クルマの設計屋です。
誤解や風説?により混乱がある様ですが、あのミラーの意味は・・・
1.左折時の巻き込み防止の為のミラーです。
かつてのRVブームの時左折時の巻き込み事故が懸念され、国から規制をかけられる前にJAMA(日本自動車工業会=自動車製造業の寄合組合みたいなモノ)が動き、最初は業界自主規制として施行されたモノが、後に法規となりました。
目的はあくまでも巻き込み防止であって、オフロードでの車幅確認としての機能は、あくまでも副産物です。(オフロードでの視界確保の目的で設計した事はありません。)
2.左折巻き込みの死角となっているのは、ドアミラーより前方、エンジンフードの左側面部分です。
車両最先端に近いところにドアミラーがある1BOXや1.5BOX型のクルマでは、ドアミラーが車両全長に近い範囲の左側面をカバーしているので、この自主規制からは除外されました。
3.これは業界に流れているウワサであり、確認した者はワタシの周りにはいませんが、と最初にお断りしておいて・・・
RVブームの頃、一般路走行の為の安全性を十分に有していない巨大なタイヤを履かせ、横転性能が著しく悪化するほど極端に車高を上げた『ビッグフット族』が、終電の終わった東京・渋谷に、ナンパ目的で集結していた時期がありました。
この中の小僧の一人が、お年寄りを『左折巻き込み』で轢いてしまいました。
こんなクルマでは左下方など全く見えず、制動性能などの基本性能も異常に低下しているので一般路を走る事自体が既に犯罪だと思いますが(今までの類似の事故のケースでは、整備不良で処理されたでしょう)、しかしこの事故を起こしたガキのお父様が当時の運輸省の重要なポストに就いており、『クルマ側に欠陥がなかったか?』と騒ぎ出したのです。
『お上』の指導を待っていて、ムチャクチャ厳しい規制をかけられたらかなわん、更に一方的にクルマ側を悪者にされたら新しいPL法裁判でもタタかれる、という予測が働いて、JAMAが先に動いて業界自主規制を作成し、結果、あの『第3のミラー』が誕生しました。
・・・というのはあくまでもウワサですが、珍しく?レスポンスのよい業界の動きを見て、我々開発側の者は妙に納得しました。
お礼
ありがとうございます。 やっぱり巻き込みもあるのですね。 でも、大きな1BOXの方が危険の ような気もしますね。