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テレビで見た或るムンクの絵について教えてください
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10c_fruits さん。こんにちは。 見覚えのある作品でしたので、思わず くい入るように読ませて頂きました。o(@.@)o 私もこの番組を見たのです。そして・・・・・ 録画が 残っています。(嬉)ヽ(^▽^*)/ さっそく見返しましたので、記載いたします。 番組は NHK 「アートエンターテインメント 迷宮美術館」 司会 = 段田安則さん、住吉美紀さん その会のテーマは ≪激恋アート≫ 【四つの謎】 ◯この絵の左下の男はムンク自身? ___ はい。ムンク自身です。 ◯女性はムンクの不倫相手? ___ はい。不倫相手のミリーです。 ◯情交直後の後悔を表現している ___ はい。葛藤や後悔だそうです。 ◯女性のモデルは『声/夏の夜』の絵のモデルと同一人物? ___ はい。『声』の女性もミリーです。 【番組内での見解】 『声』と『灰』は、ムンクの初恋の絵画として紹介されました。 彼は 当時の社交界の花形であった3歳年上のミリーに恋心を抱く。 エドワルド・ムンク22歳、ミリー・タウロー25歳のときです。 『声』 「声」という解釈は <自然のざわめき>とも<彼女のささやき声> とも言われています。思い出の夜の一場面を描いた絵。 絵の中の彼女は、目を閉じ顎を上げ、イヤがらずにキスに応えようとしている。 これが、ムンクのファーストキスだったそうです。 後ろの海に映る縦長の光は、二人の間のゆれ動く気持を 水面に揺らめく月の影として表現している。 『灰』 その後の恋の展開を描いた作品。 ムンクとミリーが初めて結ばれた直後を描いた作品。 (何故、喜びではなく後悔なのか?) ムンクは知っていたのです。ミリー・タウローは人妻でした。 彼女はムンク以外にも 何人もの男性と浮き名を流していました。 ムンクはそれを知っていても、彼女に惹かれて付き合っていました。 初めて結ばれたのはいいが、同時に 禁断の恋に足を踏み入れてしまった。 その葛藤や後悔が この作品に表わされている。 絵の中のミリーは、ほどけた髪を結い直そうとしているところ。 その髪がムンクの首筋に伸びている。これは、彼女への断ち切れない恋や、 彼女にとらわれてしまった運命を暗示している。 題の灰は、ムンクが恋を炎に例えていたから。 彼がこの絵について語った文章。 「昔の人が愛を炎に例えたのは正しい。愛は炎と同じように、 山ほどの灰を残すだけだからね。」 あと、boxtreeさんもご提示されている 燃え尽きた木 も番組でとりあげていました。 画面の一番下に、横たわる一本の木。 その木の左端、角から上に立ち昇る煙。 煙をあげて灰に変わった箇所も描かれています。 【私個人の感想】 この番組によると、 『灰』はムンクの苦悩と葛藤を描いた作品でした。 でも、boxtreeさんご意見のように、他の観点もあると思います。 実際に 以前にみた何冊か画集なのですが、同じ画家の同じ作品なのに、 著者とか翻訳家によって、まったく違う 別の表現をしていました。 どのように捉えるかは美術家の自由ということなのでしょうか?? となれば、美術を楽しむ私たちも、 作品を自由に感じ取っていい! ということですよね(笑) 個人的に私は、この二つの作品から 戸惑いや 迷い 心のざわめき などを感じ取りました。 対照的というよりも、恋の過程を描いたつながりのある作品。 初恋特有の無我夢中すぎる心の内、喜びと不安が入り混じる感情。 そのアンバランスさを巧く表現した作品だなって思いました。 本当にムンクの作品はミステリアスな事も多くて魅力ですね。 ちなみに番組内ではこの二つを比べて 声=(始まったばかりの)ぼんやりとした愛 灰=(彼女を理解した上での)逃れられない愛 と表現していました。確かに対照といえば対照なのかも… とても長くなりました。私の感想は余談でした(汗) 最後までお付き合い下さり有難うございます。 なにかのお役に立てましたら幸いです。 .
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- boxtree
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なるほど、NHKの番組だったのですね。 いつか、いつか、番組に関して、 記憶がもっと蘇るかも知れませんよ。 きっと。
お礼
NHKの番組でした! しかし「日曜美術館」かなぁと思って探していたのに 「迷宮美術館」だったらしいのです !! 「灰」の記憶が蘇りました、ハイ !(^^;
- boxtree
- ベストアンサー率40% (8/20)
10cfruitsさん、レスをありがとうございます。 「声」は若い女性の性の目覚めを描いたもので、 一年後に完成された「灰」は愛の死と、 初めと終わりに象徴される双方とても対照的な作品です。 同一人物ということは有り得ます。 また、彼の「マドンナ」シリーズのように、モデルが母親とも疑えます。 失恋で重症のノイローゼに陥るなどを例に、アル中でもあったムンクは 精神問題を沢山抱え、創作を自分の告白とも呼んだ画家だったので、 そのご記憶にある情報が事実である可能性はありますよ。 ただ、「情交直後の後悔を表現している」は多少疑問と。 基本的には、「死」がテーマの作品であり、 情交と後悔とは合致し難い点もありますけどね。 いつか番組名が思い出せると良いですね。 日本番組、それとも海外版ですか?
お礼
ありがとうございます! 日本番組です。NHKのあの番組ではと思い 調べてみたのですがどうもはっきりしません・・・。 その番組でも、「声」と「灰」を対照的な作品として 紹介していたような気がします。 謎が多いところも、ムンク作品をミステリアスに してるのかもしれないと思いました。
- boxtree
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印象に残る絵ですね。 悲嘆にくれる男性と無関心な相手の女性で、 恋の終幕が描かれています。 また、タイトルの「灰」は愛の死を意図したもので、 構図の端に見られる燃え尽きた木(内部から)に象徴されています。 長髪の女性は、動作も合わせて、 素描、油絵、リトグラフほかの作品にも描写されており、 人生の狂気をテーマに、ムンクは特に女性に関しては 魔性女や不倫、嫉妬、絶望的な愛・恋などほかを モチーフにした画家で、「灰」はその一部です。
お礼
教えてくださってありがとうございました! ・・・でも、最も知りたかった 四つの謎は解けないままです (ーー; おそらくはっきりとそうとはわかっていない事柄なのでしょうが 「そうかもしれないと考えられている」という見解でもかまわないので あのテレビ番組(番組名も謎のままです)で言われていたことを 知りたかったです。
お礼
ありがとうございます!(^О^* 「その番組見たよー!」という人は もう現れないものと思って あきらめかけてたところでした !! そうか~迷宮美術館だったんですねー! 迷宮美術館は大好きな番組でした。 あんなに面白かったのに終わってしまうなんて・・・。 Wikipediaによれば、番組の制作費が 1本2,010万円もかかっていたとか。 でも復活して欲しいです !! ほんとに詳細に教えてくださって ありがとうございました! あ…ところで余談ですが、Google画像検索で 「Munch Ashes」(ムンク 灰)と検索すると ところどころに、女性の右半身とうずくまる男性が 緑っぽい絵が混じってるんですよ! 今回調べていてわかりました。 背景も違い、明らかに異なる絵です。 ムンクは「叫び」を4、5枚描いたという話もあり おそらくこの作品にも思い入れがあって 2枚以上描いたのではと思いました。