今日は。
私は小学生時代1965年頃「さらばピアノよ」が入っている17センチ盤のLPレコードを買い、今でも大事に持っています。そこでこのジャケットの裏の「さらばピアノよ」の解説をそのまま写します。
「この曲は1838年ベルリンのある出版社から「信仰、愛、希望」という標題をつけて出版されました。その後この曲のもつどこか「別れのムード」によってでしょうロンドンのブージー出版社から「さらばピアノよ」という題をつけられ、そしてベート-ヴェン最後の作品と宣伝されて出版されました。ところが現在では、この曲はベートヴェンの作品ではなく、ベートーヴェンの名を誰かが騙って発表したものとされています。右手が旋律と同時に伴奏も弾くので、楽譜は比較的単純ですが、弾く人の音楽性がはっきりわかる曲です。ヘ長調―ヘ短調―ヘ長調の三部形式をとっています。」
以上ですが、私が知る限りこの録音はCD化されていませんし。今後もCD化の可能性は無いと思いますで。このレコードの情報をお伝えします。
レコードのタイトルは「金婚式」 収録曲は マリー 金婚式 、ギー アマリリス、ベートーヴェン メヌエット ト長調 さらばピアノよ。
ピアノ ジェローム・ローエンタール 発売元 日本コロムビア株式会社 LSS-1305-Nです
もし興味があるなら中古レコード屋さん等で探してみて下さい。
また楽譜もその当時買いました。もちろん今でも持っています。全音ピアノピースNo.34 音楽之友社ピアノピースNo.161です。未確認ですがまだ絶版ではないと思いますので、もしお持ちでない場合も日本国内で容易に手に入ると思います。
音楽之友社の方(昭和34年2月20日発行)には解説が載っていますので紹介します。
「この曲はベートーヴェンの曲としてひろく初心者の間で弾かれるものであるが、ベートーヴェンの作品であるという根拠はうすく、最近では偽作と考えられている。曲の形式は舞曲形式あるいはバガテル風であるが、主題的な発展も少なく、断片的であり、そのためベートーヴェンが草稿のまま残したピアノ曲のごとく思われたわけである。たしかにベートーヴェン的な発想もあるが、分散和音の様式には、むしろベートーヴェン以降のロマン派音楽に近いものを感じさせるものがある。全体に歌謡風に進行する叙情的な作品」
以上です。
この曲はテクニック的にさほど難しくないので、ピアノを真面目に勉強した人なら誰でも弾けます。実際私は今でも時々弾く事が有ります。
それから、ディアベリが編曲したアンダンテ・マエストーソ ハ長調 Woo62は「最後の楽想」(ドイツ語でLetzter Gedanke)の曲名で知られている曲で、日本版では音楽之友社の「ベートーヴェン作品集」の一番最後に収められている曲であり「さらばピアノよ」とは別の曲です。この「最後の楽想」も「さらばピアノよ」もベートーヴェンの最後の(ピアノ)曲と紹介される様なので、恐らく音楽作品名辞典の執筆者はこの二曲を混同してしまったのだと思います。
尚、専門的になりますが、この「さらばピアノよ」は、音楽学者のグスターフ・ノッテボームが著した、「ベートーヴェンの出版された作品の主題目録」ドイツ語で
Thematishes Verzeichnis der im Druck ershienenen werke von Ludwig van Beethoven
の付録の191ページの一番下に冒頭の数小節が紹介されています。
私がお答えできるのは以上です。私もベートヴェンがこの「さらばピアノよ」を作曲したとは思いませんが、なかなか良い曲だと思いますし、個人的には結構好きです。もし聴いた事が無いのならぜひ見つけて楽しんで下さい。