灯油などを精製して作るジェット燃料を使用しますが、ガスタービンはガスを燃料とする所が違いだと思います。 ガスエンジンとは、おそらくLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)をガソリンや軽油の代わりに利用した、車等に使われるあのエンジンの事だと思います。 タクシーやバス等は実際にLPGやLNGを燃料に走っていますね。 日本製のエンジンの性能や開発力が欧州に劣っているとはあまり思えませんが、そう書かれる根拠は多分、バイオマスエネルギーの積極利用とか、石油以外の燃料を利用したエンジンの開発について、欧州ほどには真剣に取り組んでいないからではないでしょうか。 日本の機械製品の開発製造能力自体は、例えば自動車などを見てもトップレベルと言えるでしょうから、実用的開発に着手すればいずれ欧州を越えるものを作る事も可能ではないかと思います。