1)マクロレンズ:
そもそも、複写・接写用途に開発されたレンズであり、近接性能は一番優れている。特に、以下で優れている。
・像面の平坦性(文献のような平面を写しても像も平坦なため隅々までシャープに写る)。特に最近のマクロレンズは近接時の像面特性を向上させるために「フローティング」という技術を採用しており、近接時は勿論無限遠でも性能の低下がない。
・高周波MTF特性(いわゆる「解像度」に相当、細かな文字などもハッキリ写る)
・歪曲(図面のような直線を含むものを写しても線が曲がりにくい)
・そのままでの近接能力、1/2倍~等倍(等倍とは、物体の大きさと、フィルム上に写った像の比率が1:1であること)
2)接写リング:
普通のレンズの繰出し量を補助するだけ。ベローズも原理的にはこれと同じ。
・近接時に性能が低下する。特に像面の平坦性が崩れ、文献などの複写には向かない。昆虫や花ならそれほど目立たないが、像面だけでなく、これと密接に結びついた「非点収差」が増大し、画面の周辺で像が崩れる。
3)クローズアップレンズ:
これは手持ちのレンズの先端にそのまま付けて接写を楽しむもので、
・手軽
というメリットはあるものの、光学的には以上3つの内で最悪。つまり、
・1枚、または張り合わせた2枚のレンズを既存光学系に加えるので、あらゆる収差が増大する。2枚だと「色収差」だけは1枚よりマシ。
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結論:
目的によります。文献などの複写が目的なら答えは一つです。マクロ以外選択の余地はないです。
それ以外で、いつもネガカラーのサービス版同時プリントしかしないならマクロ以外でも問題ないでしょう。
しかし、たまに拡大するとか、ポジで撮るとか、モノクロで大伸ばしするなら、この場合もマクロがオススメです。
マクロの中でも、昆虫や花なら、90mm~100mm級のマクロが使い易いです。光学性能は各社とも粒揃いで、文句の付けようがありません。文献複写なら50mm~60mm級かな?