音楽用CDには、二つの側面があります。
ひとつは、ごく一部のオーディオ機器が要求するSCMSに対応したもの。
もう一つは、私的録音保証金が価格に含まれたものです。
前者については、ほとんどの人がそんな機器の存在すら知らないので
一般的には、音楽用CDは後者の意味で使われます。
ですから、ほとんどの場合は、データ用CDで代用できます。
それをフェアなことと考えるか考えないかは、特に意見するつもりはありません。
私個人は、家電HDDレコーダーでのDVD-R保存には、録画用を用いましたが…
それが半年でトラブルをおこし、この5年はPCでしか録画していませんし
録画用光学ディスクを購入した事もありません。
音楽データのあり方も、おおむね三つの要素で考えることができます。
1.データを格納する物理媒体
2.データを格納するファイルシステム上の枠組み
3.データ自体のあり方
1はCDやUSBメモリーやFDなどです。
2は音楽については、おおむね2,3はセットになっています。
3は、レコードディスクのようなアナログデータから、MP3やWMAなどの圧縮形式まで。
この三つの要素すべてに対応しなければ再生できないわけですから
普通のCDプレーヤー装置では、CD-RにCD-DAとしての規格にあわせ
44.1kHz,16bitのPCMデータを格納する必要があります。
(それでもプレスのCD以外は対応しない機器もかつてあったようです)
デジタル技術を盛り込んだ現在の家電、デジタルフォトフレーム
携帯電話と、いろんな記録媒体を利用できる機種が増えましたが…
対応形式について、2,3の要素を、的確に判断する必要があります。
もちろんパソコンでは、ほとんどの要素は
対応するアダプターやソフトウェアの追加で解決できます。
CDDAでは一時間分の楽曲が600MB程度になったりするわけですが
携帯電話などで広く使われているm4a形式ではその1割程度までに圧縮されます。
MPEG2,MPEG4系やWindowsMedia系やQuickTime系、それにライセンスフリー系と
いくつもの音楽圧縮の技術が普及し、Skypeのようなネット電話にも使われています。
こういった技術は、人が認識できない(しづらい)情報を切り捨てることで
PCM形式から、元に戻せない非可逆の圧縮技術として発達し、2000年前後…
PCへの音楽蓄積や、iPodに代表されるポータブルオーディオに寄与しました。
しかし、現在では圧縮に伴う、音質の劣化を忌避し、容量の余裕が出たこともあり
PCM形式と比較して劣化しない形式に注目が集まっています。
前者の代表は、MP3,AAC(m4a),WMA,Vorbisなどです。
後者の代表は、Appleロスレス,WMAロスレス,FLACなどです。
無圧縮の形式としては、PCM形式,WAV,AIFFなどがあるわけですが
圧縮しながら、可逆であり、PCM等と比較して劣化の無い形式をロスレスと総称します。
現行のiPodなどではAppleロスレスが利用できますが
ロスレス技術を使える家電等は普及状況がよくわかりません。
利用する状況を考えて、最適な装置と
それに組み合わせるデータ形式を考えるのが理想です。
・脱線
ことパソコンでは保存形式としては何でもありです。極端なこと考えれば
高圧縮した音楽データを、ishやuuencodeでテキストファイル化して
印刷した紙を渡し、OCRで復元し、複合し…という手順で
音楽を受け渡すことさえも、理論上はできます。
今実験してみたら、3.8MBの残酷な天使のテーゼ.m4aをUUにすると
5.3MBのテキストファイルになったので、OCRで読める大きさで印刷すると
…紙何枚になるんでしょうね。計算するのがアホらしくなりました。
#しかしUUなんかi486時代に使ったっきりでしたが
#今のCPUでやると、ほんの一瞬なのな。軽くビビった。
お礼
ありがとうございました。