ゴルゴ13の実写版について
ゴルゴ13の実写映画は「ゴルゴ13」(1973)「ゴルゴ13 九竜の首」(1977)の2作あります。現在(2014)の目で見れば、全体的に粗暴で貧相な面が拭えませんが、当時の邦画アクションにおいては両作品と十分に及第点だった思います。「ゴルゴ13」を描いた映画として満点を上げられる作品はアニメーションですらなしいのですから、「こんなのゴルゴじゃない」と言い出したらきりがありません。アニメやコミックの実写化作品が作られるたびに批判され続けている邦画界ですが、元々映画は小説やコミックの原作ありきで作られることが多いわけですから、スタッフの試みも無碍に批判していては仕方がないと思います。(まぁ、批判するのも楽しみのうちなわけなんですけど・・・)
さて、原作者のさいとうたかをは映画「ゴルゴ13」(1973)に不満だったようです。その理由は「オール海外ロケ・高倉健主演という条件を東映が飲んだので、製作の許可したのに現場で自分の書いた脚本を変えられてしまった」ためのようです。 しかし、その4年後には「ゴルゴ13 九竜の首」(1977)の製作を許可していますが、この映画に対するコメントとも特に伝わっていません。オール海外ロケではなく、高倉健主演でもなく、自身では脚本も書いていません。この違いは何なのでしょう。一作目に比べて、二作目がスケールダウンしていることは間違いないのですが、極めて駄作であったとも思われません。この扱いの違いは何によって生じたのでしょう。